豪脚を披露した転入初戦の東京2歳優駿牝馬。21年の大みそかに大井で見せた衝撃的な末脚はメンコの色も相まって、まさに“赤い稲妻”だった。スピーディキック(牝6、藤原)。あれから丸3年、数々の挑戦を続けてきた浦和の女王は昨年12月30日の東京シンデレラマイルでラストラン。3着に敗れ、3連覇はならなかったが、走り切った。
「3着でもまったく悔いはないです。ベストの状態で送り出せたので。世代交代もあるだろうからね、いい状態で勝てないというのは」と藤原師。転入初戦の勝ち馬が強く、それに勝ちにいった結果にも納得していた。「あの子らしい競馬はしてくれたかなとは思います」。競走生活の無事に安堵(あんど)していた。
古馬になってからは高いステージに挑み続けた。一昨年、昨年と2度もフェブラリーSに参戦。マイルにこだわった昨年は芝の阪神牝馬Sにも。どれも最高の結果とはいかなかったが、ファンに夢を与えてきた。
北海道ではエーデルワイス賞を含む重賞2勝、南関東では桜花賞、東京プリンセス賞の牝馬2冠を含む重賞7勝を挙げて繁殖入り。師は「まずは無事に生んでさえくれれば」。母の豪脚を思い出すような産駒の登場を待ちたい。【牛山基康】