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社会で生きるとはどういうことかー働く意味や人とのかかわりについて考えさせられました。中高で行われているキャリア教育について、どういうことを伝えていけばよいのか…ヒントになりました。
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社会のあり方によって、個人と社会のかかわりかた内容もかわる。個人のせいにし、諦めてしまいがちな若者に「社会人」として生きることを説いている本。
民主主義、人とのつながり、教育など様々なところに関係があり学ぶところは多かったが、その分論点がわからなくなる箇所も多かった。教育の章では日本の教育について批判してみたり、存在を受け容れる必要性を説いてみたり、、、という感じ。
批判精神にあふれているけど、明確な解決策はなく、個人が社会を変えるため動き始めること、目的達成のための人間関係を作ることというざっくりとした示唆で終わっている印象。
正しいことを言っているのはよくわかるのだけど。
悟り世代と呼ばれる世代だけど、悟ってばかりではよくないなと思わされた。
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日本社会はこのままで良いのかと警鐘する著者の思いが詰まった一冊です。
教育学者の本田由紀、フリーター・ニート問題に詳しい玄田有史を足して二で割った感じでしょうか。「日本社会」といった漠然とした分野を扱っていますので、上2名の著書を併せて読むと、更に理解が深まると思います。また、西條剛央『人を助けるすんごい仕組み』が実践的でタイムリーなので、本書に共感された方には強くオススメします。
読んでいると暗い気持ちになりますが、何とかしなくてはと思います。最後は社会人の力を希望にして締め括っているので、読後感はちょっと希望的観測で満たされます。
大概、人生において完全に自己責任と言えるようなものは少なく、それを『お前が悪いからだ!』と責められても、『いや、ただ生まれてくる時代が悪かった』と言われれば一言もありません。この例は極端ですが、自己の能力ではどうしようもないことだって沢山あるわけで、それを全部他人のせいにするのは良くないですが、少しくらい斟酌したって良いじゃないかと思うんです。
利己に走らず、利他的にもなりすぎず、均衡を保っていけば、もっと良く生活できると思います。
社会全体に余裕がなくなってきていて、他人に構ってあげられる余力も小さくなっている時代。ジリ貧は目に見えているのに、目先の問題ばかりに焦点を向ける昨今の政治には閉口します。もう数十年まえから少子高齢化社会は予見されていたのに、全く改善される兆しはありません。どうせジリ貧なのは分かりきっているので、無理矢理余裕をもった行動なり施策を行わなければなりません。
いっそのこと、『一日一善法案』みたいなものを作った方が良いかもしれません……他人に対して一善を行う、みたいな(笑)。
他人とのつながりはもちろん大切なのですが、同時に考えなければならないのは、『絆(きずな)=絆(ほだ)し』という事です。情に絆される、という慣用句にあるように、束縛するという側面もあります。
それに嫌気が差して、日本の伝統的な文化(親戚付き合い、お中元・お歳暮、年賀状等、集団における個人の役割等)を放擲して、自由を求める(プライベートを充実させたり干渉を無くしたり、お節介が行き過ぎた行為に捉える等)、そして東日本大震災によって「絆」が再び注目されるようになっています。
この変遷を抜きにして社会は語れないと思います。
この議論は、山岸俊男『安心社会から信頼社会へ』で有意義な見解が述べられているので、興味のある人は是非とも読んでほしいです。
本書では、社会人と民主主義を結び付けていますが、所謂政治力が高ければ民主主義は高まらないし、大衆は政治に関心を持たなくなるでしょう(良い意味で)。僕はそれが理想だと思います。つまり、民意を反映していなかったり、横暴な振る舞いがあるからこそ民主主義や討論が活発になるわけで、大衆が『政治?そんなの、政治家に任せておけば大丈夫だよ』と他意無く言えるようになるといいなと思うんです。まぁ、現状の日本は政治が腐り過ぎて大衆も政治に関心が無くなるという悪循環に陥っていますが。
最近は話題にならなくなってい��すが、豊かさと引き換えに失ったものを、もう一度考え直さないといけないと思います。そのための一冊としては最適なものに仕上がっていると感じました。
僕の評価はA-にします。
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この人の本はいつも、論旨明解だ。
歯切れがいい。
意志がある。
なので、というか、
しかし、と言うべきか、
私には、
長時間、この人の言葉を
浴び続けていることがむずかしい。
長く続けて読むことができず、
漫々と、
置いては読み、
読んではまたやめて、
いつも積ん読になってしまいます。
生き方 人生の眺め方
価値の付け方
人生を長く生きてきた人の
言葉の重みなのかな。と思います。
そしてこの本もまた積ん読。漫々と読みます。
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昔は社会に無理にでも属さなければ生きていけなかった。でもいまは生産性が向上し、個人としても生きていけるようになったが故に、社会とのつながりに無関心な人が多い。
筆者の主張は確かにそうだと思うけど、肝心な「ではどうしたらいいか」が曖昧。
大雑把に言うと、利益追求の考えに走るのではなく、想像力を持って社会の一員として生きよ。
主張は確かにそうだが、現代でより想像力を持ってみんなが生きていくためにはどうすれば良いかを具体的に言って欲しかった。
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古本屋にて、タイトルに惹かれて買った本です。社会人として働いている今、社会人について考えてみることが有益だと思ったからです。結果、見込み違いでした。
読み進めて行くのが思いの外、大変でした。というのは、「社会人」に係る筆者の定義「社会の一員として社会をともに作り上げていく個人」と、実際の社会人の一般的イメージ(学校を卒業して働いている人といったところでしょうか?)がどうしても自分の中で符合しなかったからです。そのような中で、例えば原子力発電への反対や官製ワーキングプアへの批判について記述している意味がつかめなかったということもあります。
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非常に読み応えのある本でした。
理想論ではなく、地に足がついた視点で問題提起と解決策へのヒントが述べられています。
人間は社会的つながりの中でこそ生きる意味と幸せを見出すことができる。それに沿った社会であるべきである。ということを改めて実感させられた。