はじめに,気圧座標系を用いたプリミティブ方程式の計算スキームが提案されている.このスキームは全領域の質量とエネルギーに関して保存するように作られ,最下層の気圧変化は傾向方程式によって計算され,その際,最下層の山岳地形の効果も計算できるようになっている.
つぎに,側面境界の取り扱い方が提案されている.この方法は,広域ですでに得られた予想値を利用して狭い領域の境界値をきめる,一種のテレスコーピング•テクニックを用いる.その際,まず第一に,提案された境界条件の式に基づいて境界値を求め,つぎに,その値と広域解の値とを比較しその差が大きい場合に境界値を多少修正するといった2段階の計算手続きを行う.この方法の特長は,境界付近で人為的なスムージングなしにノイズを十分おさえることができる点である.
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