雪で夜を隠して
マントに包まれた
その街で、今夜も余市――
[#地から1字上げ](♪『Ma jeunesse fout l'camp』(もう森へは帰らない))
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人生は一行のボードレールにも若かない。(A)
甘い水を口に含んだこの海。表面は温かい。対流するにはまだ時間がかかる。それを測るための舟で太陽を見るのはまだ早い。夜に遅れて伝導することを待とうと思う。季節の熱はそんな気まぐれの調度を許す。扁舟は巡る、われらの詩作はかくあれかしと。とはいえ、この詩集は石垣りんに送られる。たとえば、それを石垣さんが拒んでも――いまや泉下の彼女にはどうすることもできない――献呈させていただきます。
姿見の中に私が立つている
ぽつんと
小いさい島
たれからも離れて
[#地から1字上げ](石垣りん)
詩人を信じるということはいつも帰るべきその一行があるということである。それを私に教えたのは黒田三郎であった。――もっと高く、もっともっと高く。一文字幾ら?
このパンフレットは宣伝である。最後のそれが残らないとすれば、……。とはいえ、本来、詩とはそれ以外のものではなかった。削ぎ落とされたもの。誰からも遠くはなれて。
[#地から1字上げ]平成二十年十月十日 作者
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「石垣りん」
祖父が亡くなる前、年をとった女が
生きてゆくことをどのように案じるか訊ねました。
「お嫁にも行かないでこの先私がやってゆけると思う?」
「ゆけると思うよ」
「私は私で終わらせようと思っているのだけれど」
「ああいいだろうよ」
みえない、朝と夜がこんなに早く入れ替わるのに。
みえない、父と母が死んでみせてくれたのに。
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「NHK特集・寅さんと山田洋次の世界」
『男はつらいよ・寅次郎真実一路』は本編はバナナが飛び交う場面しか覚えていないがメイキング・ビデオ(県立図書館)を見ると人妻に恋い焦がれた寅さんとおいちゃんとの激しいお茶の間バトルが見所かもわからないがもちろん金銭が絡んでいるが山田監督の演出は出て行けという台詞をおばちゃんではなくおいちゃんの台詞に替えていたが人妻を演じるマドンナは大原麗子が。
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「それはこのー庄助さん!およしよ!」(可楽編)
(♪)マーイ・ファニー・バランタイン~
十七年ものが好きなのさ。ずいぶん昔のことだけど。忘れらない、深くて長い余韻など。三十年とは言わない、下つかたの者には――下つかたなんてえのはありませんが(金馬)――十七年が最高でいい。おや、もう、ダンスが始まっているよ。
朝からコイツとステップさ
だって、季節は秋だから
オレにはお前は水のよう
目覚めるための、必需品
お前のためなら命も要らぬ
味噌蔵焼けてもかまわない
えっ、何、お風呂が沸いた?
さてもさても、いざ、ニューヨークだよ!
この庄助さん、今は独逸に居ると噂で聞いた。どうやら、きれいな骸骨と暮らしているらしい。
*
先生、投書が来ています。4億円、あったら、あなた方は、山形県民のために何に使うか。
諸君、知事の多選を阻止するために、マドンナのそっくりさんを旭銀座商店街に呼んでくる。
AMK「この投稿どうなん?」
FCH「ムカつくんだけど―」
NON「さかなクンのいのちに申し訳ないわ」
玉一兵「ギョギョ!議員内閣制!二元代表制」
現 職「17日間の時間をいただいた」
タブレット屯「そこにAIはあるんか」
山之内すず「シネマ通り?」(Z世代)
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