熱水の化学合成微生物
2024/06/02 08:38
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投稿者:福原京だるま - この投稿者のレビュー一覧を見る
深海に熱水が噴き出すところがありそこの水素を利用する生命が最古の生命であるという仮説は昔から語られているがそこについて詳しく書かれていて面白い。
昔、昔、世界は混沌としていた
2023/01/04 17:30
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投稿者:ふみちゃん - この投稿者のレビュー一覧を見る
著者、高井氏は母に「生命の起源を研究してるんだったら、古事記とか聖書とか、読んどきなさい。昔の人がどうとらえていたか参考になるだろう」と言われたらしい、どの天地創造の話でも、世界は始まりは混沌としていたらしい、そして、天と地と海が生まれたと
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新聞広告の文によると
「40億年前の原始地球、3000メートルの深海で、地球最初の生命は生まれた。その生命は、光合成もできない暗黒の世界で、いかにして生物の『共通祖先』となりえたのか。最先端の生物学と地質学に精通する著者が最大の謎に迫る。」
とのことです。
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久しぶりに知的好奇心が満足できる本で、面白かった。
脳と心の起源は色々と本がでてきているが、生命の起源についての仮説や背景について色々と知らないことばかりでした。
深海は奥が深いですね。
現在進行形の研究なので、今後も期待です!
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オモローな研究者である高井研の著作物が出ているとは知らず、本屋で手に取り、一気読み。ハイパースライム仮説やウルトラエッチキューブリンケージ仮説など、新たな定説になるのかはたまた妄想で終わるのかという、科学の醍醐味というか瀬戸際(最前線!?)がおもしろい。著者の語りもサイコーである。
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発売直後(今年の2月はじめ)に買ってそれ以来たま~にパラパラめくっては放置、またちょっと読んでは放置…を繰り返していましたが、ようやっと読み終わりました。
この本のタイトルは「生命はなぜ生まれたのか 地球生物の起源の謎に迫る」ということでこの地球上に生命がなぜ誕生したのかという問題に対して研究者がどう考えているのかを研究の背景などを含めて色々書かれています。全編高井ワールドでかなり面白いですが、内容は難しいです。大学3年の頃の講義の内容を思い出しつつ読みました。いい復習になりました(笑)
まあ科学的な内容についてはネタばれになっちゃうし私の理解が浅いので何言っても面白くないから「生命がなぜ生まれたのか?」が気になる人はこの本を買って読んでください。むしろ私個人としてはこの本のあとがきに強い「印象」を受けたのだけど、今はそれをどう言葉にしていいかわからないので何も言いません…ああ、なんか悔しいな。
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面白い.細かい内容が難しくて分からなかったとしても是非おすすめしたい本.
ただ解説するのではなく,研究の現場の空気が伝わってくるのが良い.
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極限環境(深海とか地殻内)の生物が専門の著者が,すんごくくだけた文体で,生命誕生の謎に迫る。
子供のころ,NHKで「地球大紀行」という番組に熱中したのを思い出す。「地球大紀行」でも生命の起源が描かれていたが,今はだいぶ研究も進んでいるみたい。まずは45.7億年前に太陽系ができ,0.3億年程度で今ぐらいの大きさの原始地球が誕生。45.3億年前には巨大な微惑星が激突して一部が飛び出し月になった(ジャイアントインパクト説)。
出来立ての月は,いまよりずっと地球の近くにあって,随分とでっかく見えたらしい(見た人はいないが…)。それが潮汐力によってエネルギーを失いだんだん遠くになった。ていうか,今も徐々に遠ざかりつつある。
原始地球はマグマオーシャンに覆われていて,液体の水はなかった。次第に地表が冷えて水蒸気が水になり海を作る。「地球大紀行」でもやってた。でも,その時期は,最近ではだいぶ早かったと考えられているらしい。最速44億年前という。海がなくては生命は始まらない。でもその頃はまだ隕石重爆撃期と考えられており,せっかくできた海も直径100kmクラスの隕石衝突で蒸発してしまったりした。過酷な環境だな…。でもとにかく42~39億年前ころには重爆撃はおさまって,化学進化から生命が誕生し,今に至る進化につながったと見られる。
そのころはちょうど最古の岩石が残る時代で,地質学で言う冥王代と太古代の境。今知られている地球最古の岩石は,カナダ北部のアカスタ片麻岩で,40億年前という。さすが大陸の岩石は古い。日本なんかせいぜい4億年…。
最古の生命は,深海熱水活動域で誕生した。呼吸や光合成といった高級な代謝はまだないが,有機物を発酵する生命はいただろう。しかし有機物が枯渇するとそれらは死滅。生きながらえたのは,水素と二酸化炭素をエネルギー源とするメタン生成エネルギー代謝を有する超好熱性の生命だった。
著者たちは,このようなメタン生成超好熱菌は,現代の深海熱水活動域にもいるはずだという仮説をたてた(ハイパースライム仮説)。でそれをいろいろと探すと,日本近辺にはなく,インド洋の「かいれいフィールド」で見つかった。水素濃度が高いことが必要だったらしい。でなんで水素濃度が違うのかと言うと,鍵は太古の地表には多く存在した「コマチアイト」という岩石だという。これが熱水と反応すれば水素ができるはず。「かいれいフィールド」にはコマチアイトがあるに違いない。
調査の結果,「かいれいフィールド」にはコマチアイトに似た成分の岩石が存在することがわかった。また,著者らは,実験によって熱水とコマチアイトの反応で,実際に水素が生成されることも示したそうだ。まだ著者たちの説が定説になったわけではないのだろうけど,いろいろと調査・研究がされていて,興味深い。しんかい6500で潜って調査したりもするらしいが,ああいうのって近くで大地震が起こった時は安全なのかな?とふと考えてしまった。
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地球上で生命がどうやって発生したのか?という疑問に対して、最新の仮説=“ウルトラエッチキューブリンケージ"仮説を使って説明する話。最終章でその仮説がサマリされているが、「深海の熱水活動によって有機化合物が化学進化し、やがてエネルギー代謝する生命が誕生する」って説明は、「生命は宇宙から来た(=パンスペルミア説)」みたいな説明よりずっと説得力があるように思えた。
個人的に残念な点は、エネルギー代謝する有機化合物の誕生を“生命の発生"としているように読めてしまい、「自己複製はどうなった??」という疑問が残ったところ。第三章で生命の定義として挙げていたので、その部分は満たして欲しかった。
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難しい内容を平易に伝えようと思っているのか、砕けた文体が随所に見受けられるが、文体を砕いたところで基礎知識がないと理解できない…当り前か。
というわけで、僕は専門家ではないので、著者の説が正しいかどうかはわからない。ただ、研究者は自分の論が正しいと思っていなければやっていられないだろう。だから自説が正しいと思う文章それ自体はいいと思う。
ただ、他者の説に対する批判が辛口過ぎるかな?と思える部分も見受けられた。
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偉大な研究者は偉大な教育者でもあって欲しい、という願いが届いたような本。とにかく熱い。というか浮かれ加減がすごいのだ。杉田玄白の『蘭学事始』のような雰囲気がある。
・地球の誕生・46億年前→生命の誕生40億年前→光合成生命の誕生35億年前→光合成生物が地球の表層に進出30億年前
・有人潜水艇を所有、運行しているのは、米仏露日のみ。
・岩石と水の化学反応は地球だけの特別な現象ではない。
・深海底熱水活動域の周辺に、きわめて豊かな微生物生態系が形成されていた。
・特に、水素と二酸化炭素からメタンを作り出す好熱性メタン生成と硫酸還元。
・「生命が生命だけで存在することはあり得ない。生命を取り囲み、生命を含んだ環境のあり方やその中のエネルギーとか物質の流れがむしろ重要」
・火星では地球の進化と似たプロセスがすべて地球より早く進行したという仮説。
・模擬隕石実験でアンモニア生成。
・地球生命が深海熱水環境で生まれた可能性は一番高い。
・RNAだけのシステムが存在しなければ行けない理由はない。
・化学進化は必ずしも熱水環境だけで起きたわけではないが、宇宙で起きた化学進化も、隕石衝突で起きた化学進化も、地殻の中で熟成する化学進化も、熱水環境で集約された可能性が高い。
・光合成によるエネルギー革命の前に、呼吸に近い形でのエネルギー革命があったはず。
・それは水素を使うエネルギー代謝か、メタン生成か硫黄還元か鉄還元。
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あーあ、読み終わってしまった。。。本当に面白くて、ずっと読んでいたい本だった。
前にテレビで高井さんを見た。ちきゅう、というとてつもない船に乗って、泥の塊に喜んでいた変な関西人・・・この人は面白い人だな、と思い、手に取った。
外国人が書いた本とは違う直観的な分かりやすさ、ノリの良さ、日本人びいきさ、メタン菌への不可解な愛情、臆することない自画自賛・・・どこをとっても素晴らしい内容。暗い海の底で、岩だの泥だのを取ってきては、ワクワクしている気持ちが伝わってくる。
まったく、私が高校生で、この本(に限らず、ここのところハマってる進化系の本)を読んでいたら、人生変わっていただろう。
もっと高井節を広めて欲しい、と思った。
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研究者の熱意を感じる本は読んでいて楽しい.
文体は敢えて軽く軽くしているが,理系への間口が広がれば良いかな.
中高生でも手にとって欲しい.
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内容も、読み物としても、すごく面白かった。
これを読むと、生命の発生って意外とハードルは高くないのかもしれないという気がしてくる。
ただ、僕らが思っている「生命」よりも少し概念を広げたほうがいいのかもしれない。
初期生命というのは、ほとんど化学物質の代謝のことなんだなぁということや、
そのとき(40億年前)の岩石や海水の成分がとても重要なんだということなど、
視野が広がった気がする。
それにしても、単なる化学物質の代謝活動がこうも複雑な人間という生き物につながっていくとは。
生命の複雑にも興味があるが、その上に乗っかっている「人間活動」の複雑さにも興味がある。
これは社会や文学の領域。
けど、その人間を追求していくと、どうしても生命ということも避けられない。
どうして生まれたのか。
人生とは何か。
生命とは何か。
我々が生きている宇宙ってどうなってるのか。
性とは何か。
死とは何か。
人生とは何か。。。
ループ宇宙を今日も漂っている。
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面白くて一気に読んじゃいました。こういった最新の自然科学の分野を専門家の方が書いてもらうと読んでてワクワクしますね。ちょっと文調は軽いんですが、内容はかなりヘビー!無機物から生命体への変化というのは、我々凡人ではとても理解を超えている世界なんですね^_^