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まさに王道の大奥小説
2018/07/24 23:39
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投稿者:pinpoko - この投稿者のレビュー一覧を見る
絵島生島事件で名高い大奥のお年寄(上級女官)絵島をその若きころより、身近に見ていた奥山百合(実在の人物)が語り部となり、事件の全貌とひとりの人間、女性としての絵島を描いた作品。
この視点の設定はやはり王道だと思う。しかも実在の人物というからなおいい。
実家に居場所のなかった幼い百合が、奥医師をつとめる伯父の交竹院宅で、菖蒲の花を思わせる若き絵島に出合うシーンから物語りは始まる。エネルギーに満ち溢れた彼女の登場シーンがとてもいい。
作者の杉本苑子さんもあちこちで書いているが、この時代奥勤めは今の女性の高等教育兼エリートな就職先だったという点が目からうろこである。嫁入り前の行儀見習いで終わらせるか、さらに上を目指してお姫様や奥方様の側近となるかは、本人の努力と意識の持ちよう、さらに運も必要だったであろうことは江戸時代の女性の生き方の見方を変えさせてくれた。
彼女がこの道を進むと決めたきっかけのひとつが、高飛車な大身旗本との見合いだったというのが面白い。ここのシーンはとても現代的だが、実際見合いはこのころ裕福な町人階級にはすでに行われていた、それも芝居小屋などでさりげなく相手を見るというのがまた面白い。
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