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投稿者:わんわん - この投稿者のレビュー一覧を見る
10年以上前、樋口さんにはまった時、好きだった1冊。文庫化された際に、改定されている点が気になって購入。当時何回も読み直したので、違いが判るとなお楽しい。
好きな人にははまる作品。
最近新刊でないと、なかなか書店に在庫がないのが難点。
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長いので、一応あらすじを。
夏休みで暇を持て余していた主人公・悦至は、ある日電話でかかってきた彼女(はっきり付き合っていたわけではない)からの誘いを断る。その後、彼女が自殺をしたことを知った悦至。その理由を探るべく、幼馴染である涼子と共に行動していると、自殺ではなく他殺だったことに気付く。二人は事件の真相を知ろうとするが――。
今まで読んだ樋口先生の作品の中で、一番ラブラブだったような。とにかく恋愛要素のイベントがけっこう入っていて、個人的にかなり好きです。小説のクオリティも高いし、好きだけど、なんだろうな。主な登場人物に個性がない。今まで読んだ樋口作品の青春ミステリの設定が、ほとんど似ているせいもあるし、それだけじゃなく主人公の生意気さとか性格も似ている。それほどヒロインに魅力も感じなかったし、前半は★2つの感想でした。
ただ、いろいろと問題のあるマツブチくんを利用し、作者の偏見だけで成り立つような物語にならなくてよかった(ネタばれになるので、遠まわしな言い方です、すみません;)。
それと主人公の母親が語る理論にも興味があります。読んでいて面白かったし、考えさせられました。小説というのは読んで面白いだけじゃなく、考えることも大切だと思っているので★4つ。
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どうやら、樋口有介、ここにきて再評価(?)もしくは、出版社のしがらみ(?)から脱したらしい。
これも、別の出版社からでてたもののほとんど絶版状態だった。このたび、めでたく創元推理文庫から出たわけだ。
めでたい、めでたい。
ってことで、デビュー作「ぼくと、ぼくらの夏」も復刊していただきたいんだが、賞をとった作品っていうのはかえって難しいかもね。
さて、内容である。
主人公は高校生、ちょっと付き合った女の子がある日自殺してしまう。で、その原因を探る話。
……って、「風少女」じゃんww
主人公も造形も似てる。クールを気取っているというか、ヘンクツというか。でも「林檎の木の道」は、まず強力な母親の存在にあてられるので、そんなことどうでもいいや、って感じになるのである。
うん、主人公の母親と祖父にもっていかれてます。
一緒に謎をさぐる女友達も、樋口有介らしいヒロインなんだけど、母親に負けてます。つか、自殺した子も結構強烈なキャラなんだけど、負けてます。
ま、この存在がないと、「風少女」とそっくりじゃんと烈しくつっこみをいれたくなるんだけどね。
とりあえず、死人が少ないのがいい。
でもって、謎を解いたからといって、何もかもが解決するわけじゃないところがいいの。
主人公がちょっと大人な分、私は「風少女」の方がいいなと思うんだけどね。
続けて読んでしまうと、ちょっと残念かも。
うん、同じように樋口有介、コンプリートするぞぉと思ってる方、未読なら「風少女」と「林檎の木の道」は続けて読むのはやめましょうww
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樋口有介のエッセンスを詰め込んだような作品。ミステリ部分のつまらなさと幼稚園の同級生という繋がりの弱さがなければ、代表作たりえたのでは。
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十七歳の暑く単調な夏休み、広田悦至は元恋人の由実果が、千葉の海で自殺したことを知る。事件の日、渋谷からの彼女の呼び出しを断っていた悦至。渋谷にいた彼女がなぜ千葉で自殺を?再会した幼なじみの涼子とともに事件を調べ始めると、自分たちの知らなかった由実果の姿が、次第に明らかになってくる―。悲しくも、爽やかな夏の日々の描写が秀逸な、青春ミステリの傑作。
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主人公の少年のクールさと暑さが不器用に混在しているところ、淡々としているのに妙にストーリーとマッチする風景描写、登場する勝気な少女の存在感、もの悲しい事件の真相など、樋口作品の魅力が十二分に堪能できる作品でした。
今まで読んだ彼の作品の中でNo.1かも。
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暑い夏の最中の物語なのでこのあっついなかに読むと何となく臨場感がありました。
ただあまり私は好きな話でではなかったです。
登場人物に苦手なタイプが多すぎでした。
主人公は語り手なのでまあ仕方ないのですが何の根拠もなくヒトを
人殺し呼ばわりするヒロイン(あれ、何か意味があったのかと最後まで気にしてたのですが特に理由があってそう言ったわけではなさそうですね)とか、子供に自分が食べる分だけの料理を作らせる母親(卵が2個しかなくても自分の卵焼きは卵二個使用で息子に調理させるってのが理解不能)とか、自分のことしか考えない被害者とか。正直、殺されて当たり前、とは言いたくありませんが…ゲームって…。これほど同情しづらい被害者も初めてでした。
個人的には涼子さんと被害者の女の子って実はそれほど仲良く無かったんじゃない?とか思いながら読んでました。
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樋口センセの作品には夏が似合う〜読んでいて暑さがジリジリと伝わってきます。でも、この暑さとは正反対に主人公の男子は妙〜に冷めている 夏の暑ささえ遠くから見ているような距離感が読んでいて心地よかったりするんです。 悦至くん、どうかそのまますくすく大きくなって立派なハードボイルドおやじになってね〜
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終わってみればトリックは単純。確かに伏線が用意されており、どんでん返しがそこに繋がっていたが、期待ほどのインパクトはなかった。作者の特徴である季節感もなぜかいつもほど伝わってこなかった。炎天下の中で穴を掘ると言う行為に共感が持てなかったからか。登場人物も今一つ。ただバナナ研究者の母親と言うキャラクターが忘れがたい印象を残してくれた。
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図書館の本
内容(「BOOK」データベースより)
十七歳の暑く単調な夏休み、広田悦至は元恋人の由実果が、千葉の海で自殺したことを知る。事件の日、渋谷からの彼女の呼び出しを断っていた悦至。渋谷にいた彼女がなぜ千葉で自殺を?再会した幼なじみの涼子とともに事件を調べ始めると、自分たちの知らなかった由実果の姿が、次第に明らかになってくる―。悲しくも、爽やかな夏の日々の描写が秀逸な、青春ミステリの傑作。
みんな淡々と飄々と生きていて、それがとても面白い。お母さんとかマツブチのスピンオフを期待してしまうくらい、回りの登場人物がおもしろい。
バナナは世界を救うのか?
それより、飄々としつつ、しっかり高校生男子の悦至がとてもいいかんじ。
それにしてもこの作者が書く「おじいちゃん」って好きだわ。
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テンポが良くて読み易いですし、キャラクターも良く描けていると思いますが、著者の作品群で似たような設定が幾つもあるので、二番煎じといった感じが否めません。
また、全体的にミステリー要素がやや弱いので、もう少し補完して欲しかったです。
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例によって(^ ^;
韜晦した高校生男子が主人公(^ ^;
この作品は、一つ前に読んだ「雨の匂い」とは違い、
読み始めて「すぐ事件が起きる」(^ ^;
しかも、元カノから『渋谷にいるから出てこい』
と誘われて、面倒くさいのでそれを断ったら、
翌日その元カノが自殺したと知らされる、
というショッキングなスタート。
顔を出した通夜で、知らない女子から投げかけられる
思いがけない呪詛の言葉。
当人は全く身に覚えがない。
...という、なかなかに引き込まれるオープニング(^ ^
結局主人公は、この「謎の少女」と組んで
元カノの死の真相を探り始める。
その結果浮かび上がってくる、意外な「裏の顔」や
複雑な人間関係、意外なつながり...
探偵としては、終盤に犯人を追い詰めるも、
そこからまた意外などんでん返しが(^ ^;
例によって詳しくは書けませんが(^ ^;
登場人物が、みな一癖も二癖もあり、
事件や謎解きがなくても展開が面白そう(^ ^
惜しむらくは、「雨の匂い」と同様
「これじゃ警察がアホ過ぎるぜ」と
ツッコみたくなることかな(^ ^;
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ピースが衝撃的だったのでファンになった作者の青春小説。バナナや屋上の池など世界観、タイトルの理由など全体的に少しモヤっとした作品。
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青春溢れるhard-boiled。
夏の気怠い暑さや、くっきりと鮮やかに彩られる風景を、感じられます。
そんな中で語られる、哀しく淋しい一つの事件。
そしてやっぱり、その背後で展開する、甘酸っぱいような爽やかさ。
登場するのは、とことん不自然極まりない人物たち。
けれど、何故か不思議と、ストンと納得して、リアリティを感じてしまう。
これが、樋口氏の話術の巧みさなのかなぁ、と思います。
なんて言うか、青春って、綺麗なものだけじゃないだろ?って作品です。
描かれがちなのは、遠い夏の日、その輝かしくも儚く過ぎ去った日々、って感じの物語。
樋口氏の描くのはそんな夢物語じゃなく、もっと身近な、どろどろした青春。
だからこそキラリと光る、ほんとに美しい一瞬の風景。
それを、瞬間的に切り取ってくれたかのような作品です。
無知で無謀で単純で、だからこそ、見えたものや感じたもの。
それを、一歩離れた場所から、coolに眺めているかのような。
それでいて、その場の「空気」を感じさせてくれるかのような。
読了後に残る、仄かな香り。
かつては、自分のその中にいたのだな、と思い出させてくれます。
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再読。
でも以前はそこまで面白いって感じなかったんだけどなー。
どこを面白く感じたのかって、主人公と女の子の軽妙洒脱な会話。
もちろん樋口有介センセの作品はそこが魅力のものが多いんだけど、今作のリズム感はその中においてでも白眉なのではないかと再読で感じた次第。
また、他作で米澤穂信センセが指摘されていた「主人公の臆病さ」というのも、これは逆に軽妙洒脱が過ぎるがゆえに強く表れているようにも感じた。
心の内を隠すために、言葉が多くなる…みたいな。
自分にはそうした主人公の気持ちが強まっているように感じられるところも、今回再読して面白いって思えたのかもなー。
あと今作はそれなりに推理ミステリの体裁を整えようとしたのかなーって印象も。
それが功を奏しているという意味では無く、ちょっとムリクリ感が浮かび出てしまったかなー…というマイナス面。
ギミックがね、ちょっと大味な感。
それでいてハウダニットを証明させようと、樋口センセらしからぬ主人公が強く探偵色を出しちゃってるかなー…て。
まあしかし、それでも樋口センセの「夏」らしい作品ではありましたなー。