パラオはオセアニアにある島国です。国内の世界遺産については、ドイツ語版のパラオの世界遺産 (ドイツ語版) もご参照ください。
地域
[編集]パラオは300以上の島で構成され、その多くは手付かずの砂浜や魅惑的なダイビング・スポット、野生の海洋生物が豊富で観光客を引きつけています。観光で最も有名な島をいくつか紹介します。
- 1 アイライ - コロール州に次ぐ、大きな町です。現存する最古の男性用集会所があります。
- 2 アイメリーク - パラオ最大の発電所があります。
- 3 ハトホベイ - パラオで最南端の州です。
- 4 アンガウル - パラオ語と英語、日本語も公用語の州です。サーフィンで有名です。
バベルダオブ島(パラオ本島、(英語)) (マルキョク島) 国内最大の島で人口およそ6000人。カタカナで書くと同じになる「バベルスワップ」(Babelthuap、Babelthwap)に加え、バベルダウブ、バベルドウブ(Babeldoub、Babeldaub)の集落があります。鬱蒼とした森、川、滝、史跡など、豊かな自然の美しさを楽しめます。キーワードはガードマウの滝(Ngardmau)、巨大なモノリスの列石、パラオ国立博物館。 日本・パラオ友好橋はバベルダオプの南部と旧首都コロールがあるコロール島を結びます。島の北約 40 kmのカヤンゲル環礁(カヤンゲル州)には有人島があります。ちなみに島に電気は通っていません。 |
コロール島(Koror) 同じ名前の都市はパラオの首都。国民の4分の3が暮らすコロールは国内で最も人口が多い島です。首都コロールのほか、国内のほとんどのホテル、レストラン、観光施設が揃います。島はダイビング旅行の玄関口として最適で、国内の著名なサイトへ向かえます。 |
ロックアイランド(Rock Islands(英語) 国際連合世界遺産サイト (英語版) でパラオの主要な観光スポットの1つ。小さな島々は石灰岩の崖をあらわにしており、息を呑むような景色、誰もいない砂浜、海に入ると世界最高のダイビングスポットとして著名なブルーコーナーやジャーマン・チャンネルなどがあります(Blue Corner、German Channel)。島や島しょは200超を数え、無人島や岩礁が大部分。クラゲの観察ができる礁湖には、毒が非常に弱いクラゲが数千頭も棲息しています。 |
ペリリュー州 Peleliu (クルルクベド(Kloulklubed)) 住民は700人前後、中心の集落クルルクベド(Kloulklubed)に集まって暮らします。第二次世界大戦の要衝であった重みがこの島の知名度を支えています。軍事基地や掩蔽壕(えんぺいごう)の廃墟、難破船など当時の遺跡が多数残ります。ペリリュー島はダイビング界では沈没船リバティ号など世界屈指のスポットが認知されています。 |
アンガウル州 Angaur 南部の島。第二次世界大戦の主要な海戦の舞台で人里離れた前哨基地。200人前後が暮らし、現代はサーファーに著名な島。こちらも歴史的に重要な島であり、日本軍の防衛設備の遺跡巡りができます。この島は美しい砂浜と、ダイビング体験の機会もあると著名です。 |
ソンソロール島しょ Sonsorol Islands (ファンナ島、トビ環礁、ヘレン環礁) ソンソロール州とハトホベイ州に分かれます。国内南西に分布する島々に暮らす住民は100人前後。離島ソンソロール島はソンソラルまたはドンゴサロとも呼ばれ、主要な島々の南西数百kmにありファンナ島とともにソンソロール州を形成します。トビ環礁はそのさらに約 300 km 南にあり、ヘレン環礁とともにハトボヘイ州を形成します。ソンソロール島とトビ島には電話が 1 台ずつあって、無線で接続します。 |
都市
[編集]その他の目的地
[編集]ヨットなどをご自身で持っている人なら、パラオの南西の島々を訪れる価値があります。ソンソロール、ファナ、メリイル、ハトホベイ、そして保護区のヘレンリーフがあります。ただし、現地名はダンシング島なので、メリイルを訪れる場合は必ず蚊よけを持っていきましょう。現地に行けば、「ダンシング=静止していられない」の理由がわかるはずです。海上の交通手段はないけれども、これらの島のどれかを訪れたいなら、コロールにある州政府事務所で知事に挨拶しておくと賢明でしょう。運が良ければ、島への補給船「アトール・ウェイ」に便乗させてくれるかもしれません。
知る
[編集]パラオ | |
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パラオの旗 | |
人口 | 21,729人 |
面積 | 465.550362 平方キロメートル |
言語 | 英語, パラオ語, 日本語 |
通貨 | アメリカ合衆国ドル |
電気のプラグ | タイプA, タイプB |
国際電話番号 | +680 |
時間帯 | UTC+9 |
緊急電話番号 | 911番 |
車両の通行側 | 右 |
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かつてカロリン諸島は太平洋の国連信託統治領の一部としてアメリカ管理下に置かれて30年、この最西端の島々はミクロネシア連邦に加わり、1978年には独立を選択しました。アメリカとの自由連合盟約は1986年に承認されましたが、批准には1993年までかかりました。パラオの独立は1994年、記念日は10月1日です。
サンゴ礁にダメージを与えるような化学物質を含む日焼け止めやスキンケア製品の販売、購入、使用は違法です。
歴史
[編集]もともとパラオ人は、ポリネシアやアジアから渡って来た可能性があります。同じ国民でも家庭ごとの起源は、メラネシアやミクロネシア、ポリネシアなどのあちこちの地域に分散しています。ただし伝統的にパラオ人はミクロネシア人であるとはみなされていません。数千年もの間、パラオ人の母系社会が継承され、恐らくはジャワ系の子孫であろうと思われています。
18世紀以前のパラオの交流相手は、主にヤップ島とジャワ島に限られていました。島民が難破してフィリピンに逃れなかったら、ヨーロッパ人のパラオ発見はもっと後れたことでしょう。1783年にウーロン島で難破したイギリス人のヘンリー・ウィルソン船長は、この諸島に「ペリュー諸島」という名前を付けました。
19世紀後半にイギリスとスペイン、ドイツがこの島の領有権を主張しました。この問題の裁定を求めてローマ教皇レオ13世に訴えたのが1885年。教皇はスペインの領土であると認めましたが、イギリスとドイツとも経済面で利権を認めています。その後、パラオは北マリアナ諸島、カロリン諸島、マーシャル諸島とともにスペイン領東インドの一部に組み入れ、フィリピンの管理を受けました。パラオ諸島は1899年にスペインからドイツに売却されると統治はニューギニアにあった機関に代わり、経済発展の時代が幕を開けます。ドイツの鉱山技師は島でアルミニウムの原料となるボーキサイトとリン酸塩の鉱床を探して開発を進めたし、ヤシの実から作るコプラ(ウィキペディア)も豊富な資源でした。そこへ第一次世界大戦が始まったため、ドイツ領の時代はわずか15年しか続きませんでした。その後、国際連盟がパラオを日本に南洋委任統治領として与えると、第二次世界大戦中、日本軍の駐留地だったパラオは連合軍の主な標的となり、この地域ではいくつかの大きな戦闘があったのです。
気候
[編集]パラオは一年中熱帯気候に恵まれています。年間平均気温は28°C(82°F)です。年間降水量は、平均すると合計3,800mm(150 in)になります。年間の平均湿度は 82 %で、7月から10月にかけて雨が多く降りますが、それでも日照時間は長いです。パラオは熱帯低気圧の主な地域から外れているため、台風が発生することはほとんどありません。
文化
[編集]パラオは自然に近い環境で、伝統的な習慣と現代の文化的生活を受け継いでいます。パラオの伝統工芸には、古い伝説を記録する板彫りと木彫りの技術があります。
パラオ人は歴史を通じて、もてなしの精神で知られています。ほとんどのパラオ人は非常に理解があるため、文化の違いを認識しており、外国人訪問者を尊重します。ただし、常に地元の文化に敬意を払うようにしてください。ほかの民族と同様に、地元の文化に対する失礼な発言や偏見は歓迎されません。パラオ人は親切であると同時に怒りっぽく、無礼な場合もあります。文化を軽視したり、歴史的な地域を侵害したり、何らかの形で海を汚染したり、傷つけたりしない限り、地元の雰囲気はとてものんびりしていて気楽なものだと感じるでしょう。
パラオは母系社会であり、男性と女性の役割が非常に厳格です。フェミニズムなどの考えはパラオ人にとって標準的なものではありません。服装にも敬意を払いましょう。パラオ観光局は旅行者に対し、町や村では水着や短いパンツやスカートを着用しないように要請しています。
着く
[編集]飛行機で
[編集]アイライには国内唯一の空港である1 ロマン・トメトゥチェル国際空港 (Roman Tmetuchl International Airport, IATA:ROR) があります。以前は、パラオ国際空港や、バベルダオブ空港、アイライ空港とも呼ばれました。2022年現在、国際線の定期便は2社のみです。
ボートで
[編集]ボートでも行けますが、経験豊富な船員にのみお勧めします。パラオにはクルーズ船が時々訪れます。
移動する
[編集]タクシーとレンタカーが利用できます。地元のタクシーが多いです。レンタカーを借りる場合、でこぼこ道ではゆっくりと運転するように心がけてください。パラオには左ハンドル車と右ハンドル車の両方が存在するため、混乱する可能性があります。アイスボックス・パークまで南に車を走らせると、その裏手にある施設が下水処理場です。そのほか、ダイビングはボートで移動してスポットに案内してもらいます。移動時間は往復で最低1時間、2タンク分のダイビングで約150米ドルかかります。コロール本島にはダイビング・スポットやビーチはありません。空港から北へ向かう幹線道路は舗装されていて、ドライブするにはとても気持ちがよいです。
話す
[編集]英語とパラオ語が公用語です(ベラウ語とも、パラオ語: a tekoi er a Belau、Palauan(英語))。一部の島では別の言語が公用語になっています。
ほとんどの住民が英語を話しますが、高齢者の中にはパラオ語しか話せない人もいます。パラオは旧ドイツ植民地を経て、長い間、日本領でした。かつてペリリュー島にはドイツ語を話す人もいましたが、高齢者にもそういう人はいなくなりました。
アンガウル州の公用語には日本語もあり、事実上、世界で唯一、法律で日本語を公用語に定めた場所はこちらになります。というのも、日本で日常に使う日本語は、実は厳密には法律で公用語と規定してあるわけではないからです。
観る
[編集]パラオには、旅行者が太平洋 (英語版) の島国に期待する手付かずの熱帯の魅力がすべて揃っています。
ほとんどの観光スポットは、1 ロックアイランド (Rock Islands 別名「チェルバチェブオーバー(Chelbachebover))と、その周辺にあります。これらの石灰岩の島は250ほど存在し、多くは人が住まない小さな岩礁です。魅惑的な景色が広がり、世界遺産に登録されています。まるで目に見えない招待状が届き、楽園の雰囲気に囲まれリラックスしてくださいと誘われたような特別な気分になります。白砂の海岸にあるビーチクラブでカクテルを飲んだり、カヤックで美しい湾やラグーンを訪れて独り占めしたり、海に潜ると水面下にいる海洋生物を観察したりできます。人気のダイビング・スポットは、ブルーコーナー、ブルーホール、ジャーマンチャネルなどです。
2 ジェリーフィッシュレイク と呼ばれる礁湖(ラグーン)はいくつもあり、シュノーケリングをして無数のユニークな針なしクラゲに囲まれる体験を満喫してください。スクーバダイビングは禁止です。環境が外洋から遮断されて捕食者もいないことから、クラゲは近くのラグーンとは異なる進化をとげました。
ガイド付きツアーに参加して古代の一枚岩とテラス状の地形を巡ると、言い伝えを説明してもらえます。人口が2万1000人をわずかに超えるこの首都でさえ村のように感じられるとしても、興味深い観光スポットは豊かで博物館は複数あって、パラオの伝統的な文化や国の歴史を紹介しています。しかし繰り返しますが、訪問者がこの小さな島国に熱中するのは、水上も水中も純粋に美しいからです。
パラオにある世界初のサメ保護区は、規模が排他的経済水域62万9千キロメートルにもわたります。絶滅危惧種のサメ135種が飼育されています。
する
[編集]パラオはスキューバダイビング (英語版) で有名です。3 ブルーコーナー (Blue Corner) は一番有名なダイビングサイトのひとつで、サメが絶えず出現し、潮の流れが速いです。ほとんどのリゾートからボートで1時間以内の場所にあります。パラオには地元のダイビングショップや寝泊まりできるボート(live-aboard)がたくさんあり、ツアーに案内してくれます。パラオ各地の第二次世界大戦の戦場を訪れるツアーもあります。
ブルーコーナー、ジャーマンチャネル、ウーロンチャネル、ブルーホールはどれも素晴らしいダイビングスポットです。同じサイトを何度ダイビングしても、毎回まったく違う体験ができます。
パラオはクラゲの礁湖(ラグーン)でも有名です。これらの水域には捕食者がいないため、進化により針のなくなったクラゲが生息しています。クラゲの湖に行ってシュノーケリングをするツアーもたくさんあります。クラゲの湖ではスキューバダイビングは許可されておらず、またその必要もありません。パラオの海水湖の4 ジェリーフィッシュレイク (Jellyfish Lake) では、ゴールデンジェリーフィッシュとムーンジェリーフィッシュが見られます。
買う
[編集]通貨
[編集]パラオは米ドルを通貨として使用しています( " $ "、ISO通貨コード:USD)。1ドルは100セントです。
物価
[編集]観光が主な産業である離島なだけあって、物価は比較的高く、1日の予算は安くても1日100ドル程度はかかります。たくさんの中国のパッケージツアーもあり、2015年から2016年の訪問者数の増加により、過密な状態が発生しました。2017年、トミー・レメンゲサウ大統領は、環境や社会への悪影響を制限するために、パラオを主に「5つ星ホテル」の目的地として再位置づけする政策を提案しました。それにより観光客が減少し、料金が高くなります。
食べる
[編集]パラオには台湾、フィリピン、韓国、日本、アメリカからの規模が大きいコミュニティがあり、地元の店舗ではそのニーズを満たすために進化してきました。そのため、コロールでは驚くほど幅広い種類の食料品が、手頃な価格で店頭に並んでいます。和風のお弁当が人気があります。レストランはコロールに一番集中しています。
パラオの主食はタロイモという里芋に似た品種や、タピオカ(キャッサバ)です。そのほか、米も食べられています。主食のおともには、魚がよく食べられています。マングローブ蟹も名物です。
パラオでは捌いたコウモリの肉をココナッツミルク、生姜、及び香辛料で煮込んだ料理が伝わります。一部のレストランでは、日本で客が魚を選ぶように、客が自らコウモリを選んで、さばいてもらえる店もあります。コウモリスープという名称で知られています。コウモリはフルーツバットという、果物を主食としたものが使用されます。
飲む
[編集]パラオには認可を受けた施設がたくさんあります。こぢんまりとした静かなバーや日本風のカラオケバーといったお店です。手頃な価格のドリンクを飲みたい場合、Sam's Dive ShopまたはHigh Tideをお試しください。ほとんどの店でアルコールを提供しています。しかし、公共の場での飲酒は禁止されています。
レッドルースタービールは、人工甘味料や保存料が使用されていないお酒です。ウエスト プラザ バイ ザ シーの隣に小さな醸造所があります。アンバーとスタウト、そのほか3種類のビールを提供しています。 コロールのアバイアイスは小さなお店ですが、新鮮なフルーツを使用したスムージーを提供しており、おすすめです。
泊まる
[編集]パラオにはゲストハウス形式のブティック宿泊施設がたくさんあります。コロール内やコロールの近く、または別の場所にもあります。これらは、ホリデーパッケージを提供するダイビングショップ(Sam's Toursなど)を通じて、海外からの予約して利用することが可能です。料金は1泊50米ドルからです。
パラオにはかなり高級なリゾートがたくさんあり、そのほとんどでスキューバダイバー向けのサービスを提供しています。そのほか、シンプルで素敵なホテルもたくさんあります。
学ぶ
[編集]働く
[編集]安全を確保する
[編集]パラオは訪問するにあたり、非常に安全な国です。コロールのダウンタウンを深夜に歩いても、非常に安全です。しかし、ほかの場所と同様に常識があります。コロールのダウンタウンでも歩道は限られているため、歩行者は注意が必要です。
イリエワニ (Crocodylus porosus) がパラオのマングローブと美しいロックアイランドに今も生息しており、島のどこでも遭遇する可能性があります。ここではオーストラリアやニューギニアほど巨大な大きさのワニに成長することはほとんどありません。パラオの歴史上、ワニによる致命傷を負う出来事は1965年に起きた1件だけです。パラオ史上最大のワニは体長15フィートと大きかったのですが、これはほかのほとんどの国におけるイリエワニの平均的な大きさです。おそらくこの島に成人が150人以下であるため、ワニが攻撃することは珍しいと考えられます。パラオではシュノーケリングとスキューバダイビングがとても人気があります。2012年の観光客襲撃事件は1960年代以来初のことでした。ある調査によると、オーストラリア、ニューギニア、ソロモン諸島の先住民族がワニを崇拝しているのとは対照的に、ワニは現地の人々から嫌われているようですが、この理由は不明です。
オオメジロザメは沿岸海域や河口でよく見られるため、スキューバダイビングやシュノーケリングをするときは常に注意が必要です。
健康を維持する
[編集]CDCによると、パラオの水道水は一般的に安全に飲むことができます。
繋がる
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