私たちの日常生活において、「聞く」という行為は非常に重要です。しかし、聴覚に障害を持つ人々や高齢により聴力が低下した人々にとって、日常のさまざまな音を自然に聞くことは困難です。この問題を解決するために開発されたのが、立体的で自然な音を再現することを目指した集音器「みみ太郎」です。

補聴器は医療機器として認定され、利用者の聴力に合わせて専門的に調整されます。一方、集音器は音を集めて大きくする機能を持つもので、すべての音を均等に大きくしますが、補聴器のように聴力補助のための細かな調整はできません。

みみ太郎の最大の特徴は、その「立体集音」能力にあります。人間が自然に音を聞くときは、音量だけでなく、音の方向や距離といった情報も脳が認識しています。みみ太郎はこの人間の耳の機能を模倣し、立体的に音を集めることで、自然な聞こえを実現します。

開発チームは、音を集めて機械的に大きくするだけでは自然な音になりにくいという問題に直面しました。そこで、人間の耳の複雑な形状に着目し、立体的に音を集めることができる「人工耳介」による集音技術を開発しました。この技術により、みみ太郎は自然な聞こえを実現することに成功しました。

 

 

みみ太郎は、難聴者や耳の遠いお年寄りを持つ家族からの支持を得ています。13万台以上の販売実績がこの集音器の成功を物語っています。

「家族のだんらんを取り戻す」というポリシーのもと、群馬県の中小企業である株式会社SinasSPによって開発されたみみ太郎は、集音器市場において独自の立ち位置を築きました。この立体集音器は、自然な聞こえを求めるすべての人々にとって、価値ある選択肢となるでしょう。