救急・災害医学講座
講座・分野紹介
救急医学は医学の原点であり、救急医療は医療の原点であります。当講座で運営している岩手県高度救命救急センターは自己完結型救命センターであり、総合診療や初期診療から手術、集中治療、早期リハビリまで独立科として一貫した医療を行うシステムを取っています。重度多発外傷、重症敗血症、重症四肢外傷、中毒、広範囲熱傷など県内外からの紹介が多いのも特徴です。年間手術件数は外来手術もあわせると500件以上にのぼります。岩手県ドクターヘリも運営しており、養った臨床能力を活用して救命率の向上を目指しています。災害に対しても身に着けた知識や技術を活かしDMAT等の災害医療従事者として対応できるように定期的に訓練を行っています。また、災害医療の担い手である医療人の育成にも力を入れています。
主な研究内容
[救急] ◇生体侵襲時のサイトカインの解析◇多臓器不全症候群の病態生理の解析
◇教育シミュレーション研究
◇エンドトキシン血症の診断法の開発
◇真菌血症の診断法の開発
◇敗血症の迅速診断法の開発(国際特許2件、国内特許4件)
[災害] ◇岩手県における防ぎえた災害死の検討◇災害医療ロジスティクスの強化に向けた取組み
◇発災後の医療ニーズ把握を目的とした医療救護活動の実態把握と診療録の分析
◇避難所の生活環境の実態把握に基づく環境整備のあり方の検討
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◇大学院生の実習風景
学生へのメッセージ
当講座の高度臨床育成分野は内因性・外因性問わず、あらゆる救急疾患に対し、対応・診断・治療・管理できる能力を修練し、総合診療、救急医療、集中治療、災害医療ができる人材を育成する分野です。救急専門医、集中治療専門医を取得できる高度臨床医を育成します。さらに、サブスペシャリティーの取得にも力を入れており、救急・集中治療医の専門だけではなく、他の専門医取得も目標としています。決まったキャリアパスはなく個人の意向により多種多様な教育プログラムを用意しています。研究においては臨床に即しているものが多く、臨床能力を養いながら研究を進めることができます。また、多くの教育プログラム(JATEC、JPTEC、JMECC、ACLS、ICLS、DMAT、JSEPTECなど)に参加していただきプロバイダーとなり臨床でも実践する力を促進します。