大学教員と「面接」練習も オープンキャンパス活用術

2023/06/23

■特集:はじめてのオープンキャンパス

大学受験で総合型選抜(旧AO入試)や学校推薦型選抜(旧推薦入試)など、一般選抜(旧一般入試)以外の入試方法を選ぶ学生が増えています。しかし親世代にはなじみが薄い入試方法で、大学によって選考方法が異なるため、その内容がよく知られていないのが現状です。オープンキャンパスを活用して、受験生や親に大学への理解を図ろうとする大学もあります。(写真=山梨英和大学提供)

わかりづらい入試形式を解説 

山梨英和大学は2023年4月に実施したオープンキャンパスで、総合型選抜や学校推薦型選抜といった年内入試に関する進学相談会を行いました。高校3年生とその保護者が主な対象で、「これらの選抜方法の内容がわかりにくい」という声を受けて企画しました。

オープンキャンパスを春に実施した理由について、入試・広報部の武笠和幸さんは「一般的に高校3年の5月ごろから学校で三者面談が始まります。それまでに本学の選抜方法を理解してもらえたら、先生との相談もスムーズに進められるのではないかと考えました」と話します。

演劇スタイルで事前面談を再現

受験生から特に質問が多いのが、同大学の特徴である総合型選抜の「事前面談」についてです。出願前に教職員と受験生が対話型で面談し、「受験生と大学の目指すものが合っているか」を確認します。「大学で何を学びたいか。それはなぜか」を詰め、アドミッションポリシー(入学受け入れ方針)を理解したうえで9月以降に出願書類を提出し、11月以降の面接試験(対面)へと進みます。事前面談は出願に必要な最初のステップになるため、受験生からは「どういう内容なのか」「どういう準備や対策が必要か」などの質問が寄せられていました。

「4月の進学相談会では、事前面談の内容や実施時期、それによって本番の面接に臨みやすくなることを理解してもらうため、昨年の総合型選抜を受験して入学した学生による演劇スタイルで、教員の解説を交えながら事前面談の様子を再現しました。受験生役の学生には、昨年の事前面談で準備していた資料を持ってきてもらったり、実際の受け答えを表現してもらったりして、リアルさを再現しました。

このプログラムを通して、事前面談は本番の面接に受かりやすくなるようアドバイスをするもので、落とすための面談ではないことがわかると、参加者の皆さんの表情が明るくなる様子がうかがえました。参加者からは『よく理解できた』という声が寄せられ、アンケートでも高評価だったので、実施したかいがあったと思います」(武笠さん)

事前面談の様子を、昨年受験した学生が再現(写真=山梨英和大学提供)

オープンキャンパスで面接対策

オープンキャンパスで総合型選抜対策のプログラムを実施する大学は増えています。

清泉女子大学では、23年4月のオープンキャンパスの特別プログラムとして、「英語面接対策講座」を実施しました。外国語系・国際系学部の総合型選抜、学校推薦型選抜では英語面接が課されることがあり、同大学では英語英文学科の総合型選抜で、英語での質問に英語で回答する口頭試問があります。オープンキャンパスの特別プログラムでは、英語英文学科の教員が英語の聞き取りや応対のコツなどについて、レクチャーしました。

また、大阪商業大学では「AO入試対策講座」を実施。事前審査課題や面接のポイントなど、総合型選抜の対策法をアドバイスしました。本番と同じ環境で面接を体験できる模擬面接は、終了後に個別にアドバイスをもらえるため、受験生にとってはかなり参考になりそうです。

高3の春には志望校を絞り込むことが必要

先の山梨英和大学のオープンキャンパスは春に行われましたが、「来校が2回目以上」という参加者が多くいました。総合型選抜、学校推薦型選抜での出願を考える場合、高校3年の春には志望校をある程度、絞り込んでいることが必要です。一般選抜よりも受験スケジュールが早いため、早めに検討を進めておくのがいいでしょう。

(文=森田啓介)

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