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Chain, Saw, and Man──『チェンソーマン』『ルックバック』、虚構と現実と物語の先|菊嵜了
藤本タツキ『チェンソーマン』(集英社)の題名は、なんで「チェーンソー」マンではなく「チェンソー」... 藤本タツキ『チェンソーマン』(集英社)の題名は、なんで「チェーンソー」マンではなく「チェンソー」マンなのだろうと以前から思っていた。刃のついた鋸をモーターで回転させ樹を切り倒したり氷の彫刻コンテストをやったりするあの機械はチェンソーという表記をすることもあるし、チェーンソーマンよりチェンソーマンのほうが語呂も良い気もする。しかし、はたして語呂だけの問題なのだろうか。 単行本を読み返すと、そこに書かれた英字での表記はChainsaw manでもChainsaw-manでもなくChain saw manで統一されていた。英単語においてはChainsawだけでなくChain sawという表記もあることはある。しかし、ここに置かれた'saw'とは鋸ではなく'see'の過去形「見た」ではないのか。 ジャレド・ダイアモンドによる文明史のノンフィクション本『銃・病原菌・鉄』は、原題が'Guns, Ger
2021/07/25 リンク