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抱腹絶倒、茶の間から旅先まで
2010/11/05 13:42
3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ジーナフウガ - この投稿者のレビュー一覧を見る
南伸坊さんが好きだ。名前からして好きだ。ミナミ・シンボー。南に伸びる坊や。実に明るい響きがある。
次にシンボーさんが興味を持つ物や、独特な間合いで書かれる文章の小気味良さが好きだ。
何て言うのか、こう触れていて愉快になるのだ。そんなシンボーさんの今作品も、
実に、実に、興味深い、日々の出来事が綴られていた。何回聴いても、
聴いた端から忘れてしまう青梅の名前の由来や、散歩中、隣町の公園で遭遇した草笛おじさん、
その名も草笛光夫さんについての、とりとめのない考察や、
自家製のグリーンピースを育てて拵えたマメごはんの美味しさや…、
題材となるものは他愛のない素朴な物。でも、シンボーさんの筆にかかると、
それが極上のエッセイへと変身を遂げるのだから本当に恐れ入る。
只でさえ面白く出来ているシンボーさんのエッセイ。
その内容に更なるユーモアと暢気さを運ぶスパイスとして、
シンボーズオフィスのレクリエーション部長でもある、ツマの文子さんが登場してくる。
しんちゃんとツマの掛け合い風の呼吸が、これ又味わい深いのだ。
しんちゃんとツマ、二名分の好奇心で、奥行きも、広がりも、何もかも軽々と二倍以上になっているのだ。
この本選んで得したなぁ、と、口許がニタニタするのを感じた。
凸凹二人組は家庭の居間から中国の僻地まで、自分たちのワクワクする
アンテナが働いた場所へなら何処へでも出掛けて行く。それにしてもまぁ、
何とオモロイ夫婦なんだろうか!?どれもこれも着眼点が個性的なのだが、
中でも特に印象深いエピソードとタイトルを紹介したく思う。
『蓮の花がポン!といってひらくかどうか調査団』を結成して、事実究明に乗り出した
【月食と蓮の香】この調査団の、笑える名前、にも関わらず、
あくまでも大マジメな態度である所に拍手を贈りたい。
中国の僻地に住む、ナシ族と言う民族に逢いに行った珍道中
【トンパ文字】言葉が通じない同士だからこその抱腹絶倒なコミュニケーションの取り方をする
ツマの姿が逞しい。『しんちゃんに、蛍のたくさん飛んでるとこ、見せてあげたいねえ』という訳で
企画された、長崎県の五島列島への蛍ツアー。蛍初心者の、しんちゃん夫婦と、
現地の人との蛍観の仕方にズレがあることが仄かに可笑しい
【ホタルがいっぱい】シンボー夫妻のエピソードは旅先だけではない。
年末に、夫婦揃って扮装し、写真に収め拵える『写真年賀状』
その準備をしている時に夫婦ケンカをしたらどうなるかを詳細に描いた
【おかめひょっとこ】の話は想像して吹き出してしまった…。
お気に入りの話が多過ぎて、歯止めが効かなくなったが、
理想の夫婦の姿が過不足なく書かれてある一冊であることは間違いない。
自信を持ってオススメする次第である!!
笑う門には福来たる~♪ 笑う夫婦にも福来たる~♪ ア、ソレ、ソレ。ピーヒャラ、ピーヒャラ、ピーヒャララ~♪
2010/01/19 14:44
4人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:東の風 - この投稿者のレビュー一覧を見る
おにぎり顔が印象的な著者と、シンボーズ・オフィスのレクリエーション部長も兼務しているツマ(妻)・文子との二人三脚、和気あいあいとしたやり取りがおかしく、微笑ましい気分になるエッセイ集。小春日和に、土手の草っぱらに寝転んで日なたぼっこでもしているみたいな、のんびり、おっとりした味わいが心地よくて、もうひとつ、もうひとつと、気がつけばまるごと一冊、読み終えてしまっていました。
笑う夫婦(めおと)茶碗ならぬシンボー夫妻の会話の「くすり」とさせられるおかしさは、例えばこんなふう。ふたりで、自家製グリンピースの豆を収穫するところの会話。
「よし! 今日だな」
とツマが言った。今日、穫り入れの儀を行う、と宣言した。
(中略)
「ヘーカ、おトリイレのギを・・・・・・」
あそう、オレがヘーカなのね。よろしい。と私はしめやかに鋏入れのギをやった。
「パチン」
「うん」
「パチン」
「うん、てゆーかヘーカ、もっとヘタのとこも残して切ったほうが、そじゃない! そこ」
とヘーカにタメ口である。てゆーか命令口調。
本書p.30より
梅の香を聞きに行った日比谷公園でカエルに挨拶し、ふたりしゃがんで、ああでもない、こうでもないと話す「日比谷公園のカエル」。年賀状の写真用に、夫婦がああだこうだ言いながら、お多福とひょっとこのメイクをし合う「おかめひょっとこ」。ツマの企画に乗ってみたら、思いがけず、忘れがたい体験をすることができたその顛末を綴った「精肉店のクリスマスツリー」「狸の階段」など、ほかにも、ほのぼのおっとりとしたエッセイがあちこちに。
この“夫婦茶碗”のコンビネーションが最も痛快に発揮された一冊、『本人の人々』も併せておすすめ。
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