【知りたい!年内入試】「総合型選抜」「学校推薦型選抜」6つの疑問

2023/11/24

■知りたい!年内入試

大学入試の形が大きく変化しています。親が受験した時代にはなかった「総合型選抜」(旧AO入試)と「学校推薦型選抜」(旧推薦入試)については「どんなものなのかがわからない」という人が多いようです。よくある質問について専門塾に答えてもらいました。(写真=AOI提供)

 

Q.いつから準備を始めればいいですか?

総合型選抜は原則として、9月1日以降に出願が始まります。このため、総合型選抜を受ける人は夏休みまでに出願書類の準備をする必要があります学校推薦型選抜の出願は11月1日以降です

総合型選抜、学校推薦型選抜のいずれも、調査書など学校側に準備してもらわなければならない書類があります(学校推薦型選抜の場合は学校長の推薦書が必要)。高校の先生と相談しながら、出願の締め切りに間に合うよう、早めに準備をスタートさせましょう。

総合型選抜、学校推薦型選抜のどちらも、2次選考で面接や小論文を課すことが多いです。また、大学や学部によっては個別学力試験や大学入学共通テストを課すところもあります。こうした学力試験対策は本番直前になってからでは難しいものです。

「年内入試」と呼ばれる、これらの入試を受ける場合、「自分の興味・関心や学んでいきたいこと」についても、早い時期から意識することが大事です。

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Q.国公立大学と私立大学とで「年内入試」に何か違いはありますか?

学校推薦型選抜には、指定校制と公募制があります。国公立大学では指定校推薦を実施しているところは非常に少ないです。一方、2023年度入試では97%の大学が学校推薦型選抜を行っています。この中には、東京大や京都大(特色入試)なども含まれます。総合型選抜を行う国公立大学も年々増え、23年度入試では58%が導入しています。

私立大学は、指定校制を行っているところが多く、公募制の学校推薦型選抜や総合型選抜も大半の大学が行っています。

国公立大学の中には、学校推薦型選抜や総合型選抜で翌年1月の大学入学共通テストを課すところがあります。この場合、合格発表は2月以降になることが多いです。

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Q.浪人していると受けられませんか?

大学や学部によりますが、浪人でも出願ができるところはあります。浪人で受けられるかどうかは、各大学の募集要項の要件に記載されているので、確認するといいでしょう。

総合型選抜は学力だけで測定できない受験生の個性や能力を評価する入試なので、浪人生だからといって不利なことはありません。また、出願資格さえクリアしていれば、大学に通いながら翌年の大学受験を目指す仮面浪人でも受験が可能です。浪人生は現役生に比べて時間があるので、志望理由書に力を注ぐことができるのもメリットでしょう」(総合型選抜専門塾、AOIの木伏聖陽さん)

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Q.併願はできるの? 不合格だった場合はどうする?

学校推薦型選抜では、指定校制は専願(他の大学に出願できない)です。公募制も関西の一部の私立大学などを除いて専願が基本ですが、併願可能な他の大学を受けることはできます。ただし、合格したら専願の大学に入学しなければなりません。総合型選抜は、専願の場合と併願が可能な場合があります

総合型選抜、学校推薦型選抜という「年内入試」に出願する受験生の多くは、不合格だった場合に備えて複数の大学・学部を受けるのが一般的です。人によって受ける大学の数は違いますが、3~5校というパターンが多いようです。一般選抜と違い、偏差値などの基準がないため、合格する可能性を個人で判断するのは難しいですが、専門塾では過去の合格者のデータなどから、難易度を把握しており、一般選抜と同じように併願校や滑り止め校を含めた受験校選びを指導しています。年内入試がすべて不合格だった場合は、一般選抜を受けることになるので、並行して一般選抜の勉強を進める必要があります。

年内入試を実施する大学・学部が増えてからは、総合型選抜から一般選抜までを想定して対策を考える受験生が多くなりました。受験生の負担はありますが、入試のチャンスが増えるというメリットもあります。実際、第一志望を総合型選抜で不合格となった塾生が、リベンジで一般選抜でその大学を受け、合格するケースは珍しくありません」(早稲田塾の中川敏和執行役員)

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Q.部活動はしていたほうが有利ですか?

年内入試では、出願時に提出する書類に部活動について記載する欄があります。面接で部活動について聞かれることもあるようです。しかし、「大事なのは部活動に入っていたということではなく、そこでの経験から何を学んだか」というのが専門家の共通した意見です。

「総合型選抜では自主性や意欲のある人を高く評価する大学・学部が多いです。部活動に所属していてもほとんど参加していなかった人は、面接で『部活動で何を学びましたか』と聞かれても前向きな話がしづらいでしょう。むしろ、『自分の意思で部活動に入らなかった』というエピソードのほうが好印象を与える可能性もあります。地域のボランティアや習い事など学校外の活動に注力していた人は、それがアピールポイントになるでしょう。しかし、何も特別なことをする必要はありません。同じ図書係を務めたとしても、なんとなく活動していた人と、『10年に1人と言われるくらい、すばらしい図書係となる』という気合をもって取り組んだ人とでは、話の内容は異なるでしょう。日常の経験が色濃いものとなるよう、取り組む姿勢が大事だと思います」(洋々<ようよう>の清水信朗代表)

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Q.英語資格は必要ですか? 

「読む」「聞く」「話す」「書く」の英語4技能を見るため、多くの大学・学部で実用英語技能検定(英検)やTOEFLなどの英語資格試験を出願条件や判定基準に採用しています。英検2級相当や英検準1級相当を出願資格や加点基準としている大学もあるので、年内入試を考える人は早めに取得したほうがいいでしょう。

「英語資格は繰り返し、受験できるのがメリットです。高1くらいから取り組めば、かなりの確率でめざすレベルに到達できると思います」(早稲田塾の中川執行役員)

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(文=狩生聖子)

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