病院の診療科の中の一カテゴリー。
分類的には「内科」の一種である*1。
一般的な内科とは違い、ストレスなど、精神的要因によっておこる様々な肉体的症状、もしくは肉体的要因がもとで起こる精神症状(これらをあわせて心身相関と呼ぶ)を診療の領域にしている。したがって主な領域は、拒食症、多食症、諸疾患に合併する不眠症、各種の○○恐怖症などが含まれる。コントロール不良の若年性糖尿病や神経難病の患者も対象となる。
しかし一般に心療内科を標榜しているところはたいてい精神科を兼ねていて、医師も精神科医であることが多く*2、うつ病や不眠症、統合失調症(旧称精神分裂病)などを扱っている所も多いが、それこそが誤解を生む原因である*3。
一般的な内科と違い、診療においてはカウンセリングがきわめて重視されるので、診察時間は長く、初診の人だと1時間くらいかけて診察をすることが多い。なので、どこの心療内科も常に混んでいて、完全予約制をとっているところも少なくない。一般内科でなかなか回復せず、精神・神経系統の治療が有効と認められる場合、心療内科を紹介されることもある。ストレスから何らかの症状を感じた場合は、一度受診してみるといいかもしれない*4。
*2:時おりこれを兼ねていない診療内科医もいるが、そういった医師は良心的と見てまず間違いない。精神科と違って「金の亡者」になれない制度(健康保険法)上の理由があるためである。
*3:うつ病、不眠症等の場合は内科的要因が関わる事が多いので心療内科を選択するのは適切な場合が多いが、統合失調症は精神科で診るものと決まっているので心療内科の枠では扱えない。つまり、精神科を兼ねていない心療内科では統合失調症を診る事が出来ない、という事なのだが、これはおそらく長所であろう。
*4:精神科と異なり大分類的な分け方では「内科」であり、精神科に行った記録も残らない事から、心理的ストレスを感じ体調面にも不調が認識される時に行く診療科の第一選択肢としては最適だろう。「ストレスを感じたらすぐ精神科」、はおそらく宣伝を真に受け過ぎである。