暴飲暴食と不規則な生活を繰り返した結果、身体および脳のキレが悪くなっているような感覚に襲われていたのである
毎日朝は眠いし、昼飯はアホみたいに馬鹿食いして、夜は飲みまくって、その後はラーメン替玉ウェい
なんとなく集中力とかも落ちてる気がする。それをどうにかしたい
そういうわけで、何かの企画とかPRではないのだけど、先日、「断食道場」的な場所を訪れて1週間の断食生活をしてきた。
で、結論から言うと断食がめちゃくちゃヤバかった。
この、「めちゃくちゃヤバかった」という頭の悪そうな感想により、僕は今、皆さまからボキャ貧もしくはハイパードキュンの類いだと思われたのかもしれないが、その評価は甘んじて受け入れよう
この道場は伊豆に存在し、数日は「回復食」と言って死ぬ程質素な飯を阿呆みたいに少量だけ食べるのだけど、まあ、ほぼ1週間近くはロクに飯を食べることが出来ないと思ってもらって良い
さらに、この断食期間中、毎日06:00に起きてはトチ狂ったように、瞑想・ヨガ・気功体操・散歩・岩盤浴・マッサージ・銭湯 などに明け暮れることになる。
これでもかという程に身体を休めて、22:00には就寝。
まあ、とにかく身体の毒素を出し切り、リズムを整え、煩悩を捨てまくって、なんか全体的にエエ感じになるのが施設の目的だ
で、効能とか以前にまず何がヤバかったのかと言うと、シンプルに断食中の「空腹」がヤバかった。
数日間も飯を食わないなんて経験は、完全に人生で初めて。
みなさんは、飯を何も食わないと人間がどうなるか、ご存知だろうか?ご存知ないだろう。 腹が、減るのだ。
腹が、これでもかと言うほど減る。意外なほど減る。 「腹って、こんなに減るんだ」と驚く。いいだろうか
まず1日目、何も食べずに昼になると徐々に腹が減ってくるのだ。そのまま何も食べず夕方になると、非常に腹が減ってくる
そのまま食べずに夜になり、就寝時間となる。腹だ。腹が減っている。腹以外のどこも減っていない。腹だけが減っている。
豚の生姜焼き定食を食いたい。定食じゃなくて良い。豚の生姜焼きだけでも、いや、生姜だけで良いから食べたい
2日目、目覚めると、引き続きめちゃくちゃ腹が減っている。カレーを食いたい。
カレーに餃子とパスタをぶち込んでから豚キムチと明太子とハンバーグを投入したやつを一気食いしたい。
で、2日目はずっと腹が減ったままだ。とにかく腹が減る。余りの空腹に、性欲も一切沸き上がってこない。2日目の夜は、腹が減り過ぎてロクに眠ることすら出来ない
そして迎えた3日目。なんと、この3日目の昼くらいに、不思議な現象が起こる
あれほどに自分を苦しめて来た空腹が、突如として、スッと消えてなくなるのだ。
この時に、何かを悟ったような気持ちになる。「..おれはついに、空腹を超越した」
Twitterで飯の画像が流れてきても何も感じない。賢者タイムのようなものだろうか。食欲からの卒業。
なんなら、食べ物に取り憑かれている、空腹を乗り越えられない凡夫達が、可哀想にすら思えてくるのである。「まだ飯なんぞ食ってるのかね?愚かな民よ」
で、それから数時間が経ち3日目の夕方くらいになった時。ついにその時が来るのだ。
超越したはずの例のソレが、満を持して、以前とは比べ物にならない程の暴力的なまでの剛力を以て、剛力の化身と化して押し寄せてくるのである。剛力王 ゲーリー・グッドリッジ
みなさんは、自分の空腹を、「グッドリッジだ」と思ったことはあるだろうか。ないだろう。というか、グッドリッジって誰?と思っているだろう。ムッキムキの外国人です。
で、そいつが胃の中に突如として現れ、フンハーと言いながら大暴れしているのだ
「腹が減った」では済まされない、常軌を逸した感情が押し寄せてくる。もう空腹とかそういう生易しい単語では言い表すことの出来ない危機的な精神状況だ。言うなればフンハー。
しかし断食道場は、何があろうと絶対に飯は出てこない。死ぬ。このままだと死ぬ。この時、人生で初めて思った。「椅子を食べたい」
「椅子を食べたい。脚とかをボキボキに追って、炒めて食べたい。座るところのクッションみたいな部分は、きれいに包丁で切りとって、醤油をつけて刺身で頂きたい。」
この、自分の中に湧き出て来た歪な気持ちと折り合いをつけるのは、本当に大変だった
椅子は食べちゃダメだ... 椅子は食べちゃダメだ... 椅子だけは...食べちゃダメだ...!!!!!
これは未だかつて人類が経験したことのない、極めて独特な自戒の一つだろう。椅子は食べちゃダメ。あまりにも自明である。
そして更に、この空腹の絶頂のタイミングにて、極限まで追い詰められた3日目の夕方のこの状況で、さらに恐ろしいことが起こった
なんと、空腹に押しやられて数日間鳴りを潜めていた “やつ” が、突如として、雄叫びをあげたのだ。「Ladies and Gentlemen, 」
「性欲 is BACK!!」
危機的な状況であることを察知した本能が、死ぬ前に子孫を残す必要があると訴えたのだろうか?
ここからグッドリッジと性欲の奇跡のセッションが始まった
想像して頂きたい。腹を空かせてヨダレを垂らし、今まさに椅子を食べんとしているその男、なんと下半身はフル勃起状態。
彼が犯罪者予備軍であることは誰の目にも明らかだろう。いや、法律の解釈次第では、既に何かしらの重大な犯罪を犯している可能性もある。
「胃に何かを入れたい」「どこかにチンポを入れたい」
もう、脳内はこの2つのシンプルな感情に完全に支配され、肉欲のカーニバルと化している。そして迎えた最終フェイズ
この、「胃に何か入れたい」&「どこかにチンポを入れたい」という連立二元一次方程式を解いた結果、極限状態でついに、究極の結論に到達するのだ
それこそが
「胃にチンポ入れたい」
これだ。
断食をしたことが無い方には想像の難しい状況かもしれないが、これこそが断食3日目での精神状態。胃にちんぽ入れたい。英語で言うと、 I want to 入れチンポ into 胃。
サンプルは自分しかいないので、この症状を一般化して良いものか不明なるも、今のところお手元の計測では1人/1人、つまり100%この状況になることがデータとして採取されている
断食。なんて恐ろしい活動なのだろうか
で、この非常に危険な3日目を乗り越えて4日目に突入すると、突如として全く元気がなくなってくる。
唐突に、なんかもう全体的に気だるい感じになってきて、無気力状態に突入するのだ。前日までの興奮気味の精神状態を鑑みると、もうこの男性は「メンヘラ」と断定してほぼ間違いないだろう
ちなみにこのダルさは「好転反応」と呼ばれる症状らしく、断食をすると誰にでも起こる反応らしいが、仕組みとしては断食により体内の毒素が血中に流れ出ることで血中に毒素が流れ込み、毒素が血中になることでえ〜っと血中が毒素に、いや独創的になって、血中に流れ込んだ独創的が、え〜、とにかく、めっちゃくちゃ
ヤバいのだ。
僕はこの好転反応の期間が長く、4日目から6日目に至るまで丸3日間、全く元気がなくなってしまった。この期間、食欲も性欲も、完全にどこかにいってしまう。もう、ただただダルい
何の欲望もなき無気力。充分に水を摂取し、体内を浄化していく必要があるらしいのだが、水を飲むのすら面倒くさい。
全て面倒くさい。回復食を口にするのも面倒くさい。息をするのも面倒くさい。めっちゃ臭いウンコも出る。それは面倒くさいとかではなくシンプルにくさいが、流すのすら面倒くさい。
そして気だるいまま6日目までを終え、迎えた真実の7日目。ここで、奇跡を体験することになる
なんと、目覚ましの鳴る前に、ガバっっっっ!!!と勢い良く目が覚めるのだ。ここ10年以上感じたこともない、あまりにも爽快な目覚め
06:00に、脳内のドカアア〜ンという音と共にまぶたがズゴオオ〜ンとOPENし、脳が、ショワアアアア〜と活性化しているのを実感する。前日までのダルさが嘘のように身体が軽い
内面からポジティブな感情が爆発し、何て言うかもうサイコーな感じになり、自然と笑顔になってしまう。何があったわけでもないのに、ただひたすらに薄ら笑いを浮かべる不気味な男性
その上、頭はと言うとこれでもかと言う程に冴え渡り、信じられないスピードで脳が回転しているのを実感する。コサイン、タンジェント、その他諸々。かかって来い。瞬く間に積分してやろう..!
食欲はと言うと、全くと言って良いほど無い...!正真正銘、「空腹」を超越したのだ。胃や腸がスッキリしている実感がある。ついに食欲を乗り越えた。そして..... おや?!?!
完全に消え去った食欲とは裏腹に、自分自身の奥底から、爆発的な、あちらサイドの欲望が襲って来ているではないか..!
食欲と違い、“やつ” は死んではいなかった。好転反応期間にはダルさの陰に隠れ鳴りを潜めていた “やつ” が、その潜伏期間から解き放たれ、ついに牙をむく..!
以前の “やつ“ とは次元の違う、マンモス級、いやギガント級の実力を引っさげ、全世界が待ちわびたぁあぁぁ “やつ” がぁぁあ 戻ってきたぁああ Ladiiiiiiiiiiiiiies and Gentlemeeeeeen,
性欲 Rocks the World, AGAIN!!
英文の意味は良く分からないが、まあ、とにかくそんな感じだ。 全世界をRockしてくる。性欲が。
で、この薄ら笑いのロックンロールな性欲獣と化したタイミングにて、7日目の昼に断食道場は無事終了。計測してみると、体重が4kg、体脂肪率が1.2%減少していた。
あれから2週間くらい経過してるのですが、引き続き朝の目覚めとかめちゃくちゃ良いし、あの、簡単に言うとアレですね
けっこうオススメです。断食。伝わりましたかね