化学科
本学科は、医学部、歯学部、薬学部および看護学部の第一学年に対する、化学全般の講義および実習等を主に担当している。前期は全学部を対象とした「ベーシック化学」、「アドバンスト化学」および「多職種連携のためのアカデミックリテラシー」と、医・歯学部に対する「化学実習」を担当し、後期には医・歯学部に対する「専門課程への化学」と、薬学部に対する「基礎化学」および「化学実習」を担当している。また、岩手県内5大学間単位互換制度では「専門課程への化学」および「基礎化学」を開講し、医療系大学における基礎化学教育を地域内大学にも広く開放している。
講座・教室からひとこと
本学での化学の講義は「生命とは何か」という命題を、学問としての化学を通して追求していくことを大きな柱としている。生命体を化学的見地から考えると、それは物質の集合体であり、炭素、酸素、水素、窒素をはじめとする、わずか30種類ほどの元素による様々な組み合わせによって、タンパク質、糖質、脂質、核酸、ビタミン、ホルモンなど、多種多様な分子がつくられ、この分子が集合して生命の基本単位の細胞が形成されている。このように、細胞を構成している各種分子とはどのようなものであるかを化学の講義から学ぶとともに、元素からそれらの分子がどのような必然性で作られていくのか、また生体内でそれらの分子はなぜ代謝されていくのかなどについて理解し、「生命とは何か」を考えてもらいたい。
講座・教室の基本理念
化学は物質の組成やその相互作用を研究する学問であり、複雑で広い学問領域を含んでいる。しかし一方では、広く我々の実生活と密接に結びつき、常に我々の日常生活全般に渡って広く深く関連を持つ学問である。また、化学は外部的なものにとどまらず、生命体の内部の活動にも深い関係を持っており、生命活動のほとんどを化学反応または化学物質によって説明することができる。すなわち生命現象のしくみを真に理解するためには、「化学」を用いた論理的思考が必要であるといえる。従って化学科が担当する講義・実習の全般を通して、生命科学を学ぶための基礎的学問としての化学を身につけることを基本理念とする。
主な研究内容
- 機能性酸化物に関する固体化学的研究
- マスト細胞の調節性分泌に関する研究
- 受容体刺激により発生する細胞内情報伝達に関する研究
- 天然資源由来の低分子生物活性物質に関する化学生物学的研究