その男の料理にはいつも物語があった。 時に食べるものの想像に及ばないものであったり 時に忘れかけていたものを思い出すような懐かしさであったり、 時に体調を考慮した食べ手に寄り添ったものであったり、 時にパンクなアティチュードに満ちた無邪気なものであったり、 時に言葉以上の優しさに包まれたものであったり。 洒脱な雰囲気と巧緻な品々にいつも酔いしれた。 遠慮なく飲むから(笑) 帰り道にパンクロックを聴いて帰りたくなる和食屋は間違いなくここだけだ。 この夜でここのカウンターで飲むのは最後。 心ゆくまで、 そしていつも通りきっちり酔うまで 最後の物語を堪能した。 終わらない歌を歌おう クソッタレの世界…