スプレッダブルチーズの製造における 3 つの課題 - その解決方法

スプレッダブルチーズメーカーが直面している製造上の主な課題とは何でしょうか? そして、それにどのように取り組むのがベストでしょうか? テトラパックの専門家、Erik Börjesson と Kamila Lopes Abelha に役立つヒントを聞きました。

テトラパックの専門家、Kamila Abelha

課題 1: 健康的、高品質でしかも低価格の製品を求める市場のニーズを常に把握するにはどうすればよいでしょうか?

調査によると、消費者は健康的で栄養価が高く低脂肪で、かつ「クリーンラベル」の、すなわち保存料と添加物の量が少ない、スプレッダブルチーズを求めています。 そしてどれもが完璧な舌触り、美味しいテクスチャーと魅力的な価格でなければなりません。

ミッション・インポッシブル? 実際、そんなことはありません。
ソリューション: 原料の流れを簡素化して、低コストで高品質を実現

高い栄養価と低脂肪を高いコスト競争力で維持するには、できるだけ栄養素であるタンパク質が残余物として残らないようしながら、製造プロセスを簡略化して完璧に材料を制御できる製造プロセスが必要です。

これを実現する一つの方法は、新鮮な原材料の使用を減らし、代わりに 100% 組み換え原材料を使用することです。 たとえば、新鮮な牛乳は、脱脂粉乳、ホエイタンパク質、バター脂肪由来の機能性乳タンパク質で再現することができます。

バター脂肪とさまざまな植物性脂肪を適切にブレンドすることで、お好みの口当たりと粘度を実現できます。」と、Börjesson は述べています。 「機能性乳タンパク質はまた、レシピの脂肪レベルとは関係なくクリーミーな味わいを高めることができ、スプレッダブルチーズの栄養価における重要な構成要素です。

また、適切な食感を得るには乳化剤も必要になります。 乳化剤は、クリーミーさと固さのバランスを調整し、さらに粘性を抑える働きがあります。 カラギーナンなどの安定剤により塗りやすさをコントロールでき、また、チーズ粉末を添加する、または酵素処理チーズ(EMC)を使用すると、製品のチーズ風味が強まります。

正しいミキサーを選択すれば必要なブレンドを正確に実現でき、順調に製品の目標を達成し、消費者の心をつかめます。

課題 2: 最適な製品品質を達成する秘訣とは何でしょうか?

スプレッダブルチーズに関しては、消費者の需要が高まっています。 消費者は、完璧な外観、味、食感、塗りやすさ、舌触りを求めています。 店頭で際立つには、製品にこれらすべてが必要です。
目標とする製品品質を達成し、ダマや固さなどの不具合を防止するには、使用する原料のブレンドと加工処理装置との間に複雑な相互作用が関わります。 そのために役立つ方法をいくつかご紹介しましょう。

ソリューション: スマートな混合を使用してダマのない製品を作る

スプレッダブルプロセスチーズの多くは、還元粉末(牛乳やその他の粉末状の機能性材料)から作られています。 ここでは、効果的な乳化と懸濁を確実に行うことがコツであり、ダマのない完璧な混合粉体を実現するための重要な2 つのステップです。

すべての粉末の完全な溶解は、良好な脂肪乳化と同様に不可欠であり、一方、脂肪滴の大きさは、製品に望ましい安定性、食感、味を与えるために重要です。

このためには、ローター/ステーター機能が備わった「高せん断」のミキサーが必要になるでしょう。 このようなミキサーには、基部にローター/ステーターがあり、確実に、粉末から液体へ非常に効果的に撹拌します。

このようなミキサーでは、ローターの下にあるブレードが、穴の開いたステーターに向かって混合物を押し出し、成分を完全に溶解しダマや泡立ちを避けるために必要な高いせん断力を生み出します。

「ハイシェアミキサーにより、常に同じ品質の最終製品を保証する成分を、要求に合わせて自由に作ることができるようになります。」と、テトラパックのライン・ソリューション・マネージャー、Erik Börjesson が述べています。 「ここでは、新鮮な材料の品質と季節ごとのバリエーションは考慮しません。」

課題 3: 便利に軽食を謳う 1 回分ポーションパックに対するニーズの増加にどのように対処しますか?

外出先での間食や家庭での調理の利便性を高めるには、常温保存が可能な紙容器入りの製品が必要です。 そのためには、プラスチック製コップに高温充填するのではなく、紙容器への無菌充填する、超高温(UHT)処理がラインに必要になります、

ソリューション: 製造ラインへコイル状チューブ式熱交換器を導入

熱によるストレスは、スプレッダブルチーズの食感、色、味に大きな影響を与えます。スプレッダブルチーズは、高温にさらされると化学反応や酸化反応が誘発され、製品が劣化してしまう可能性があるからです。

したがって、できるだけ速やかに商業的滅菌を達成し、製品にかかる総熱負荷を最小限に抑えることができれば有利です。

コイル式熱交換器はこの作業に最適で、いくつかの業界標準モデルの半分以下の時間で作業を行うことができます。 コイル式熱交換器はスプレッダブルチーズを高速で加熱し、それにより製品が受ける総熱負荷を大幅に軽減するように設計されています。

「テトラパックでは、高粘度のスプレッダブルチーズ製品を使って数種類の熱交換器をテストしましたが、結果は明白でした。 コイル状チューブ式熱交換器がは最適な選択肢です。」と、 テトラパックの Kamila Abel は話を結びました。

その理由は、コイル状チューブ式熱交換器のコイルが、熱伝導強度を増加させる「ディーン効果」と呼ばれる物理的な力を生み出すからです。

ディーン効果により、製品の加熱処理をより速く実行し、品質と栄養価をより長く維持できるようになります。

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