不十分な点もあるが,戦前の歴史を公正にえがこうとしている
2011/07/14 22:12
8人中、7人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:Kana - この投稿者のレビュー一覧を見る
著者は若者が日本に誇りをもてないおおきな原因を東京裁判とそれにもとづく歴史教育にみている. だから,この本の大半の部分は著者がただしいとかんがえる戦前の歴史の記述にあてている. 「南京大虐殺」 の否定がおおきなポイントになっているが,すべてを日本に有利に解釈しているわけではない. 日本の国際連盟脱退に関しては,リットン調査団報告書の内容が妥当であるにもかかわらず,脱退したのはまちがいだったと書いている.
東京裁判や「南京大虐殺」などに関する議論の成果をとりいれて公正な判断をしようとしているところは評価できるが,まだ根拠が不十分な記述もところどころにみられる. 読者は注意ぶかく読むべきだろう. しかし,あやまりをただすのは歴史の専門家でない著者ではなくて,歴史家がはたすべきやくわりだろう.
歴史観を正しく持つのも大事、だけど...
2011/07/01 08:57
7人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:のちもち - この投稿者のレビュー一覧を見る
大震災、原発事故という半年前には想像もしていなかった事態に立ち、私たちは何をしていけばいいのか、何ができるのか。一庶民である自分には直接的に何かを「変える」ことはできないけれども、偉そうに言うことをお許しいただければ、「今こそ、日本人の底力を」というマインドを持つことが第一だと思う。戦争をしらない世代だから、かもしれないけれど、アジア諸国の日本に対する態度(戦争に絡めた主張)と、それに対応する我が国の姿勢、これに違和感を感じているのは確か。「もう済んだ事じゃん」とは言えないまでも、あまりに「引きずる」のもどうかと思う。日本が受けた原爆投下に関して、アメリカに対する感情とあまりに異なるのに違和感を感じているのかもしれない。
震災後は、「日本、日本人のいいところ」を意識的にインプットしたくて、それと思われる内容の本を読んでいる。本書もそのひとつ。しかも震災後に書かれた本だし。内容に関しては、自分が感じている「隙間」を埋めてくれるものもあり、今は無関係かなあ、って思うものもあり。数学者である著者だが、ベストセラー『国家の品格』を書かれているように、こちら方面にもヒトコトある、そんな人です。本書は、主には第二次世界大戦を軸として、その経緯の中で、「ホントに日本だけが悪いのか」という点を説く。これにかなりのページ数を費やす。主題としては、この歴史観、世界観が日本人に植えつけられていることでアジア諸国に対して強気に出られない「体質」になってしまっている、ひいてはそれゆえに「下を向く」傾向に陥ってしまっている。少子化問題も、学力低下も、すべてこの根源を見直さない限り、対症療法的な「法制度」レベルでは変わんないよ...という「広範囲」です。
著者独特の文調で、(当戦争における)中国、アメリカの謀略、それに対する強烈な批判、これらによって成り立っています。敢えて「強い」批判にしているのは、それによって「日本は、自分たちが考えているほど(教えられてきたほど)悪者ではないんだ」ということを印象づけるため、かもしれない。
戦争に対する記述は、正直なところ、これまであまり考えることすらなかった点で、偶然とはいえ、その知識が得られたのはプラス。一番欲しかった「日本人の誇り」を感じること、については、戦争とそれによる意識統制によって曲げられたものをただすことによって...という観点よりは、シンプルに「文化」とか「そもそも持っている意識」とか、そういう観念的なものを期待していたので、プラスとはならず。
最後の最後、欧米から「押し付けられた」個人主義の否定、「和」を尊ぶ日本古来の主義主張の大切さを説かれている。これには同意です。これを「元に戻す」、あるいは(日本人の得意ワザでもある)融合して日本固有のものにする、ことが大事かもしれない。それに戦争の「正しい」知識が必要なのはひとつの手法だよね。多分...天災、事故が起こっている今、なにか「変わる」きっかけになるかもしれない。なんかひとつにまとまる気がします。だって、もともと「和」を持っている日本人なのだから。
【ことば】...我が国は、真に誇るべき文明を育んだ国でした。それに絶大な誇りを持ってよいのです。
そう。どこにも劣ることのない、自信を持てる日本。自国を好きであること。これは大事なことだよね。サッカーの時だけじゃない、応援するし、前に進もう。「行き詰まり」とか「閉そく感」とか、使う言葉も選んだほうがいいよね。
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日本人はなぜ祖国への誇りを失ったのか?そして取り戻すための道筋とは何か?
"歴史を失った民が自国への誇りと自信を抱くことはありえない"と仰る藤原さん。本書では、日本文明にはじまり幕末の開国、昭和史に遡って、日本人のメンタリティーがどのように変化したのかを考えること、そして、学校では教わらなかった"語られざる事実"や歴史的認識のなかで改めて日本を客観的に見直す必要性を強調しています。
100年に一度の大不況、そして震災による国家的苦境に立たされた日本が再び立ち直るには、とことん原点にまで戻るとともに、浮き足立った改革ではなく、日本人としてのスタンダードを基礎から固め直し、堂々と国際社会に示す必要があるのでしょう。そんな原点とは何かを考えるに相応しい一冊です。
個人的には前作の方が好きですが、前半の近代史観などは相当センシティブな内容にもかかわらず、ジャーナリズムとしての勇気ある発信に拍手!勉強になりました!☆4つ。
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わたし日本大好きなんだけど、もっと好きになる人が増えてもいいんじゃないかな。
豊かさとか便利さって観点からじゃなく、民族性と云う意味で。
ナショナリズムと愛国精神って、ぜんぜん別物。
愛国精神のない人に住んでいて欲しくない。
誰が日本を守るの?
自分たちでしょう?
いつまで中国に謝り続けるんだ。
馬鹿馬鹿しい。
そんな風に思える。
あと、単にわたしはアメリカや中国、韓国が嫌いってのもあるけど。
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「国家の品格」の作者、藤原正彦氏の作品。「国家の品格」は読んでないけど好きだね、この考え方。
先の大戦を黒船来航から大東亜戦争の間の(本書では百年戦争といっている)少々の日本の非と大いなる欧米列強の非を述べている。日本人の「誇り」を取り戻すため、戦勝国のリンチに過ぎない東京裁判の判決を否定し、いまだ日本人が引きずっている「敗戦国」の呪縛から脱し、百年戦争で我々の祖父母が残した大殊勲を認識べきだと。確かに日本人ほど自虐的な国民はなかなかいないね。。。
ちょい、たかまる言葉
●真、善、美は同じ一つのものの三つの側面にすぎない。
●植民地住民を愚民化するのがアングロサクソンの常套手段。
・・・まぁアングロサクソンは百年戦略とか得意だからな。。。
●残念ながら日本人には、大局的視野に立って長期的戦略を組み立てる、という能力があまりありません。
・・・うーん、石原莞爾よ再び!
●他人を攻撃する際に自分が言われるともっとも痛い言葉を用いる。国家も同じ。
●「文明の聖なる使命」という美しい言葉で欧米列強は植民地保有を正当化した。
・・・アングロサクソンは、自分勝手な大義名分をつくるのが昔から得意なのね。
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日本の歴史観を再度考えさせられた。
日本には、日本人らしい国のあり方があるのではないか!
そう、再認識した
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国家の品格から始まり、藤原正彦先生の本は3冊ほど読んだ。
数学者でありながら、このような本を書けることには驚きを隠せない。
先生の国家観がよく分かる作品ではあるが、
もともと本書きではないためか、国家の品格と基本的には同じことが書いてある。
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色々と意見はあるだろうけど、私はこの考えを少なくとも半分は支持したい。
読んだ時に日本人としての誇りを持てたのが、その根拠です。
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日本人としての誇りを認識できる一冊です。しかし、内容の大部分は歴史叙述であるため藤原氏の言いたいことがなんだったのか、日本人の誇りを再認識することか、自らの歴史観を世に提起したかったのか。
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脱・東京裁判史とか自虐史観修正の話になると、やたら「拳を振り上げたトーン」の言説が多いのだけど、藤原正彦の語り口は常に優しい。
その優しさの裏には、冷徹な国際政治の現実を踏まえた諦観にも似たクールな視点がある。
この人自身が満州で生まれて、敗戦後は壮絶な逃避行で日本に帰ってきている。そのエピソードを母親の藤原ていさんが書いたのが「流れる星は生きている」。
山川の教科書の日本史しかしらない優等生には是非読んでほしい。
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南京大虐殺は無かった。アメリカは中国進出の邪魔になる日本をはめる為に ワザと真珠湾攻撃をさせた。アメリカは広島、長崎の原爆投下 一般市民への無差別爆撃など卑劣な戦争遂行作戦を覆い隠し、全ての罪を日本国軍人と政治家に負わせ、不公平、不公正な極東軍事裁判で連合軍がわだけの論理で裁いた。そしてそれを今でも正しいものとして日本人の教育システムを変えてでも信じさせている。
いろいろ問題はあるが、近代から続いていた列強の帝国主義を有色人種として打ち砕いたのは日本である。その意味においてアジア、アフリカで独立国が戦後多く生まれさせたその意義は大きい。
以上のような藤原氏の説は、シンプルで一見分かりやすいが、本当だろうか?南京大虐殺については今後慎重に事実を確認して見たいと思う。
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読んでいて自虐史観の近代日本史を学んだ身としては、本当の事なのだろうか?、と訝しんでしまう。それだけ洗脳の度合いが強いという事なんだろう。太平洋戦争の話以外は本当に共感出来るし日本人として誇りに思える話ばかりだった。
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日本人の誇りを取り戻すことのできる本でした。独立自尊。和の心を大切にする。日本人としての強みを生かせばまだまだ世界に相手に戦えるという事を認識できる本でした!
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本のほとんどが東京裁判と戦前の日本の軍事行動について言及している。日本の行動は間違っていなかったとは言わないが、やむを得なかったもので、必要以上に曲げられて伝えられている。それはアメリカの政治的な意図によるものであったり、中国の宣伝力によるものだったりする。日本人は必要以上に恥じたり、卑屈になったりする必要はない。江戸時代まで築いてきた独自の文化を誇りに思うべきである。
まさに目からウロコの一冊である。
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思ったよりも歴史の記述の部分が多くてびっくりした。
筆者の考えは今までの著作とほぼ変わらないと思うけど、
より歴史に沿って話が具体化されていて説得力が増していた。
私もこれ読んで少しは日本と言う国に誇りを持てるようになれたかなぁ。