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伊藤清世の「あれ?コレ 介護食 plus」

[ きょうの健康レシピ ]

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おかゆでおはぎがつくれるの?…秘密は「介護食用ゲル化剤」

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おかゆでつくるおはぎ

 こんにちは、在宅訪問管理栄養士の伊藤清世です。

 「ふだん、おかゆを食べている方に、おはぎを食べていただきたい」

 自宅で高齢者を介護しているご家族や介護施設の職員が、こんな話をされることがあります。おはぎは、季節を感じられる一品であり、ご高齢の方にも食べさせてあげたいと思うのですね。

 ところが、ふだん、おかゆのように軟らかいものを食べている場合、粘りと歯ごたえのあるおはぎは、食べさせて良いか、迷うことが少なくありません。

 そのような場合に「おかゆを介護食用ゲル化剤でまとめたおはぎ」をご紹介しています。

 「介護食用ゲル化剤」とは、液体をジュレ状やゼリー状に固める粉末です(液体にとろみをつける「とろみ調整食品」とは異なります)。加熱が必要なものとそうでないものがありますが、今回は加熱の必要のない非加熱の介護食用ゲル化剤を使用したレシピです。(加熱が必要なものの場合は作り方が異なります)。

介護食用ゲル化剤でムース状にしたおかゆ

ゲル化剤でまとまりやすくなったおかゆ

通常のおかゆ

通常のおかゆ。おはぎにするには流動性がある

 非加熱の介護食用ゲル化剤を液体などに加えて混ぜると、5分程度で固まり、ムース食となります。ゼラチンのように冷却する必要はありません。より硬さを安定させたい場合には、冷蔵庫に置く場合もありますが、基本的には常温で固まり、室温で溶けることはありません。

 商品名をあげると「まとめるこeasy」「ミキサーゲル」「ミキサーパウダーMJ」などがあります。通販サイトで購入できます。

 今回のレシピは、ゲル化剤でおかゆを固めておはぎをつくるため、軟らかいのに、おかゆのような流動性はありません。寒天ほどの硬さもなく、のどにスムーズに運べる軟らかさとなっています。

 こしあんは、パック入りや缶詰めの既製品を使用しましょう。こしあんに油を入れることで、あんこの“もさもさ”感がなくなり、飲み込みやすくなります。見た目にも「おはぎ」とわかるため、「食べてみよう」と思ってもらえることも多いようです。

 今回は「介護食用ゲル化剤」を使用した、少しだけ「本格的」な介護食のご紹介です。「介護食用ゲル化剤」を利用する機会があればお試しください。

※かむ力、飲み込む力には個人差があります。食べる機能を確認しましょう

[作り方]

おかゆで作るおはぎ

おかゆで作るおはぎ

[こしあんのおはぎ]

(1) おかゆを電子レンジや鍋で温める。こしあんは油と混ぜておく。

(2) 介護食用ゲル化剤を加え、1分ほどゴムベラなどで混ぜる。徐々にまとまりが出てくる。

(3) まとまったら食べやすい大きさにラップなどを使って丸め、(1)のこしあんで包む。

※時間があれば食べやすい大きさに丸めたあと、冷蔵庫で冷やすと、こしあんで包みやすい。

[きな粉のおはぎ]

温かいおかゆに、きな粉、砂糖、塩を入れて混ぜ合わせてから、介護食用ゲル化剤を加える。まとまったら食べやすい大きさに丸める。

(レシピ作成 在宅訪問管理栄養士 伊藤清世)

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伊藤清世(いとう きよ)

在宅訪問管理栄養士・介護食アドバイザー
委託給食会社で病院・高齢者施設・保育所等の調理業務、総合病院の管理栄養士を経て、現在は仙台市の「ないとうクリニック複合サービスセンター」で在宅訪問管理栄養士として活動中。また、地域での講演活動を通じ、かむ、のみ込む力が低下した方にも喜ばれる、食べやすくおいしい食事作りを提案している。

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