暑い夏には、ちょっぴりゾクゾクするようなお話が恋しくなるもの。今回ご紹介するのは「ある日突然、ビルや人が謎の球体にまるくエグられる」おはなしです。
超能力をもつ主人公の青年。奇妙な殺人事件と、時を同じくして失踪した大学教授。閉鎖的な町に伝わる不可思議な伝説。すべての点が線でつながったとき、浮かび上がる真実とはーーー。
毎週金曜は各配信サイトで観られるオススメ作品を紹介する日。
今週もよく頑張った……週末はおうちでゴロゴロしながら、ディズニープラス『七夕の国』を観て、カウチポテトになっちゃお〜!
【あらすじ】
主人公の “ナン丸” こと南丸洋二は超能力者。とはいえ、大した力はなく、できることといえば「物に触れることなく紙やコップに小さな穴をあける」ことくらいです。
ある日のこと、ナン丸は同じ大学の民俗学教授・丸神から呼び出しを受けます。
しかし、いざ研究室に向かってみると、丸神は失踪していた! 研究室のメンバーと話すうち、丸神も自分と同じ超能力を持っている可能性があること、自分と丸神の祖先が同じかもしれないことを知り、その謎を解くカギとなる町へ調査に向かうことになるのです。
いっぽうそのころ、その町では奇妙な殺人事件が起きていました。見つかった遺体には、体の一部がまるくエグられたような痕跡があり……?
【ココが見どころ!】
<その1:ミステリー好きがそそられる要素が満載!>
ミステリー好きがわくわくしちゃうキーワードを “全部乗せ” しているかのような本作。「超能力」「殺人」「閉鎖的な町」……もはやこの時点で白飯10杯くらいは食べられそう!!
なぜ殺人事件が起きたのか。そもそも、どうやって殺されたのか。物語の後半には、そのカギを握る “異形の者たち” が登場し、ミステリー×SFが交錯する怒涛の展開へとなだれこんでいきます。謎が謎を呼ぶ展開に、きっとあなたもどんどん引き込まれてしまうことでしょう。
ちなみに、幽霊は出てきませんので怖い話が苦手な人でもしっかり観れますよ!!
<その2:寄生獣の作者×『ガンニバル』のディズニープラスによる奇怪な世界観>
本作の原作となるのは、あの『寄生獣』を手がける岩明均さんによる同名漫画(小学館刊)です。映像化不可能といわれた怪作を、柳楽優弥さん主演『ガンニバル』を製作したディズニープラスが実写化しました。
『ガンニバル』の舞台も “閉鎖的な村” でしたが、本作にもそういった環境ならではの「この町、なにかがおかしい」と感じさせる不気味な空気感が漂っています。
原作が持つ独自の雰囲気はそのまま、不穏な部分をさらに膨らませた、奇怪な世界観を楽しんで。また、『ガンニバル』のディズニープラスということで、ややグロテスクな描写も含まれるのでご注意ください。
<その3:なんとあの人が出てます>
主人公・ナン丸を演じるのは、各作品に引っ張りだこの若手俳優・細田佳央太さん。脇を固める俳優陣もフレッシュな顔ぶれが多いのですが、そのいっぽうで大ベテランが出演を果たしているのですよ。
その大ベテランとは、失踪した丸神を演じている三上博史さん!!!!! 昭和〜平成に地上波ドラマに出まくっていた三上さんですので、私のようなアラフォー以上の世代には強烈に刺さるのではないでしょうか。
そして、本作に欠かせない人物がもうひとり。キーパーソンとなる人物を山田孝之さんが演じているんですよ。全く顔が見えない役柄(真相は本編をご覧ください)ですが、声と異様な存在感で山田さんと気づくはず。
【原作を読んでなくても大丈夫ですっ】
『七夕の国』は、1話あたり約40分〜1時間×全10話で構成されています。
漫画の実写化ではありますが、原作を知らない人でもしっかり楽しめるのでご安心を! 物語がどのように着地するのか、ぜひ最後まで見届けてください。
■今回ご紹介した作品
『七夕の国』
ディズニープラス「スター」で独占配信中
ⓒ2024岩明均/小学館/東映
原作:岩明均「七夕の国」(小学館刊)
※カウチポテトとは:ソファや寝椅子でくつろいでポテトチップをかじりながらテレビやビデオを見て過ごすようなライフスタイルのこと。
執筆:田端あんじ (c)Pouch
Photo:ⓒ2024岩明均/小学館/東映
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