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娼夫の話なので、もちろん性的な描写はあるのだが、それがメインというわけではない。
命の問題や、職業観についても考えさせられた。
前作『娼年』を読んでから間があいてしまい、物語の連続性をつかむことができなかった。
機会があればもう一度読み返してみたい。
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「娼年」の続編。
この本は、読者に読む前から死に向かう前兆を与える。
タイトルも「逝年」、季節の移り変わりの描写もそうである。
だから、よく前から読者である僕たちも「死」というものを覚悟しながらページをめくらなければならない。
石田衣良の代表作である「娼年」の続編であるが、主人公リョウの若者の危うさと成長を描く前作と違い、愛するものと永遠の別れを描く作品だ。
この死を巡る物語の中に散りばめられた「性」と「生」が逆に輝いて見える小説だ。
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娼年の続編。
文庫本になるのをだいぶ待っていました。エピローグだと思って読んだので、特段感想がある訳ではありませんが、静かに終わっていくお話だなぁと思いました。
石田衣良の小説は綺麗に終わるので読みやすいですね。
娼年が好きだった人はぜひ読んでください。
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美しい物語です。読んでいて優しい気持ちになる。現実がこうならいいのにと思う。でも、か、だからこそなのか、SEX場面はただただキレイ。HIV感染は出てくるけど、基本的に性病や妊娠の不安を感じられない、リアルとは程遠い、理想の世界。
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≪内容≫
ボーイズクラブで娼夫として働く主人公リョウ。仕事を通して知る人の欲望の深遠さ、そして彼をその道に導いた静香という女性の最期。
≪感想≫
高校生の頃に前作『娼年』を読み、それから5年以上経って電車の吊り広告で続編の文庫化を知り購入した。登場人物が皆懐かしく、当時と同じように夢中で読み耽ってしまった。
正しさ、常識、普通、モラルとはどこにあるのか、そもそも存在するのか。娼夫という仕事を題材に取り上げた前作、今作で一貫して描かれているテーマだと思う。特に人の欲望についてはその正解の無さ、あるいは答えの多様さに驚かされながらも、だからこそより深く知りたいと思ってしまう。そういった感覚が僕が主人公のリョウに感情移入してしまうポイントなのかもしれない。
死に直面してなお止むことのない性への欲望。互いに身体を重ねることで知る生の意味。続編としても一冊の小説としても、とても良くまとまっていると思う。
余談だが、男を魅力的に育て上げる女性の審美眼にはいつも感心させられる。成熟した女性が持つ魅力を含め、石田衣良はそういう視点からの描写が上手だなと思う。
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前作「娼年」もそうだったけど、読み始めたら一気に読まんと気が済まない感じです。今回は男と女の違いがポイントになる部分が出てきて、性別のことをこんなに真剣に考えたことなかったなと気づかされたし、いろんな切り口から人間の生き方を見つめることができる作品だと思います。
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『娼年』が出た頃はそのエロティックさに興味津々で読んだものだけど、その後、自分のなかでこの著者のメッキが剥がれたからやや惰性的に読んだもの。『娼年』の続編であり、AIDSやGIDのFTMなんて題材を中心に扱っている。最近、そういった領域を覗いてきた自分としては、どうもこういった題材が興味本位で扱われているような気がしながら読んだ。
もちろん、どのようなかたちであれ、AIDSやGIDといったものを抱えて生きている人がいることを知るのは、とりあえずは望ましいことなんだけれど、それをチャラチャラと描いているように思えてしまうのが、自分が今この著者に対して抱いている印象なんだろうな。
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「娼年」続編。アラフォー以上の年代の女性へのリスペクトと深い愛が感じられる艶やかで優しい描写が嬉しい。セックス描写で号泣したのは初めて。石田衣良の作品では今のところ「娼年」「逝年」の2冊セット読みがダントツでオススメです( ̄(工) ̄)泣きすぎてアタマ痛い。
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相変わらずの世界観。「娼年」をそんなに面白いとは思わんかったけど、なぜか続編買いたくなった。好きではないけど、こんなんもありやと思った。
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娼年の続編が出ていて迷わず購入。
GIDにHIVの話を放り込んできながら重すぎず、かといって軽すぎず。
僕なら…ということを思わず考えてしまう。
性行為の描写があるのに嫌らしくないのはなぜだろう?
やっぱりそれは肉体的な快楽だけではなく精神的快楽というかその行為によって得られるメンタル面の成長、その事の方が強く書かれているからと思う。
さらなる続編を読みたい気もするが骨壷のように静かに終わりない物語を見守りたい気もする。
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HIVに性同一性障害、「娼婦」という仕事…最後まで女性。うーん、いろいろ考えさせられる。そういう仕事はいろいろな偏見があるだろうけど。
人間の欲望ってすごく醜いものだと思ってた。今でも全くそういう気持ちがないわけじゃないけど、少し考えてしまうな。私も人間だから欲望がないわけじゃないけど、好きじゃない。
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息抜きにと久しぶりに石田衣良作品を読んでみた。前作『娼年』の続編であるということだったが、前作同様かなりエッチな内容で…。息が抜けすぎてしまった。
売春を通じて、熟年女性をとても美しく描写する作品。
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私が石田衣良さんを読みだしたのは
娼年がきっかけだったわけで
その続編である逝年は凄い
楽しみにしていたわけだけど・・・
娼年の世界観、描写がそのまま残ってて
凄く好きだったなぁ
やっぱり、描写が丁寧で、綺麗なんだよね
女子としては、男子に、まずは普通に
次は勉強として、読んで欲しいな(笑)
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娼年の続編。
40代になっても、
性同一性障害でも、
HIVでも、
すごく美しい。
そんな綺麗事ばかりの世の中ではないかもしれないけれど、
美を忘れたくはないと思った。
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娼年の続編。
やっぱ読んでるときの衝撃は前作に劣るけど、
読んだ後の慈しみやら愛しさやらの感情の動きは前作に勝る気がする。