いつも音楽といっしょ

音楽といっしょに成長した自分を振り返ります。

■いつも音楽といっしょ(四季(ヴィヴァルディ))■

◆戦後バロック音楽ブームの火付け役(m184)◆


◎収録アルバム: ヴァイオリン協奏曲『四季』(イ・ムジチ合奏団) 等 

♪楽曲情報
・曲名: ヴァイオリン協奏曲『四季』(1725年出版)
・作曲者: アントニオ・ヴィヴァルディ(1678-1741)
・演奏形態: ソロ・ヴァイオリンと弦楽合奏
・形式: 春、夏、秋、冬、それぞれ三楽章
・特徴: 四季それぞれのソネット(表題)の特徴を見事に表現した表題音楽


♪◆春のソネット(表題)◆
・春がやってきた。小鳥たちは嬉しそうに歌って、春に挨拶する。泉はそよ風に合わせて やさしくささやきながら流れ出す。…


♪「春」の出だしは、誰もがどこかで聞いた事のあるメロディー
・『四季』の一曲目「春」の出だしは、誰もがどこかで聞いた事のあるメロディーではないでしょうか。

・「春が来た喜び、鳥が歌い、風がそよぎ、小川は流れ出す」とというソネットの通り、この人の心を捉えて離さない躍動感溢れるメロディーには、ヴィヴァルディの才能が光輝いています。


♪◆夏のソネット(表題)◆
・太陽が焼けつくように照るこの厳しい季節に 人も家畜も元気を失い、松の木さえも暑がっている。かっこうが鳴き始め、そしてしきりに 山鳩とごしきひわが歌う。…


♪戦後バロック音楽ブーム
・戦後バロック音楽ブーム(昭和30年代)の火付け役はイタリアのイ・ムジチ合奏団の演奏するヴィヴァルディのヴァイオリン協奏曲『四季』のアルバム(1955年)でした。

・日本人の生活に少しゆとりが出て来た昭和30年代、この世界的ベストセラーレコードを聞きたくてステレオを購入する人が出る程の大ブームとなりました。

・ヴァイオリン協奏曲『四季』のジャケットです。

♪◆秋のソネット(表題)◆
・村人たちは踊りと歌で、恵まれた収穫を喜び祝う。バッカスの酒のおかげでこんなにわき立ち、みんな眠りこけるまで楽しむ。…


ソネットが付いた表題音楽『四季』
・『四季』の各楽章には、ソネット(表題)が付いています。ソネットは、14行からなるルネサンス期にイタリアで始まった定型詩で韻を踏むのが特徴です。

・このソネットがヴィヴァルディ本人によるものかどうかは、定かではありませんが、曲にぴったり合っているので、本人の作であろうと言われています。

ソネットを読みながら『四季』を聞くとまさに「音の絵画」、ソネットをそのまま音で表現できるヴィヴァルディの才能に感嘆する事と思います。


♪◆冬のソネット(表題)◆
・冷たい雪の中の凍りつくような寒さ。、吹きすさぶ荒々しい風の中を行く。絶え間なく足踏みしながら走り、あまりの寒さに歯の根が合わない。…

 
♪「赤毛の司祭」ヴィヴァルディ、元々は聖職者
・ヴィヴァルディは、元々は聖職者で、その髪の色から「赤毛の司祭」と呼ばれていました。

・ある日、ミサの司祭を勤めている最中に、突然ひらめいた「フーガの主題」を書き留める為に席を離れた事が問題となり、罰としてミサの司祭を禁じられ、付属女子孤児院オーケストラの専任指揮者に左遷(?)されました。

・その結果『四季』をはじめとする600曲以上の名曲が生れることとなりました。やはり天才にはその才能を開花させる場所が準備されている様ですね。


♪映画、CMで、現代も生き続けるヴィヴァルディ
・映画「野生の少年」では「ピッコロ協奏曲」、映画「クレイマー・クレイマー」では「マンドリンとギターの二重奏曲」、映画「オール・ザット・ジャズ」では「弦楽のための協奏曲「田園風」など、多数の映画で、ヴィヴァルディの音楽が使われています。

・特に『四季』の春は、日清食品「日清麺職人」、タマノイ「黒酢」、バーミヤンなどのCMで使われています。

・一時期忘れられていたヴィヴァルディですが、戦後バロック音楽ブームで復活し、その親しみやすく、キャッチ―なメロディーは、演奏会、映画、CM等で現代も生き続けています。


www.youtube.com

・四季より春」と「冬」の抜粋(12分57秒)
・元祖「四季」。イ・ムジチ合奏団の素晴らしい演奏です
・作曲:ヴィヴァルディ 演奏:イ・ムジチ合奏団

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