東海初代社長の須田寛さんの死去を『筆洗(241226)』は思う▼国鉄時代、運賃値上げに関わる仕事が多かった。認めてもらうため各方面に頭を下げる▼国鉄の運賃改定は国会の議決を要したが、国民の反発を招く値上げを政治家は避けたがり、改定ができず赤字は膨らむ▼幼いころから鉄道好きで国鉄に入る際は仕事にするのだからと「好き」という私的感情を封印したつもりだったが、つらい仕事の多さに衝撃を受けたと▼国鉄時代、旅へいざなう「ディスカバー・ジャパン」キャンペーンを成功させた。国鉄最後の日、新たな仕事への期待とともに、憧れて入った国鉄を見送ることへの自責の念もあったという▼鉄道愛に基づく本の執筆は私的領域、とい…