9歳の孤児を引き取ってから事件が巻き起こり家族が崩壊していく・・
そんな人怖(ヒトコワ)ホラー映画「エスター」。
いつ観ても面白いってまさにこういう作品だなって。
胸糞感、ここまで苛立たせてくれる映画ってなかなか。なぜ殺す?何がしたかったん?
これぞ人怖。エスターを観たネタバレ考察・感想
なぜ殺す?何がしたかったのさ?を考察
今回の家族でいうと、エスター的には恋愛対象として父親 “だけ” 欲しかった様子。
そう考えると妻も子達も邪魔。邪魔でしかない。だから殺した。
エスターは己の欲求通りに生きたいから、人は可能ならコントロールする、邪魔なら殺す、って思考回路な気がする。
彼女も生きていきたいでしょうから、無闇矢鱈に殺してたらいつか孤児院に連れ戻される。だからあくまで邪魔になる人たちは殺すって感じ。
で、父親だけは手中に収めようとしてたのは、あれはエスターが自分を女性に見られたい願望があったから な気がする。あと性行為もしたかったんじゃないかなあ。夫婦の営み直前をガン見してたし。化粧して、色気も出していたし。
けど、普通の感覚でそれしたら “相手がどんな反応になるか” は予想できますよね。これをしたら相手は嫌がるとか、そういうのを想定して人は行動するものです。これが思いやりですよね。
けどエスターにはそれがわからない。人の気持ちがわからないから。人をコントロールするための知恵は長けていて、家族を騙せるために自分の態度を変え、自分の欲求のためなら考えられるのに相手を思いやることが欠落している。
全て自分の欲求に従う感じでしょうか。感情も爆発したら抑えられない。
エスターは、人怖(ヒトコワ)ですね
家族に迎え入れてから日に日に増すエスターの奇行や不快な発言・・
最初は「なんだこのこ不気味だな」程度だったんですが、次第に明かされていく彼女の正体に、観ててイライラ感が追加されました。
相手が何をされたら傷つくか、邪魔者をどう排除するかっていう知恵が働くわけで。
攻撃的な行動を人に対して直に起こすもんだから、「お化けだったらここまでできないし、やっぱ人間の精神異常って本当に怖い」って心底思いました。
同じ人間だからこそ現実味を帯びてしまうってわけなんですよね。
この映画が怖い怖いって言われるのは、単なるホラームービー(お化け系)じゃなくて、人間が怖いからってことなんですよね。
これが実在したっていうから、怖さも倍増もんですよ。(ここでは省略、是非ググってみてください)
どこまで残酷なのか予想不可能で怖すぎる
同じ人間ではあるけれども、どれほど残酷なことをしでかすかは未知数。
エスターのような人が現実にいたから怖いと言ったものの、でも実際あんな人現実世界ではまず遭遇しない。
だから、共感もできなければ予想もできない。
日に日に凶暴化するから「この先もっとひどいことするんだろうな」感は出てましたけどね。
何をするか先が読めないという恐怖もしっかり練り込んでいるなと思いました。
怖さの後に苛立ち。子は敏感に気付き、大人が鈍感
この映画、胸糞って言われるだけあってかなりイライラするんですよね。私も後半めっちゃイライラした。
エスターに対して「なんでそんなことするわけ!!!!」って苛立ち、
夫に対しては「なんで気付かないの!!」って苛立ち。
そう、これが胸糞と言われる所以なポイントかと思うんだけど、あの子怖い・・の後に襲ってくるイライラよ。
気付けよ〜!!!!
これに尽きる。
子供が真っ先に最初に気づいて、大人が鈍感という。大人が1番の便りなのに・・。
エスターは心は大人だから、大人が対処しなくちゃいけないのに。
しかも、やっと気づいたシスターはエスターに殺されるという。
ようやく「エスターを捕まえなくちゃ」と気づいた時には、もう取り返しのつかないことになってたし、夫やられてしまうし。
ラストのどんでん返しについて
全てがひっくり返るどんでん返しっていうよりかは、じわじわ〜と真相がわかってくる感じ。
だからラストでびっくり!ってのはそこまでないけど・・強いていうなら精神科から奥さんへの電話で全てが解明されたあのシーンですかね。
奥さんの違和感は大当たりで、奥さんが正しかったと判明したあの病室のシーン。
エスターの失恋と被り、夫を襲おうとしててこの展開だから、まさに映画らしいベタなタイミングなんだけど、どっぷりハラハラ気分を味あわせてもらいました。
「妻は夫を救えるのか!?どうなる!?」ハラハラ感。
一家惨殺にならなかったのが唯一の救い。これでそうなってしまったら正真正銘の胸糞だった・・
エスターの気まずいシーン
あくまで私の感覚となりますが、エスター1作目は男女の絡みといった意味での気まずいシーンがあります。
夫婦の営みというか、そういう系のシーンあります。ちらほらと。
そのうちの1つは、行為をエスターに見られちゃうっていう。
エスターの概要・簡単なあらすじ
- 監督:ジャウム・コレット=セラ
- 製作年:2009年
- ジャンル:スリラー、ホラー、サスペンス
- キャスト:ベラ・ファーミガ、ピーター・サースガード、イザベル・ファーマン ほか
エスターの英語タイトルはOrphanというんですね。訳すと孤児。
うーむ。内容を知っている身からすると、この映画の世界は完全にエスターで回っているから原題のOrphan / オーファン(孤児)よりも、確かにエスターっていう邦題のがほうがしっくりきますね。
それにOrphan / オーファン(孤児)ってタイトルにしちゃうと、なんだか一括りにされる感じもするから。孤児が全員エスターみたいなわけじゃないから。
【短いあらすじ】
待望の3人目の子供を死産で失った夫婦ケイトとジョン。失意のどん底の中、孤児院でエスターと出会う。彼女を養子に迎えることにした夫婦だったが、徐々に増すエスターの不可解な動きや言動に、ケイトは不安を覚えるように。そして実の子も感づいていく。この子、様子がおかしい・・・。
関連:エスターの続編「エスター ファーストキル」についてはこっち
2023年7月追記:エスターファーストキル、配信で鑑賞しました!
感想は下記↓
タイトルは Orphan: First Kill (オーファンファーストキル)
つまり、エスターの初めての殺人事件・・の時の話を描いた作品なんでしょうね。
予告動画を見る限り、めっちゃ面白そうな予感ぷんぷん漂っています。
で、ここでちょっと小ネタをお話しします。
主役を演じるエスターは、もちろんイザベル・ファーマン。
当時は子役で、2022年現在は25歳。メイクや遠近法など駆使して(身長とか子供に合わせないとですし)子供のエスターを演じるんです。
すごいですよね。
予告動画を見る限り、あの不気味さを見事に演じ切っている。これは期待が高まりますよね〜
前日譚ってところも然り。
だって、エスターの過去、めっちゃくちゃ気になりますもん。
私的には、シリーズものの前日譚ってあまり興味ないんですが、エスターに限ってはかなり気になる。
このエスターを形成した過去に一体どんな出来事があったのか。絶対に、おぞましい過去があるに違いない。
それを観て共感できるとは思えないけど、やはり背景は気になっちゃう。
できればシリーズ化して欲しいのだけど、もう前日譚作ったら以降はネタがないですよね・・・。
と、いう事で
エスター、胸糞なスリラー映画って感じですが人間の怖さがすごい出てて、私は楽しめました。
やっぱり人間が一番怖いですね。
関連:人間こわ・・・と思う作品が好きな人はこちらもおすすめ
人間怖い・・と思う作品が好きな人は下記作品もおすすめです。
これは思考が狂ってる系です↓
こっちも思考が狂って人間の体を改造しちゃう系↓
関連:エスターのように家族をどんどん破壊していく系の映画
エスターとほんのり雰囲気が似ている作品を最近観たんですね。それが、事故物件 身も凍る執念。
とある女性が以前は自分の家だった豪邸に越してきた母と娘を攻撃し、娘を奪おうとする内容。
ただし、かなりツッコミどころがあるので好みが分かれます。(私は微妙と思った…)
その女性の執念は伝わったけど笑
ネタバレ感想は下記にて↓
それと、ソルトバーンって映画も雰囲気はちょっと似てた。ある青年が大富豪の友人一家を蝕んでいく話↓