地方公立高校から東大文一に進学した大学生が日々の考え事や、その日の勉強内容などについて書き綴るブログです。現在、司法試験予備試験に向けて勉強中です。
【読書メモ】〈帝国〉は「世界=経済」なのか?(ネグリ、ハート『〈帝国〉』)
読んだもの アントニオ・ネグリ、マイケル・ハート『〈帝国〉 :グローバル化の世界秩序とマルチチュードの可能性』 の序説部分 要点整理 グローバル化によって新たな主権形態が登場してきている。それをネグリ、ハートは〈帝国〉と呼ぶ。〈帝国〉はグローバルな交換を調整する政治的主体であり、国家的かつ超国家的な組織形態からなる。それが近代的な主権と異なるのは、境界を欠くという点である。近代的主権は、自己のアイデンティティの純粋さを保全し、それとは異なるものを排除するために、領域全体を支配し、階層的な領土的境界を強いる。一方で、〈帝国〉は脱中心的、脱領土的な支配装置であり、異種混淆的なアイデンティティと柔軟…
どうも。 ブログを書くのがしんどくなったので、かなり間が空いてしまいました。というか、この文体が自分にあってない。 最近は積読ばかり増えて、お金は無くなっていくし、それなのに読書は全然進まないので、辛いです。 ということで、今読んでる本とかを適当に紹介します。 柄谷行人『世界史の構造』 哲学界のノーベル賞とかいうのをとった方の著作です。とにかく、交換様式から世界史を眺めるというアイデアがすごい。最近はマルクスの言うところの上部構造、つまり文化とかイデオロギーとかが重視されすぎているところがある気がして、そろそろそれに対する揺り戻しが来るのかなとか勝手に思っています。「正義」は人それぞれだから正…
1. 批判と異論の区別 批判とは既存の主張について、その事実認識や論理展開の誤りを指摘すること。一方で、異論とは既存の主張とは別の主張を上げること。 2. 具体化と抽象化 ある主張について、それを具体的な事例に当てはめてみる。あるいは抽象度を挙げてみる。 3. 限定化と一般化 ある主張について、主張の適用範囲を見定める。一般化可能性を考える。逆に過度な一般化が行われていないかをチェックし、適切な限定化を試みる。 4. 二項対立の発見とその解消 ある主張について、それがどのような二項対立をベースにしているかを考える。その上でその二項対立を乗り越える方法がないかを考えてみる。 あるいは、別の二項対…
もっと読まれるべき本 哲学は自然化される、これはもう避けようのないことだとこの本を読んでいると思えてくる そもそも「哲学」ってなんなのか 「哲学の自然化は、哲学を無用にしてしまうというより、むしろ次代の科学と哲学を準備しているというべき」 存在論的自然主義 方法論的自然主義 知識の全体論 「哲学の科学」の構想 「哲学とは何かを問うことは、裏を返せば、哲学をする人間とは何であるかを問おうとする試みでもある」 「人間の自己理解ー汝自身を知れーという古代以来の伝統的課題も、自然主義によって最もよく果たされるのではないだろうか」 自然主義について入門的なところから最新の動向まで漕ぎ着ける もちろん足り…
各思想家たちが「構造」概念をどのようなものとして扱ったのか また、その思想をそれまでの西洋近代思想とどのように差別化したのか 単に構造主義の新奇性、うまくいった部分だけを取り上げるのではなく、その弱点や限界までにも触れている 「思想史」とあるように、歴史的状況を踏まえた説明も多くわかりやすい 一方で各思想家の具体的理論にまでは踏み込んでいない クロード・レヴィ=ストロース、ジャック・ラカン、ロラン・バルト、ルイ・アルチュセール、ミシェル・フーコー、ジル・ドゥルーズ(+フェリックス・ガタリ)、ジャック・デリダ ソーカル事件 各思想家の理論のさらなる理解のための入門書?、あるいは個人的ブックガイド…
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