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『森崎書店の日々』を読んで大好きになった人達との再会。(1日も経ってないけれど…)
ルンルン気分で読み始めたのに最後はボロボロ泣いてしまった。
どうしようもなく悲しくて、でもそれでも大好きな人の優しい気持ちに触れて流れるあったかい涙だったのが救い。
一緒に時間を重ねること、年を取ることは、喜びと同じくらい悲しみがあるんだということを思い出さなくてはならなかった。
相手のことを一つ一つ知っていく幸せは何にも代え難いけど、その幸せな時間は相手といつか別れなければいけない日も運んでくるなんて想像もしたくない。
だからいつもは都合よく嫌なことだけ忘れているんだ。
知らないふりをしている。
でも、その日が目の前に迫ってきたら、相手に何をしてあげられるか。何を残してあげられるか。
心の準備を少しずつしておく方がいいのか。
それとも一緒にいられる間はただ幸せを感じている方がいいのか。
どっちなんだろう…。
ただ一つ思うのは、大好きな人には大好きだよって気持ちをいつも伝えていたいということ。
きっと思い出すのは、一緒に悩んだり笑いあったりした時間だと思うから、そんな時間を一秒でも多く過ごしたい。
自分のために、はたまた相手のために。
とりあえず今はまだ一緒にいられる。
その幸せに感謝して、あまり悲観せず、でもやっぱり大切に日々を過ごしていきたい。
そう思った。
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前作『森崎書店の日々』だけでは足りなくて、『続・森崎書店の日々』を読み終わって、ようやく登場人物との距離が縮まった気がした。
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割と好きだなあと思ってたら、続編があったのでお買い上げ。前回から3年後のお話。はじめは淡々としていたけど、後半は思わずホロリな場面も。しかし、読後感はよかったので☆4つ。
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内容的には前作のほうが好きでした。
今作もほのぼの感はいいんですが、前作が印象に残りすぎてるのかなぁ。
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DVDを観て前作を読んで続編という順番。
この続篇が一番良かった。
最後の方は、まあ、よくある展開だったりするんだけど、
実は泣きそうになってしまった。
おそらく、言葉遣いとか舞台全体が醸し出す雰囲気が
いいのだと思う。
世の中に「ステキな文章」というのが無数にあるんだろうけど、
自分が実際に読むことができる量には限界があって…。
でも、少しでも多く触れたいと思って、いろんな本を読もうと
している。そんな主人公貴子の気持ちがすごくよくわかる。
まして舞台は古書店。何十年も前の人がその本を手に取って
何かしらの想いを感じたわけで、その数えきれない様々な想いが
古書店のカビ臭い空気のなかに漂っているんだと思う。
その古書店にいるだけで、暖かい気持ちになるんだろうな。
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「森崎書店の日々」の続篇。
一作目でもった好感をそのままに、といった感じで
読み進められたのだけど、後半に入って雲行きあやしく…。
というのも、桃子さんが病床で貴子にするお願いが、
まんま「あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。」で…。
奥付を見ると初版発行が2011年12月11日。
「あの花」がテレビ放送されてたのは2011年の4〜6月期。
だからなんだというわけではないけれど、
「あの花」をまず知っていて、この展開なのでやや興ざめ。
よくある話、なのかもしれないけれど…。
一作目の雰囲気が好きなので、やや残念だったなって。
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続編は、とても悲しいことが待っていたけれど、うれしいことや素敵なことも詰まっていた。
私はこっちのほうが好きだなあ。
人とうまく馴染めない人たちが、たくさんの悲しみや喜びの涙を流して、心をほぐされていく。
私も、心のままに泣ける日が来るだろうか。
あ、古本の扱われ方もこちらの方が素敵でした。
読後感ほっこりでした(^-^)
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続編ですが、貴子の存在が若干薄くなっている感じがしました。でもこんなに駆け足しなくてもいいような気がします。
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神田は神保町の古本屋を舞台に、失意の渦中にある主人公が様々な本と周りの人々の触れ合いの中でやがて失った自分自身を取り戻してゆくハート・ウォーミングストーリー『森崎書店の日々』の続編。
初作の舞台から1年が経ち、登場人物達もそれぞれの生活に勤しんでいる様子が優しい視点で描かれ、主人公の貴子の恋愛話あり、叔父のサトルへの人情話ありでストーリーは進んでゆく。
前作が600字ほどの文学賞応募作品故の「あらすじ」で有ったため描きこみ不足の感が拭えなかった前作を「プロローグ」として位置づけ、今作で丹念に描き込んだ「続編にして完全版」とする構成が上手い。貴子に恋人が出来、日々の出来事に揺れる心情や老舗喫茶店「すぼうる」の厨房で働く極度の人見知り青年の高野とトモコとの仲を描く事で、貴子自身の恋愛観を再考するきっかけを得たり、読んでいる文学書を「人生の指南書」に絡めるところなど、作者は初作で描きたかったであろうシークエンスを「これでもか!」と書き込む様子は処女作『森崎書店の日々』への深い愛情が読み取れる。
核を成すストーリーは、前作のボーナスストーリーとして収録された「桃子さんの帰還」で≪主役≫を務めた貴子の叔母、森崎桃子の生涯を綴ったもので、前作からのミステリーな部分である、なぜ失踪したのか?なぜ戻ってきたのか?という答えをクライマックスに据え、叔父サトルとの夫婦愛と桃子の生き方は、恋人を得て人間として成長した貴子の≪これから≫である「女性としての人生観」にやさしく、切なく、そして何よりも大きく影響を与える。
全編を通して「昭和な」ストーリーは、「良き頃のホームドラマ」のテイストであり、映画でいえば山田洋二監督作品。ベタである。『人情もの』の基本に忠実なベタさ。しかし基本に忠実に、新しいストーリーを構築することほど難しいものはない。
流行りの作品群から見れば、何気ない日常を綴っているだけと見える向きもあるが、実はその中にこそ真のドラマが有り、淡々と進む事象ゆえにリアリティーがあると筆者の綴る文字は語る。話題性重視の「派手さ優先」作品ばかりの昨今では、貴重な作品といえるだろう。
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悲しみから逃げようとしないで、そんなときはいっぱい泣いて、悲しみと一緒に前へ進んでいけばいいのよ。それが生きるってことなんだから。
という桃子さんの言葉が心に残った。
亡くなる人を見送る方が辛いなあって思った。
2014/06/12
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本の街・神保町で近代文学を扱う古書店「森崎書店」。叔父のサトルが経営するこの店は二年前失意に沈んでいた貴子の心を癒してくれた場所だ。いまでは一時期出奔していた妻の桃子も店を手伝うようになり、貴子も休みの日のたび顔を見せていた。店で知り合った和田との交際も順調に進んでいたが、ある日、貴子は彼が喫茶店で昔の恋人と会っているのを目撃してしまう。一方、病後の桃子を労う様子のない叔父を目にし、貴子は夫婦での温泉旅行を手配するが、戻って来てから叔父の様子はどこかおかしくて…。書店を舞台に、やさしく温かな日々を綴った希望の物語。映画化された「ちよだ文学賞」大賞受賞作品の続編小説。
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前作からの懸案事項で、良かったことあり、悪かったことありの続編である。なんといっても桃子さんが再発した癌に命を持って行かれてしまったことがいちばんの悲しみであり、魂が抜けたようになった叔父の姿も見ていられない。だがそれもいつの日か乗り越えていけるのだと思わせてくれたので、総じて良いことが多かったとも言えるだろう。ただ、前作でも感じたことだが、文体がすでにある何かを思い出させられるようで、それが前作よりもより強く感じられたのが残念な気もするのである。ちょっと神保町をふらふらしたくなるシリーズである。
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前作は読んでいなくて映画を観ただけだったけど、すんなりと入り込めました。
貴子が成長してて、なんだか嬉しかったです。
森崎書店を取り巻く人々は相変わらずだったり、新たな一歩を踏み出したり。
桃子さんの存在が大きかっただけに、
サトル叔父さんも貴子もしばらくは辛そうだったけど、
あの帳簿は、すごく感動した!
すべてを見透かしているような桃子さん。
愛を感じました。
そして本当に素敵な人だなーと思った。
(続)も映画になるといいなー。
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前作よりも、うねりのある内容。
叔父の妻、桃子さんの死が後半に押し寄せる。
これほどまでに、大切だと思える人に出会えた
サトルと桃子が羨ましい。
大切な人の死を乗り越えるというよりは
抱きしめて受けとめる。
さらりとしているようで、とても奥深い作品だと思った。
そして、やはり古書店は魅力的。
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読む前から予感はありましたが、胸がギュッと締め付けられる、涙なしには読めない続編でした。
古書店を舞台にしたこの作品の主人公は、本当に普通な(時には失恋をしたり、落ち込んだり、また恋をしたりする)女性で、何かドラマチックな事件が起こるわけではないです。
でも、普通に私たちが生きている中で、おいしいご飯を食べること、本を読むこと、大好きな人たちと会話をすること、そして誰もが避けて通れない大切な人を見送ることといった、日常に寄り添った出来ごとを丁寧に描いていて、それがふいにぐっと心に響くのです。
生きていてうまくいかないこともあるし、やさぐれたくなる時もあるけど、本書全体に漂う、大きな喪失体験をしたからこそわかる日常の有り難さ、尊さみたいなものに思わずはっとさせられ、日々の暮らしを大切にしようと改めて思えます。
祖母を亡くしてから特に、会いたい人にもう会えない、という、心に穴が空くような寂しさを覚えることがありますが、きっとこの先もそうした喪失体験を繰り返しながら人は生きていくんだと思います。
それでも、ちゃんといつかは前に進んでいける、という希望を本書は見せてくれました。
それから、本についての豆知識も楽しく、初めて名前を知った織田作之助の『競馬』や稲垣足穂の『一千一秒物語』など興味惹かれて、手帳にしっかり書き留めておきました。
作中では結ばれなかったけど、トモちゃんと高野くんの未来も明るい感じがして、ちょっと嬉しい。
とはいえ、一番心に残ったのは、サトルさんと桃子さんの強い絆。二人共不器用だけど、こんな風に人を想えることはすごく素敵なことだなと、思い返してもまだ胸がじんとします。
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文章の巧みさや美しさはないのかもしれない。そういう技術面を求める人にとっては、いささか物足りない本だと思う。
ただ、純粋に物語が美しい。そして愛おしい。本を、そしてそれに関わる人々を愛する人にとっては、とても魅力ある物語だと思う。
文章も、言い方を変えると「平易で読みやすいもの」で軽く読めるのでオススメ。
初版本だったが、P.174「醒めた人間」というのはどう考えても誤字だと思う。わざわざルビが振ってあるけど、ルビを振る時に校正の人は気付かなかったのかなあ。でもあと100年ぐらいしたら、手元にあるこの本にも価値が生まれるのかしら。ひょっとして、私が死んでからこの本が神保町で取引されてるかもしれない。そう考えると単なる誤字にも面白さを感じるよね。