以前、長崎の精霊流しは爆竹が鳴り響く大騒動という記事を紹介しましたが、変わっているのはそれだけではありませんでした。
上京してきてから気づいたのですが、長崎県民としては当たり前だと思っていたお墓の過ごし方が、他県では当たり前ではなかったようなのです……。
えっ、花火する場所といえばお墓じゃないの!?
【墓参りで酒盛りしながら花火をする】
まず長崎では、お盆の墓参りのときはお墓で花火をするのが定番です。
夕方くらいからお酒やお弁当を片手にしばらくお墓で過ごし、ロケット花火打ち上げたり、爆竹を鳴らしたりします。
あちこちのお墓で子供たちのはしゃぐ声が聞こえてきて、お盆のお墓はおそらく1年でいちばんにぎやか。
長崎のお墓は斜面にあることが多いので、夜景もよく見えるし、亡くなった人の思い出話をしながら過ごす時間は意外と楽しい時間なんです。
だからこそ、お墓で花火は当たり前だと思っていたので、他の地域ではそんなことはしないと聞いてビックリ。
信じられなかったので、九州の他県出身者数名にも聞いてみたのですが「お墓で花火はやったことない」「お弁当も食べない」と返されてしまいました。
お参り用の水道やバケツもあるし、お墓で花火ってけっこう合理的だと思っていたんですけど……。
【墓の構造は地域によって違う?】
気になったので他県出身者にお墓の写真を見せたところ、そもそも墓の構造が他県とは少し違っているよう。
長崎の墓は一基ごとの敷地が広く、門が付いていて中に石でできたベンチが置いてあることが多いです。
大きなお墓だと、テーブルが置いてあることもあります。お墓に長時間いることが前提になっている造りなので、ベンチに座って弁当を食べたり、花火ができたりするのかもしれません。
他にも
・お墓の文字が金色
・卒塔婆がなくて、お墓の横に土地の神様を祀る「土神様」がある
など、珍しいことが多いよう。長崎市が発行するwebマガジン「ナガジン」によると、土神様を祀る風習や、お墓の金文字は中国文化の影響という説が濃厚だそうです。
【出身地のお盆の風習やお墓について語ると面白そう】
正直、お墓の形式は全国共通だろうと思っていたので、改めて調べてみると驚きの連続。
親戚がいない限りは他県のお墓を見る機会はあんまりないですし、自分の生まれ育った土地の風習がスタンダードだと思っていたので、うっかり他県のお墓参りにお弁当や花火を持っていって不審に思われるところでした。
お盆の風習や、お墓の形など、出身地ごとに話してみると「えっ、これって普通じゃなかったの?」という発見があると思います!
参考リンク:ナガジン
執筆:御花畑マリコ
Photo:(c)Pouch
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