2019年12月25日
花王では、「心のケア」と「自立的復興(産業復興)支援」を2つの柱として、東日本大震災の復興支援を行なっています。
今年で6回目となる「南三陸町ボランティア&スタディツアー」は、被災地を継続して支援したいという思いに加え、社員自らが体験を通じて、さまざまな気づきや学びを得る貴重な機会となっています。毎年はじめて参加する社員も多く、これまでに110名を超える社員が参加してきました。
今回は、10月に開催を予定していましたが、台風19号の影響により急遽順延となり、11月30日(土)、12月1日(日)の2日間の日程で開催しました。花王グループの社員15名が、宮城県南三陸町を訪れ、現地の見学と地元の復興リーダーのもとで、台風で被災した菊畑の復旧作業を手伝いました。
当日は天候にも恵まれ、花王グループの研究、販売、システムなど、幅広い部門から集まった社員たちが、仙台からバスで南三陸町へ向かいました。
南三陸町の志津川湾の南に位置する戸倉地区で、多くの住民の方が避難した、高台にある五十鈴神社、残った鉄骨が津波被害の大きさを伝える防災対策庁舎や高野会館など、8年が経った今でも当時の様子が残る被災地の見学をしました。
また、嵩上げや防潮堤の建設が進んでいる状況や、災害公営住宅、南三陸町庁舎なども見学しながら南三陸町の復興計画について話をうかがいました。
午後から翌日の午前中にかけては、小野花匠園さんで菊畑の復旧作業を行ないました。台風により破損したビニールハウスのビニール撤去や、川の増水による石拾いなどを総動員して行ないました。
社長の小野さんは、大震災後、雇用の創出が重要だと考え、家族経営から株式会社化し、新しい流通形態へのチャレンジや、さまざまなイノベーションを起こしてきたリーダーです。その取り組みや思いについての話をうかがい、地域の生産者と共にチャレンジし続ける小野社長の前向きな姿勢から、多くの気づきや学びを得ることができました。
参加した社員からは「小野さんの話を聞いて小さな改善でもいいのでできることから行動していくことが大事だと感じた」「復興には、大変な労力と時間がかかることを実感した。その中で自分にできることは何かを考えるきっかけになった」などの声が寄せられ、社員が自ら体験することの大切さや、東北との関わりについて語ることで南三陸町のファンになる機会となりました。
東北でイノベーションを起こしている復興リーダーのもとへ継続的に訪れることで交流が深まり、多くの社員の学びやモチベーションの向上にもつながっています。
これからも花王は、さまざまな形で東北の復興に寄り添ってまいります。