教採対策

内田樹氏は役に立つかを聞いてはいけない、とよく言っている。 役に立つことについての先人の意見をまとめておきます。 エミール・第３篇 （頁数は 世界の大思想 - Wikipedia オリジナル版17のルソーから） P178「あなたがたは、子供は小さいうちはおとなしく言うことをきくようにと望んでいる。それは、大きくなってから、信じやすく、だまされやすい人間になることを望んでいることになる。あなたがたは子供にたえずこんなことばかり言っている。「わたしがあなたに求めていることは、みんなあなたのためになるのですよ。ただ、あなたにはまだそれがわからない。わたしが求めていることをあなたがしようとしまいと、そ…

内田樹の成熟論、若者論の代表として、賛否両論ある 『下流志向 学ばない子どもたち 働かない若者たち』（内田 樹）：講談社文庫｜講談社BOOK倶楽部 について。 （評論文教材に使うときの教材研究も兼ねて） 教採対策 内田樹『下流志向』 - sazaesansazaesan’s diary に続いて、同書に関係する内田氏のブログをまとめておきます。 学校組織は何を生み出すのか -洗脳装置、学歴社会、消費主体- | 学術機関リポジトリデータベース 美術による「贈与」の教育の可能性 などの論文でも引かれる。 『下流志向』の原形らしきブログ。 資本主義の黄昏 - 内田樹の研究室 →オーバーアチーブとレヴ…

内田氏の大人の条件を１言でまとめ、ブログ主の気づきと関連文献を示します。 １ 社会の一員としての意識 まとめ：クレーマーにはなってはダメ →ブログ主思うに、 子どもは人に決めてもらって文句を言う。大人は自分で判断し自分で受け止める、という話を、進路選択の時によく言われた記憶がある。 cf法的には未成年は責任を取れない。子どもは取る意思がない。 （12/29追記 教採対策 キャリア教育？ - sazaesansazaesan’s diary の植村直己の言葉を見て思ったのですが、 働くことは社会の一員であることの印？） ２ 脱・自己中心的 まとめ：空気が読めて気をつかえる。 →ブログ主思うに、こ…

内田樹氏は教育の目的は「成熟」であると言っておられる。 例 街場の文体論 | 書籍 | ミシマ社 １４講p288 講義で伝えたいことは、 「君たちがちゃんとした大人になってもらわないと、僕も困るし、君たちも困るし、みんなが困る。だから、僕の話を聞いてくれというメタメッセージだけ」 第1回 「複雑化」とは何か – 東洋館出版社 「「公共の福祉」を配慮して、そのために自分に何ができるかを考える「成熟した市民」が一定数いないと民主制は機能しません。民主制はメンバーに「大人になってくれ」と懇請する制度です。」 では、具体的な大人の条件とは何か？ 内田樹氏のブログ、著作をたどって、５つの条件にまとめた。…

前回 学校は大卒資格を与える以外の存在価値がなくなっているのではないか、という疑問を表明しました。 それを認めるかは別として、教育の目的を考えるために、教える内容にはどういう意味があるかを考えます。 たしかに、学校で習う知識は立場が弱い。 ・検索すればわかることを小出しに教えている ・大学での勉強の基礎にはなる。 しかし、大学では勉強よりガクチカづくりが大事。 ・社会に出て役立たない （例 古典の助動詞と車の運転技術はどちらが毎日使うか？） しかし、２つの反論が考えられる。 １つめの反論 広く学ぶことで生徒の可能性を広げる 難しい問題にチャレンジする意味 | 「都立受験」のプロフェッショナル（…

教育の目的についてレポートを書いており、そのときに考えたことを載せておきます。 教育の目的とは何か？ 評論文の背景 人格の発展・完成とは？ - sazaesansazaesan’s diary でふれた教育基本法の目標では壮大すぎて実感がわきにくい。 大学卒業して数年の今、 大卒の資格を得て就職するために、高校までの教育があるのではないか？という疑念さえ生じる。 その疑念の根拠について、個人と社会の２つに注目して述べる。 なぜ個人は教育を受け、社会は教育システムを設けるのか？ 明確な根拠はないが想像するに、 個人は職業を得るために小中高（大）の学校教育を受け、 社会は勤労者を得るために教育シス…

主体的～な学びの解説・実践をまとめた県教育委員会のサイトを紹介します。 教育の方法と技術 - ミネルヴァ書房 ―人文・法経・教育・心理・福祉などを刊行する出版社 の２章 益川 弘如 (Hiroyuki MASUKAWA) - 教育の方法と技術 (新しい教職教育講座 教職教育編) - 書籍等出版物 - researchmap pp31-33に引かれる 主体的・対話的で深い学びとカリキュラム・マネジメント - 静岡県総合教育センター 「主体的・対話的で深い学び」についての一考察：中学校英語科の指導案作成に際しての注意事項 | 学術機関リポジトリデータベース に引かれる 「主体的・対話的で深い学び」…

国語力は重要 ・言葉なしに思考・表現できない →教採対策 教育の目的⑨ 個人・社会のため/資質・能力の育成 - sazaesansazaesan’s diary でも言ったが、資質・能力の２つ目の柱である思考力と表現力は国語力に直結 ・人間の社会制度は言葉によってできているに等しい 『新学問論』（西部 邁，杉浦 康平，谷村 彰彦）：講談社現代新書｜講談社BOOK倶楽部 ・小論文、大学のレポート、就活の自己PRなど、書く力は重要 さらに現代では、 読解力を鍛えるメリットと高めていく方法｜グロービスキャリアノート ３で読解力が低下している原因の１つに、 「一方的な情報発信」＝都合よく情報を切り取り…

仮に学校教育を「教師という専門職が組織的に教える行為」とすると、 教育の目的を論じるには、教師の役割も論じる必要が出てくるはず。 （どうしてそうなる？というツッコミが入りそうな…） １教師の役割 ２教育の目的 ３どこで段取りを学ぶか の順に述べます。 〇教師の役割 斎藤孝の 教育力 - 岩波書店 ｐ61 「「自分は今何のためにこれをやっているのかわからない」という迷子状態に陥らないようにするのが、先生の役割だ。そういう意味では全体の構図を捉える力に優れている、すなわち段取りというものが全体のなかで常に見えている人間、そういう人間が指導を行い、段取りの見抜き方、吸収の仕方、あるいは自分で段取りを…

文学的文章は、批判的読み以外に何が必要か？ 例えば、 国語教育 文学的文章の読み方（堀裕嗣を中心に） - sazaesansazaesan’s diary で言及した批評読み。 批評という用語の背景には、 国語教育における「批評」に関する研究の成果と課題 : 批評意識に着目した整理の試みと今後の展望 | 学術機関リポジトリデータベース を参考。 〇鑑賞は国語だけでなく音楽にもある。 国語教育 書くこと あすこま氏 - sazaesansazaesan’s diary でふれた 読むことと書くこと、もっとシンプルにつなげないかな？ | あすこまっ！ にある、音楽と国語の共通点にも関係する論文とし…

主体的な学びについての記事を紹介します。 自律的な学習へとつながる小学校国語科の単元学習の開発研究 : 学びの立ち上がりを促す学習者の「問い」に注目して | 学術機関リポジトリデータベース が理論的に参考にしている 自律者の育成は可能か - ミネルヴァ書房 ―人文・法経・教育・心理・福祉などを刊行する出版社 有名な石井英真氏の 提言 「子ども主語」の主体的な学びをデザインするために（２） - 教育出版 の主体性のタキソノミー 国語教育 指導案の参考1 - sazaesansazaesan’s diary で引いた「質問づくり」に関連して ひつじ書房 「問う力」を育てる理論と実践 問い・質問・発…

評論文の背景 論理国語の内田樹と関連ブログ - sazaesansazaesan’s diary の続きです。 中学２年生の国語教科書にある 学ぶ力 - 内田樹の研究室 について。 「学ぶ力（内田樹の研究室）」の罠: 海洋学研究者の日常 という批判もある。 「学ぶ力」には、レヴィナスが関係する？ レヴィナスと愛の現象学 - 著者：内田 樹 | ALL REVIEWS ｐ２１ 暴力と聖性―レヴィナスは語る - 著者：内田 樹,エマニュエル・レヴィナス,フランソワ・ポワリエ | ALL REVIEWS で、レヴィナスがシュシャーニ師を「知の大洋」と評する箇所を引用。 （原著pp153-155) ｐ…

教採対策 自己調整学習 - sazaesansazaesan’s diary とも関係しますが、 教育評価では粘り強さと自己調整（メタ認知しつつの取り組み）を重視しています。 例えば、 教採対策 評価（指導案にも） - sazaesansazaesan’s diary で紹介した 『指導と評価の一体化」のための学習評価に関する参考資料 中学国語編』 「本観点に基づく評価は，「主体的に学習に取り組む態度」に係る各教科等の評価の観 点の趣旨に照らして， ① 知識及び技能を獲得したり，思考力，判断力，表現力等を身に付けたりすることに 向けた粘り強い取組を行おうとしている側面 ② ①の粘り強い取組を行…

教採対策 授業方法の基礎 - sazaesansazaesan’s diary や 国語教育 言語活動1 - sazaesansazaesan’s diary で登場した西岡氏とも関係しますが、 教育評価に関しての通達・資料のリンクをまとめます。 資質・能力を育成する授業づくりと学習評価 中学校国語 – 東洋館出版社 p47では 中央教育審議会初等中等教育分科会教育課程部会 「児童生徒の学習評価の在り方について（報告）」：文部科学省 「児童生徒の学習評価の在り方について（報告）」の（３）評価方法の共有、を引く。 p74では 学習評価の改善に関する今後の検討の方向性：文部科学省 の評価表を引く。…