法科学講座[法医学分野]
医学が社会の中で生きている人間を扱う限り,社会・法との関係を無視する事はできません。法医学は社会的・法的問題について,解決をはかる応用医学の一分野です。直接的に一個人の生命を救う医学ではありませんが,公衆衛生,社会福祉および人権の保護に資することを目的としています。
講座・教室からひとこと
一般には法医学教室は「司法解剖を行うところ」として知られており,基礎医学の中でも特殊な分野と考えられているようです。本講座においても岩手県警察や海上保安部などの嘱託により解剖鑑定などの鑑定業務を行っています。又,東日本大震災の際には死体検案業務に全面的な協力をしました。一方,そこに留まらず法医学のカバーする領域は更に多岐にわたり,広く法が関与する問題について医学的・科学的考察を行っています。当講座の地域に対する社会的貢献度は高いと自負しています。
講座・教室の基本理念
医学および自然科学の知見をもとに,法的問題の鑑定・研究を行い,公衆衛生,社会福祉および基本的人権の保護に資する。
主な研究内容および診療内容
- DNA多型および法遺伝学
- 法病理学
- 損傷のエイジング
- 低体温症の分子生物学的研究
- 直腸温の連続モニタリングによる死後経過時間推定
- 法中毒学
- 法昆虫学
- 死亡時画像診断
- 医療関連死の死因究明のあり方に関する検討