■特集:はじめてのオープンキャンパス

オープンキャンパスは受験生が大学について、さまざまな情報を得られるイベントです。体験・参加型のオープンキャンパスでは、実際の授業を見学したり、実習を受講したりと、大学での学びを具体的に知ることができます。医療系や芸術系などの学部・学科では、入学後のミスマッチを防ぐためにも、体験型のイベントに参加することが大切です。(写真=藤田医科大学提供)

大学だけでなく「病院」でも見学会を開催

新型コロナウイルスの感染状況が落ち着き、通常のオープンキャンパスが開催されるようになりました。なかでも早めにチェックしておきたいのは、医療系や芸術系など実技を伴う学部・学科です。

リハビリテーションの専門職を養成する藤田医科大学保健衛生学部リハビリテーション学科では、学びの場を見学する「キャンパス見学会」だけでなく、仕事の現場をイメージできる「病院見学会」も行っています。

まずキャンパス見学会では、大学内にあるリハビリ実習室を見学できるほか、模擬講義で授業を体験することができます。具体的なイメージが湧きづらいリハビリの世界を、手足の筋力を計測したり、失った機能を補う道具を使用したりして理解を深めます。同大学が企業と共同開発したリハビリロボットを操作するなど、最先端のリハビリテーションも体験できます。

リハビリテーションロボットの一つ、「バランス練習アシスト」を体験(写真=藤田医科大学提供)
リハビリテーションロボットの一つ、「バランス練習アシスト」を体験(写真=藤田医科大学提供)

ミスマッチを防ぐため、現場で働く姿を見てもらいたい

病院見学会では、大学と同じ敷地内にある藤田医科大学病院のリハビリテーションセンターで、理学療法士や作業療法士が実際に患者と接している様子を見学することができます。同大学は、キャンパス見学会を「大学の学びを体験する場」、病院見学会は「働き方を確認する場」と位置づけ、キャンパス見学会に加えて、2023年5月に病院見学会をスタートさせました。この理由を、リハビリテーション学科の松田文浩講師は次のように話します。

「現在、本学のリハビリテーション学科には『理学療法』と『作業療法』の2つの専攻があります。入学後のミスマッチを防ぐには、それぞれの内容を理解した上で受験する必要がありますが、キャンパス見学会だけでは、各職種のイメージを十分につかんでもらえませんでした。

そこで実際に働いている現場を見てもらうほうがいいのではと考え、大学病院リハビリテーションセンターの見学会を開催したところ、参加した高校生から『理学療法と作業療法がどういうものなのかよくわかった』といった感想が寄せられました。また、『うちの子は理学療法士を目指しているが、作業療法士もいいかもしれない』と話す保護者もいました。

オープンキャンパスに参加する高校生の7割は保護者も同行するため、病院見学会は親が子どもと一緒に進路を考えるうえでも有益だと感じます

理学療法で用いる下肢装具を説明(写真=藤田医科大学提供)
理学療法で用いる下肢装具を説明(写真=藤田医科大学提供)

体験型イベントで大学生活をよりリアルにイメージ

同大学は、大学病院を持つ強みを生かして体験型プログラムの充実を図りましたが、体験型イベントの形は大学によって様々です。たとえば洗足学園音楽大学は、実際の授業を見たうえで希望する教員からレッスンを受けられる「平日個別学校見学&体験レッスン」を実施しています。また宇都宮共和大学子ども生活学部では、学生が手作りしたパネルシアターや手遊びなどを通じて保育を体験できる場もあります。

オープンキャンパスや体験型イベントについて、先の藤田医科大学の松田講師はこう話します。

「コロナ禍が下火になり、大学や病院に入場できる機会も増えました。たとえば本学の場合、キャンパス見学会と病院見学会では体験できる内容が異なるので、両方参加してみるとやりたいことが見えてくるかもしれません

大学での学びの内容をはっきりとつかみ取るためにも、体験型オープンキャンパスをうまく活用し、進路選択の参考にしたいものです。

(文=熊谷わこ)

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