樋口 正太郎さん
2年次臨床研修医
手厚いサポートの中、“名もなき病い”の
患者さんを前に心情にもふれられるような
丁寧な聞き取り方を学んでいます。
祖父と父が開業医で、患者さんとすれ違ったとき、「先生、いつもありがとう」の言葉に笑顔になる父の姿を見て、自然に医師になろうと考えるようになりました。父は消化器内科が専門ですが、病院には、花粉症の症状の患者さんが来院されることもあるそうです。現在、私が研修を行っているこの総合診療科は、どの診療科で診てもらえばよいのかわからない方が来られますので、将来、父の病院を承継したら、この総合診療科のように、“名もなき病い”の患者さんを診ることもあるだろうと思いながら、心して研修に臨んでいます。
岩手医科大学附属病院の先生方には、熱心にご指導いただいています。常に後ろに控えていてくださり、患者さんへの対応に関する感想や助言をいただけるので、頭に入りやすいです。この研修プログラムの特徴は、ローテートの自由度が高く、院外研修も積極的に経験できる点にあると思います。次は院外研修ですが、それまで患者さんの心情にもふれられるような聞き取り方を経験したいと思っています。
8:30
カルテのチェック
毎朝、その日に診察に来られる患者さんのカルテに、ひと通り目を通します。経過をきちんと確認して、今後の治療について討論できるよう準備をします。
9:00
診察
まず症状を幅広く伺った上で、さらにそれに対して患者さんがどのように考えているのか、何を心配されているのかといったことを、できるだけ引き出すようにしています。医学的な側面の聞き漏らしがないようにしながら、リラックスした雰囲気の中で、患者さんの生活環境や社会的側面についてもお話を伺い、診察に活かします。
10:00
指導医の先生に相談
診察前後、疑問や迷いなどがある場合は、時間や場所に関係なく、指導医の米田先生をはじめ、先生方に相談して意見や指導を仰ぎます。先生方はいつも熱心に、一緒に考えてくださるので安心感があります。
11:00
回診
症状の変化や食事、睡眠の状況などを伺いながら、表情、仕草もしっかり観察して、心配ごとなどはないか、こちらのお話を安心して聞いてくださっているか、といったことを把握するようにしています。また、今後の治療方針の確認なども行います。
12:00
昼食
仕事の手を休めて、リフレッシュできる昼食の時間を大切にしています。先生方とご一緒するときも多く、他愛のない話でリラックスします。私は出前を届けてもらうことが多いです。
13:00
カンファレンスに向けての準備
毎日、午後3時くらいから、その日経験した症例のカンファレンス発表を行います。診察の中で得た患者さんのさまざまな情報を整理して発表し、先生方の考え方や意見を伺うための準備をします。
15:00
カンファレンス
一人の患者さんのプロフィール、総合診療科にいらっしゃった経緯などから発表を始めます。いつ頃から、どのような症状を自覚していたのか、同居のご家族はどのようにその症状を把握していたのかといったお話も参考にして、病気の原因を探り、治療計画を立てていきます。
16:30
抄読会
抄読会で「余命が限られている患者の多くが肺がん検診の受診を決意する理由」をテーマとした論文について発表しました。その後の討論を通して、最新の情報をはじめ、さまざまな知識を増やします。