狐花 葉不見冥府路行/京極夏彦 時代ミステリー小説の感想
◆読んだ本◆
・書名:狐花 葉不見冥府路行
・著者:京極夏彦
・初版出版社:KADOKAWA
・初版発行日:2024/7/26
◆おすすめ度◆
・時代ミステリー小説度:★★★★
・親の因果が子に報い度:★★★★
・驚愕の事実が連発度:★★★★
◆感想◆
著者の本にしては厚みが薄く、短編小説かと勘違いしそうな時代ミステリー小説。
歌舞伎の舞台化のために書き下ろされたそうですが、ストーリーはわかりやすく、ディープな京極夏彦の世界は控えめ。
しかし舞台では見栄えがしそうな描写もあり、歌舞伎ファンは舞台も楽しめそうです。
物語は江戸時代。身分も仕事も異なる曰くありげな四人の男たちと、その娘が主な登場人物。
「親の因果が子に報い」みたいな怪談話風の出だしですが、後半になって中禪寺洲齋が登場すると、ミステリー色が濃厚に。
さらに、なんとびっくり!さらにびっくりくりくり!の驚愕の事実が連発。
見せ方が上手ですね。
ラストの「憑き物落とし」もバッチリで、さすが京極堂の曽祖父です。
こってりした著者の小説もいいですが、さっぱりめの本書もいいですね。
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