日本がサイバーセキュリティの安全性ランキングで首位、英比較サイトが算出60カ国を7項目で評価

英国の比較サイトComparitech.comが発表した世界60カ国のサイバーセキュリティ安全性ランキングで、日本が最も安全な国と評価された。2位以下はフランス、カナダ、デンマーク、米国の順だった。

» 2019年02月08日 12時00分 公開
[@IT]

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 英国Comparitechが運営する比較サイトComparitech.comは2019年2月6日(英国時間)、世界60カ国のサイバーセキュリティについて安全性のランキングを発表した。

 それによると、最も安全な国は日本で、以下、フランス、カナダ、デンマーク、米国が続く。最も危険な上位5カ国はアルジェリア、インドネシア、ベトナム、タンザニア、ウズベキスタンだった。

サイバーセキュリティの国別安全性ランク 安全な国を青、危険な国を赤で表している(出典:英Comparitech.com

被害者や攻撃者の割合から判定

 Comparitechは60カ国それぞれについて次の7項目を調査し、各調査結果の数値を同じ重み付けで点数化した。

  1. マルウェアに感染したモバイルユーザーの割合
  2. 金融マルウェア攻撃を受けたユーザーの割合
  3. マルウェアに感染したコンピュータユーザーの割合
  4. telnet攻撃の発信源となった割合(国別に算出)
  5. クリプトジャッキング(クリプトマイニング)攻撃を受けたユーザーの割合
  6. 適切なサイバー攻撃対策が行われている
  7. 最新のサイバーセキュリティ関連の法律が整備されている

サイバーセキュリティ上、最も危険な国は?

 この調査では、地中海沿岸の国アルジェリアがサイバーセキュリティ上、最も危険だと評価された。アルジェリアは法律の整備とコンピュータユーザーのマルウェア感染率の数値が60カ国の中、最悪だった。さらにモバイルユーザーのマルウェア感染率やサイバー攻撃対策でも、非常に悪い数値を記録した。

サイバーセキュリティの安全性ランク(総合点数が低いほど安全)

 7項目それぞれの数値が最悪だった国は以下の通り。

  • マルウェアに感染したモバイルユーザーの割合が最も高い:バングラデシュ(35.91%)
  • 金融マルウェア攻撃を受けたユーザーの割合が最も高い:ドイツ(3%)
  • マルウェアに感染したコンピュータユーザーの割合が最も高い:アルジェリア(32.41%)
  • telnet攻撃の発信源となった割合が最も高い(国別に算出):中国(27.15%)
  • クリプトジャッキング攻撃を受けたユーザーの割合が最も高い:ウズベキスタン(14.23%)
  • 適切なサイバー攻撃対策が最も行われていない:ベトナム(0.245ポイント)
  • 最新のサイバーセキュリティ法律が最も整備されていない:アルジェリア(重要カテゴリーが1つしかカバーされていない)
サイバーセキュリティの安全性ランキングとクリプトジャッキング攻撃を受けたユーザーの割合の関係 円形の寸法はマルウェアに感染したユーザーの割合を示す(出典:英Comparitech.com

なぜ日本は最も安全だとされたのか

 今回の調査では、日本がサイバーセキュリティ上、最も安全な国と評価された。日本は主要な調査項目で極めて良い数値を記録し、サイバー攻撃対策と法整備の項目の数値だけが若干悪かった。

 7項目それぞれの数値が最も良かった国は次の通り。

  • マルウェアに感染したモバイルユーザーの割合が最も低い:日本(1.34%)
  • 金融マルウェア攻撃を受けたユーザーの割合が最も低い:ウクライナ(0.3%)
  • マルウェアに感染したコンピュータユーザーの割合が最も低い:デンマーク(5.9%)
  • telnet攻撃の発信源となった割合が最も低い(国別に算出):アルジェリア、ウズベキスタン、スリランカ(0.01%)
  • クリプトジャッキング攻撃を受けたユーザーの割合が最も低い:デンマーク(0.61%)
  • 適切なサイバー攻撃対策が最も行われている:シンガポール(0.925ポイント)
  • 最新のサイバーセキュリティ法律が最も整備されている:フランス、中国、ロシア、ドイツ(重要な7カテゴリーが全てカバーされている)

7項目を等しく評価

 サイバーセキュリティ安全性ランキングは7項目の得点に基づいている。

 1〜5までの項目の割合は、2018年に発生した実際の攻撃に基づいて算出した。

 「適切なサイバー攻撃対策が行われている」の数値(ポイント)は、ITU-D(国際電気通信連合の電気通信開発部門)の「Global Cybersecurity Index(GCI)」を使って算出した。「最新のサイバーセキュリティ関連の法律が整備されている」の数値は、7つのカテゴリー(国家戦略、軍、コンテンツ、プライバシー、重要インフラ、商取引、犯罪)をカバーする法律(と法案)の存在に基づいて算出した。法律がある場合は1ポイント、法案がある場合は0.5ポイントを与えた。

 その後、7項目それぞれについて各国の点数を算出した。項目ごとにパーセントまたはポイントに基づいて60カ国を順位付けして、サイバーセキュリティ上、最も安全な国に0点、最も危険な国に100点を与え、他の58カ国は、パーセンタイルに基づいて点数を与えた。

 総合点数は、各国が7項目で獲得した点数を平均して算出した。

 この調査は、入手可能な最新データに基づいて行われ、全てのデータが入手できた国だけが取り上げられた。

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