過ぎ行く夏に・・・
この一冊
『サメ映画大全』
知的風ハット著
サメ映画には無限の可能性がある
『ジョーズ』を超えること以外はー
(本書帯より)
過ぎ行く夏を惜しみつつ読みたい一冊…
それが本書「サメ映画大全」です。
書店の棚で一際存在を主張するそのタイトル、高橋将貴氏によるインパクトのある装画。
まず装幀が凝っている。スクリーンの暗転を思わせる真黒な見返しとそれに続くサメ肌のような紙質の扉、小口をずらすと左側と右側でそれぞれ異なったサメの画像が現れる。本文右下にはパラパラ漫画が描かれている。ネットのコンテンツとは違った楽しさが詰め込まれている。
そして外見に惹かれ本書を手に取ると、冒頭に「サメ映画の定義について」とある。この定義がとてもバランスがとれており、よく考えられている。つまり本書はこのようなスタイルの本にありがちな、マニアックで悪乗りなだけの本とは一線を画すのではないかと感じさせるのである。
本文を読んで、この期待を裏切られることはなかった。力のこもった一冊である。なお私もサメ映画は大好きであり、今年もテレビ東京系の「午後のロードショー」では「ジョーズ」シリーズに始まり、「ディープブルー」シリーズ、「MEGザ・モンスター」と大変に楽しませてもらった口である。
タイトル:サメ映画大全
著者:知的風ハット
装幀:松田行正+杉本聖士
装画:高橋将貴
定価:本体2,000円+税
A5判並製/240ページ
2021年7月15日 第一刷発行
978-4-86528-034-0 C0074