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読了後、とても気持ちのよい気分になれる一冊です。
2009/06/06 20:51
13人中、11人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:エルフ - この投稿者のレビュー一覧を見る
*あらすじ*
主人公・坂木司は外資系の保険会社に勤務しています。
友人の鳥井真一はひきこもりのプログラマー。
一人暮らしが長いせいか料理の腕はプロ顔負け。
鳥井はほっておけば何週間でも家に閉じこもっている、そんな彼を外の世界へ連れ出すために僕は鳥井の家へ足を運んでいる。
僕が街で見た気になることを不思議なことを鳥井に話すと彼はその鋭い観察眼で僕が見えなかった真実へと導いてくれる。
そんな二人の前に現れたのは不自然なまでに化粧をした女性、誰かにストーカーされているという視覚障害者、知能に障害があるのか言葉が上手く話せない少年・・・・。彼らに隠された真実とは??
1.夏の終わりの三重奏
2.秋の足音
3.冬の贈り物
4.春の子供
5.初夏のひよこ
これは単なるミステリ小説ではありません。
その奥の深さに驚かされます。
さて、この本有栖川有栖氏の有栖・火村シリーズのように二人の男性によって数々の謎が解かれてゆきます。
火村シリーズとちょっと違うところはこの主人公・坂木と鳥井はお互いにお互いを常に気に掛け、深く繋がり信用しあっている仲だというところ。
火村シリーズだと 有栖の片思いっぽい感じがありますが、この二人は物語の途中で依存という言葉が出てきますが例え依存しあっていたとしてもいいんじゃないかと思えるくらい深い部分で必要としている二人なんですよね。
その部分は短編が進むにつれて深まっていく気がしまた。そして二人の信用度、深い絆を感じて行きます。
どちらかと言えば「ななつのこ」の駒子と瀬尾さんのような二人なのかしら。
ひきこもりになった鳥井の抱える問題、これは読んでいて胸が辛くなりました。
そして彼を見守り続ける坂木の姿も・・・・彼は本当心優しい青年なんですよね。
この透明感のある青年が自分の周りで困っている人を見逃せずに時に利用され、時に真実に傷つきながらも成長していく物語はミステリを読んでいるという感じはしませんでした。
そしてまた季節感溢れる文章がいいですね。
最後が初夏で終わる辺りもまぶしい青空が二人の将来を明るく見せているようでとてもいいです。
ちなみに私は「春の子供」が一番好き。ラストは感動しちゃいました
青空の卵
2019/09/30 23:15
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:mizuki - この投稿者のレビュー一覧を見る
坂木さんの本では、「和菓子のアン」がとても好きでしたが、これは全く違う感じでしたが、とても面白かったです。
安楽椅子探偵が、引きこもりだったり。
有栖川有栖と火村の様なコンビかと思いきや、二人も、そして出てくる人々もキャラが特殊ですごい…!
後2冊、読むのが楽しみです!
感想
2015/07/23 22:31
2人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:かいちょー - この投稿者のレビュー一覧を見る
会社員とその友達であるひきこもりの天才名探偵が事件を解決していくことで物語が進んでいきます。ただ、事件といっても誰かが死ぬわけでもなく、ちょっとした身近なトラブルです。独特の雰囲気、時間がこの作品には流れています。ひらけばこころがほっとするようなそんな本です。だいじなことがつまっています。
真実のちからはすごい
2024/02/20 15:47
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:希 - この投稿者のレビュー一覧を見る
鳥井を中心にさまざまな謎を解決していく。謎を解決することで、関わった人達のその後の人生が変わっていく。
「真実のちからはすごいな」と思った。
何気なく読んでしまう不思議なミステリー?
2019/04/10 07:24
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:トッツアン - この投稿者のレビュー一覧を見る
ミステリーの部類に入るようですが、所謂殺人事件や盗難事件といったこととは全く無縁な小説。生活の中で疑問を持たなければやり過ごしてしまうような何気ないところに不思議を感じるとこういう作品が出来るのかと思ったり。ホームズのような観察眼と想像力によって推理されて出される結論にはなるほどねと思ってします。淡々と進む話の内容にいつの間にか引き込まれてしまっている。不思議な世界観のある小説。
ひきこもり探偵
2018/09/20 13:18
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ぽんぽん - この投稿者のレビュー一覧を見る
ひきこもり探偵。殺人事件とかは起きないが、会話等から見事に名推理で真実を語る姿はお見事。
おもしろかった。
みんな話が届くのがいいね、現実には話が通じない人多いよ…。
ひきこもり探偵シリーズの幕開けは、衝撃とともに始まったのです。
2017/12/27 18:34
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投稿者:たけぞう - この投稿者のレビュー一覧を見る
夜の光を読んで、何かが心の琴線に触れた。
その何かを掴みたく、デビュー作に戻ることにした。
よく使う手なのだが、やはり正解で、坂木さんの魅力が
むき出しの一編であった。
裏表紙から引用する。
>僕、坂木司は一風変わった友人がいる。自称ひきこもりの
>鳥井真一だ。複雑な生い立ちから心を閉ざしがちな彼を
>外の世界に連れ出そうと、僕は日夜頑張っている。
ひきこもり探偵シリーズ第一弾とある。
刺激的なキャッチコピーではないか。
非常に実直に、分かりやすすぎるほど心と対話する物語であった。
もちろんひきこもりと称するだけあって、痛い感覚もあるのだけれど、
私は真摯な気持ちにさせられた。
「夏の終わりの三重奏」「秋の足音」「冬の贈りもの」「春の子供」
の短編と、「初夏のひよこ」のエピローグからなる。
日常の謎の連作だ。
ネットで見つけたインタビュー記事によると、坂木さんは北村薫さんを
読んで日常の謎の魅力に取りつかれたらしい。読んでみてよく分かる。
日常の謎と称される作品は、殺人事件の起こらない日常の
ふとした不思議を扱う的に紹介されることが多いが、
目を引く作品は、必ずといっていいほど人物像に深く切り込んでいる。
坂木さんのこの作品は、ひきこもりという設定を使っているので、
その特徴が極めて分かりやすい。単なる謎解き作品ではないことが、
このジャンルの最大の魅力だと思っている。
インパクトがある「ひきこもり」の評価であるが、読了して大成功という
感想をもった。前半は、謎解きにおける探偵役の鮮やかさとか、
犯人の内面の人間性などに目を向けられるが、
徐々に探偵と案内のワトソン役にも視点があたってくるのである。
そして、四本目の短編は、まさしくぐうの音も出なかった。
素晴らしいの一言につきる。
前半、ひきこもりの設定なんてちょっとおおげさかなあと思って
いたのだが、後半、著者の求めたものがさらけ出された感じがする。
総じて、謎の作り方、伏線の張りかた、推理の本格度合いなど、
非常に技術の高い作品だと思った。
一方で、登場人物の描き方などにデビュー作ならではの
粗さと初々しさも見え隠れして、非常に楽しめた。
それにしても、語り手の心情を表わす文章が本当に多い。
自意識過剰なほど考え込むシーンや、印象や含みをたっぷり
持たせた文章の放り込みなど、作者の魂が宿っている感じがする。
坂木さんが気になる人は、ぜひ手にとって欲しい一冊だ。
衝撃のデビュー作!
2015/12/24 19:00
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:サクラ - この投稿者のレビュー一覧を見る
ひきこもり探偵、鳥井真一とその心友、坂木司。
何気ない日常から人の心の中にある「事件」に巻き込まれ、それを解決する。
一見普通の物語に見えるが、そうではない。
まず、登場人物のキャラの性格が濃い!!
だから、物語がはずむのだと思う。
内容もとても濃い。
人が死なないミステリーで、時には残酷、時には優しく。
メリハリがとてもしっかりしていて、すらすらと読める。
この方のミステリー小説は、物理的には怖くないのに精神的に怖いものがある。人と人の関わりについて深く考えさせられるものもある。
まるで、人生の理論書のようだ。
だが、れっきとした小説である。
こんなに面白い作品なのに、デビュー作というのだから驚きだ。
涙もろい凡人坂木・引きこもり探偵鳥井のコンビを楽しむ
2006/08/21 13:35
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:かつき - この投稿者のレビュー一覧を見る
著者と同姓同名の「坂木司」を語り手とした安楽椅子探偵ミステリー。探偵役は、引きこもりの友人鳥井真一。
坂木司は、鳥井のために生きているようなもの。比較的自由な時間の取れる外資系保険会社に就職し、毎夜、彼の元に通い話し相手になり、週に一度は近所のスーパーマーケットに誘い出します。
鳥井もまたクールな性格なのに、涙もろい坂木が泣けば、シンクロして泣き出す。情緒不安定なのですが、それでも重篤なトラウマを抱えた彼が、シンクロするということは、内面ではかなり依存度が高いといえます。
この奇妙なふたりが日常のミステリーを解決する連作短編集。
鳥井が受けた傷、彼が発する心の傷を吐露するシーン、また彼が坂木によって癒されるシーンや、坂木が彼にとって絶対の存在であることを叫ぶなど、現代の繊細な若者を癒すモチーフがてんこもりです。
描かれるミステリーもまた、人間関係に疲れた心理を深く探るようなもの。本書で癒される人も多いんだろうな、と思います。私はほとんど理解できなかったけれど。
さらに著者は覆面作家。同姓同名の登場人物を男性に描いていますが、おそらくは女性でしょうね。このふたりの関係はボーイズラブっぽい。男性作家には書けないでしょう。
また、ふたりの同級生で、今は警察官になっている滝本孝二と、その部下小宮のコンビも登場。男性ばっかりな小説。
「夏の終わりの三重奏」
坂木と鳥井は週に一度行くスーパーマーケットで、美人だけれど化粧の濃い女性と知り合う。鳥井は彼女が故意に近づいてきた、と予測する。果たしてその通りになる。
「秋の足音」
坂木は通勤途中、ハンサムな視覚障碍者塚田と知り合う。しかし彼の後をつけている第三者がいることに気づく。
「冬の贈りもの」
前回「秋の足音」で知り合った歌舞伎役者安藤に、ファンから不思議な贈りものが次々に届く。匿名ではあるが、手紙が後日、必ず届く。やめる、と言いつつ、贈りものは続く。
「春の子供」
坂木は、駅のロータリーで迷子の子供と知り合う。彼が持っていた住所のアパートに行ったが、誰もいない。子供はほとんど喋らないが、おとなしい。なんとか鳥井も受け入れてくれそうなので、昼間は彼に預けることにする。
「初夏のひよこ」
おまけのような短編。本書の登場人物のその後をさりげなく追う。
優しい本だと思います。
2015/05/04 00:37
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:eri - この投稿者のレビュー一覧を見る
初めて読んだ著者の本です。じんわりと心が温まる物語だと思いました。日常の謎を解き明かす、というタイプの本を読むのも初めてだったので、とても新鮮な気持ちで読み進めたのを覚えています。これ以降、日常の謎を追うお話を、よく手に取るようになりました。大切なきっかけの本です。一度読んだ本を、私はよく読み返すのですが、やはりほっとするな、と思いました。
読み始めると、どんどん引き込まれました
2024/02/15 19:59
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:みえ - この投稿者のレビュー一覧を見る
最初は口の悪い鳥井が偉そうで好きになれなかったけど、読んでいるうちにバックボーンも見え、普通じゃない環境や友人関係にも慣れてきて、謎解きも面白く、楽しく一気に読みました。
優し過ぎる坂木司くんにも慣れてきて、何だかハマってしまいました。3部作、読みたいと思っています。
主人公がとにかくいい人すぎです。
2021/03/26 19:33
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:chieeee - この投稿者のレビュー一覧を見る
引きこもりの友人と、何とか外出させようとする主人公の2人が活躍する日常の推理物です。殺人事件などの物騒な事件は出てきませんが、個人にとっては事件だったり、気持ち悪かったりする出来事をこの2人組が頭の回転と性格の良さで解決していきます。少し、性格が良すぎるのがリアルな感じからはみ出てる気もしますが、本の中での主人公はできるだけいい人の方が応援したくなります。主人公の名前が著者の名前と一緒なのが辻村深月さんを思い出しました。主人公の性格=著者の性格ではないと思いますが、優しい物語を書く著者もきっと優しいハズ。
ひきこもり探偵
2015/08/29 18:55
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:nazu - この投稿者のレビュー一覧を見る
ひきこもりの鳥井とその友人坂木を中心とした三部作の1作目。いわゆる日常の謎モノで、傷ついている人にやさしい物語。
ハマるかハマらないか
2019/11/12 14:05
1人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:hid - この投稿者のレビュー一覧を見る
ハマる人のほうが多いとは思うけど、ムリな人もそれなりにいそうな。
こういうキャラクターで、こういう展開で行きますよ、っていうのにノレルかどうかでしょうね。
中二病的発想
2017/11/24 22:25
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:papanpa - この投稿者のレビュー一覧を見る
引きこもり探偵と親友の話
作者が醸し出す「こんなキャラ、こんな考え方カッコいいでしょ?それが理解できる僕、友達思いでかっこいいでしょ?」臭に嫌気がさし、3/4読んだところでギブアップしました
特に終盤がひどい
目上の人を名前で呼び捨て、お前呼ばわりしても本当は思慮深いなんて中二病的発想
ほんとに他人を思いやれる人は、きちんとした言葉使いができるものです
名前で呼ぶことが良いことみたいに力説されても、見ず知らずのお年寄りをいきなり「おい、ジジイ」なんて、あなたの思うカッコよさは読者には伝わりませんよ
以上、あくまでも個人的感想です、あなたが読んで判断してね