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今後米国経済は復活し、ドルは上昇する。欧州もECBの対応やESM発足で底はつけたとのこと。相場には日柄が大事という点は賛成。休日も日柄に入ってくるという分析はあまり聞かないが、筆者の長年の研究の結果なので説得力あり。
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為替や会社の株価の動向は、基本的には国や企業の実力が反映されていると思いますので、チャートの形で決まるという若林氏の考え方は完全には理解できないのですが、10数年以上前に円安が進んでいる時期に、いずれ円高になって1995年の記録を塗り替えることになると本で書かれていたのが印象的で、この本は今年初めて読破した本となりました。
今年や来年(2014)辺りに転換点があり、日本株式は上昇、為替相場は円安へ、ゴールドは基本的には上昇だが暴落の可能性もあり、という結論のようです。少なくともこの20年間は、何もせず預金をするのが一番良い資産運用方法のようでしたが、これから動きはあるのでしょうか、今後が楽しみですね。
また、個人的に興味が持てたのは、終戦後になぜ、新円切替+預金封鎖が行われたかの解説(国の債務を切り捨てるために、企業への補償打ち切り、その企業へ貸し付けてきた金融機関の債権放棄)がなされていた点(p71)でした。
以下は気になったポイントです。
・過去を振り返ってみて、日本経済が経験したデフレは近代経済の仲間入りをして120年になるが、3回であとは基本的にインフレ、3回合計しても19年あまり、アメリカは230年中で50年程度(p16)
・経済の体温を測るものは、株価・金利・為替レート等があるが、いずれも「デフレの時間」は過ぎていて、今のマーケットはこれまでの慣性で形成されているのみ(p17)
・株式相場からくる最大のデフレ波は、2009年(バブル天井から19年目につけた7000円)で終わっている(p23)
・為替は、2007年6月の124円から19四半期たった 76円(2012.2)が円高の終わり(p34)
・1983年に国債残高100兆円が突破(GDP:308兆円)したときに、国債価格暴落、円相場暴落、外国人による日本株売りが警告されているが、2012年でもまだ達成されていない、事実は、90→114円、235→80円、外国人持ち株率:7→24%(p40)
・デフレ下では、投資は原理的に失敗するようにできている、物価が下落する=持っているだけでお金の価値が上がるので(p55)
・1995から2011年までの17年間の累積デフレは、18%、日本という国のシステムが低金利に慣れている(p62)
・10年モノの国債で0.8→2.5%まで金利が上がった場合、143→130円に下落(9%)、償還期限の加重平均は7年なので、価格下落の打撃は6-7%程度(p63)
・財務省がなぜ巨額の外貨準備(1兆ドル)を持っているか、それはインフレ対策(p69)
・戦後の悪性インフレを克服するために、1)国の債務の切り捨て、昭和21.7に戦時補償(政府が企業に負っていた債務免除)、2)その企業には金融機関も債権放棄、3)金融機関には封鎖預金(新円切替+預金封鎖)を切り捨てることで預金債務を免除(p71)
・円が暴落するには、円を持っている人が円を売る、という行為が必要、日本人以外で円を持っている人は、2012.9で81兆円程度(p76)
・2015年から日本株の上昇相場が開始するのは、とくに誰が買うわけでもなく、相場が上がり始める日柄にあるということ、何か買いの材料が出るわけではない(p85)
・1965年は昭和40年不況と言われた年、その1965年から50年目が2015年(p88)
・2015年の春に向けて、120-130円に向けての大幅円安となる(p101)
・米国経済が日本化しない決定材料は、アメリカのインフレ率が2%をキープしていること、つまりFRBのゼロ金利が、-2%の実質金利を実現している、日本はインフレ率がマイナスなので、実質金利は+1%であり投資行動が起きにくい(p111)
・米国家計部門の債務圧縮はそろそろ峠を越えて、2008年以来消費者信用や家計の負債が2012年から前年比プラスに転じ始めている(p121)
・近未来で重要日柄が集中するのは、2013年7月、第恐慌の底値から81年目等(p125)
・1990年労働年齢人口を100とすると、2030年に米国は132、日本の80、欧州96、中国128よりも有利、2050年まで増え続ける(p130)
・米国経済を初期化するゲーム・チェンジャーは、シェールガス・オイル革命である(p133)
・ペンシルバニア州は、米国製造業の墓場といわれてきたが、現在は天然ガスの産地であることが注目されて、内外の巨大企業の化学工場の進出が相次いでいる(p135)
・高い失業率にもかかわらず再選されたオバマの使命は、中産階級の復権である(p146)
・為替は85円を発射台とすると、36円を加えた2015年1-3月の121円辺りが目標値(p165)
・ゴールドは、25年サイクルがあり、それには3つのサブサイクル(8年)、それはさらに2-3のサブサイクルに分かれる、相場が1800ドルを超えてきたら、2100ドル、1522ドルを切るとさらに下落する可能性あり(p179)
2013年1月3日作成
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読んでいる最中ですが。
本棚をみたら、過去にも結構著者の本を読んでいることがわかった(;´Д`A。
過去の本は印象に残っていないが、今回は現在の状況に照らしてどんぴしゃなタイミングでの出版だと思う。年頭に当たり必読の書だと思う。
【読了】近いうちにもう一度読み直し予定。
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読んだ後のすっきり感が半端ない。さすがに2007年時に当時のドル円124円台の時に2011年に75円になると予言した方!
「円安になる理由も『円高が終わったから』というのがいちばん簡単にして要を得た答え」(p101)というのも黄金分割理論があってこその言葉だが、面白い。
金融に興味がなくとも、年月による黄金分割理論はプライベートにも活かせるかもしれないなぁと思う。
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一物一価が成り立つとき、国内でも海外でも同じ商品は同じ価格で取引されるので、二国間の為替相場は二国間の同じ商品を同じ価格にするように動き、均衝相場である 資産買い入れ基金の増額や、金融機関の貸出増加を促す貸出支援基金の創設などの追加金融緩和策が取られた ガスの海外輸送は技術がむずかしく、コストもかかるから、天然ガスはその生産される大陸で消費されるのが最も効率的である 資本主義の世界において、貧富の差の是正は恐慌がその役割を担ってきた 相場に黄金分割を適用する際のポイントとなる重要数字62、162、262、424、31、81、131、212