この問題はどこで見たのかうろ覚えですが、経済をもっと小さい世界で見たらどうなるのかというお話です。
『それでも町は廻っている』という漫画の中に似た話がありました。
それは、小さい町の住民同士がお互いの店で買い物を続ければ不景気にならないのではないかという主人公の疑問でした。
読んだ当時は「確かに」と思ったこともありますが、仕入れだったりその他もろもろでどことなく「そうはならないだろう」とも思った記憶があります。
今回は、もう少し話が複雑です。
では、画像の文章をご一読ください。
私は、ホテルに泊まろうと思いました 。
一泊1万円だったので、受付に1万円置いて部屋に行きました。
受付の人が行き付けの居酒屋にツケがあったのでその1万円を持って行きました。
居酒屋の店長は今朝財布を忘れて八百屋で仕入れをしました。
その遅れていた未払い1万円を払いに行きました。
八百屋の店主は以前友人に借りた1万円を返しました。
友人はよくいく風俗のツケ1万円を返しに行きました。
風俗店は良く店で使うホテルのツケを返しに行きました。
しかし、受付が居なかったのでカウンターに1万円を置いて帰りました。
私は、部屋が気に入らなかったので帰ろうと思い、
受付に置いてある1万円を取って帰りました。
私はお金を使っていないのにその村の借金は消え、活気が生まれました。
最終的には私にお金が戻ってきている、お金を支払っていないにもかかわらず、その町の借金は消えた。これは経済が回っているのではないか、というお話。
これは、最後の方をよく見るとすぐ分かりますが、風俗店が返したお金を私が取って帰っています。つまり、ホテルのお金を盗んだことになります。
私の立場になると、ホテル宿泊をキャンセルして戻ってきた1万円に見えますが、ホテルの立場からすると風俗店からの借金返済です。ホテルと私が話をしてキャンセル料を受け取ったなら良いですが、このままだと窃盗事件です。
では、この部分が話し合いのうえ行われていたらどうでしょうか。
最後にホテルは私と話し合った末に1万円返します。すると窃盗罪にはなりません。
そうなると、今度は(さっきからですが)、ホテルの受付がホテルのお金を自分の借金返済に充てている、横領も問題視されます。
仮に、このホテルの受付が個人営業の民宿で、すぐに自分のお金として使えるなら良いかもしれません。そうすると、全体的にきれいにまとまる・・・んでしょうか。
実は、私もこの話のどこに違和感があるのかわかっていません。
どなたかすっきりする説明をしていただければと思います。
しかし、ホテルの受付にとっては、居酒屋に1万円支払って、キャンセルされた1万円を支払って、さらには風俗店からの支払いも実質受け取っておらず、かわいそうな結果になっています。