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リスクオフ時に購入するなら円、安全通貨としてフラン抜く-シティ

  • 米国株指数の下落率が2%以上となった時のフランと円を比較
  • スイスの銀行規制変更や日本人の海外資産拡大などが要因

投資家がリスク回避に動いている時に外為市場で取引するなら円の購入しかない。

  これはS&P500種株価指数の下落率が2%以上に達した時にスイス・フランと円のパフォーマンスを比較したシティグループのアナリストらの見解だ。 フランは2008年の世界的な金融危機の前までは明らかに円を上回る安全通貨だったが、その後、円がトップの座を奪ったのは「歴然」としていると、カルビン・ シー氏らアナリストがリポートで指摘した。

Yen now more favored than franc in times of turbulence

  円はこの2週間に確実に強さを示した。S&P500種株価指数が2日連続で2%余りの下げを記録した期間に円は対ドルで約1.4%上昇した。一方、フランはこの間0.6%上昇にとどまった。

  アナリストらは「市場のボラティリティーが年末にかけて高い状態が続くと見込まれる中で、リスク回避の動きがより頻繁に起きる可能性が高まっている」とし、「保有する上で際立って安全な通貨は1つしかない」 とリポートで言及した。

  円が08年以降に最も安全な通貨となったことに関して考えられる要因として、円のショートカバーのポジションが増えたことやスイスの銀行規制変更、フランに対する円の下落を挙げた。また日本人の海外資産が膨らんでいることも指摘した。これによってレパトリ(本国への資金還流)の規模はスイスより大きくなる。

  また中央銀行の政策の違いも重要だ。日本銀行が危機後に市場介入に動いたのは8日だけだが、スイス国立銀行(中央銀行)はフラン高を抑える目的で恒常的に介入していると、アナリストらは分析している。

  リポートでアナリストは「円が割安な中で日本人は純ベースで世界最大の国際的な民間投資ポジションを持っている上に、日銀は介入しない姿勢を取っている。リスクオフの唯一の為替取引は円の購入だ」と記した。

原題:Yen Reigns Supreme Over Franc as a Haven When Markets Get Messy(抜粋)

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