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投稿者:なつめ - この投稿者のレビュー一覧を見る
大東亜戦争の日本軍の組織的失敗と重ね合わせながら、現在の日本の問題を分析していて、わかりやすく理解できました。
国民的欠陥を克服できていない
2015/09/29 23:32
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投稿者:Michiyuki - この投稿者のレビュー一覧を見る
太平洋戦争等で旧日本軍が陥った失敗をつぶさに解説した「失敗の本質」。本書はこの本を解説した文字通りの入門書。近年刊行されたことから、昨今の日本企業の失敗とも絡めて解りやすく説明がなされている。
戦争の善悪は別として、何故旧日本軍が敗れたのか?コミュニケーション不全や過去の成功への執着、自ら大局作りができない点等が原因として挙げられる。残念ながら現在でも日本人、日本の組織、そして日本社会そのものがこれらの失敗要因を克服できずにいる。
戦後70年を経て、本当に反省すべき、歴史に学ぶべき点はそこではなかろうかと思う。
本書と「失敗の本質」原書を読み比べると、断然本書のほうが解りやすい。読むのに自信がない人、戦術的な話が苦手な人は、せめて本書だけでも読んでみて欲しい。
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何年か前に原書を読んだが100%腹に落ちていなかったのを思い知らされた。。。今の日本が、政治的にも経済的にいろいろな国に、してやられている理由が分かる気がする。日清、日露戦争、過去の成功体験から抜け出せない旧日本陸海軍と、戦後焼け野原の登場したイノベーター達の栄光にしがみついている我々が重なって見えてしまうのが悲しい。。。過去に学び過ちはここで止めねばと、しみじみ思う。原書とともに座右の書にすべし!
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『失敗の本質』の要約版。
大東亜戦争時の日本軍と米軍を比較・分析。七つの観点から、現代を生き残るための組織論を展開。
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「失敗の本質」読むのめんどくさかったから、この本が出てラッキー☆
自分の組織がうまくいっていないとき、何度も読み返そうと思う。
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戦争時代の失敗から現代社会に置き換えて学ぶべきことを綴っている。内容はいかにも日本人的という内容。アメリカと日本の考え方、行動の違いが各セクションで書かれている。
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戦略とは追いかける指標
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・勝利に繋がる指標をいかに選ぶかが戦略である。
・ゲームのルールを変えたものだけが勝つ
・ 成功体験が勝利を妨げる。 過去の成功体験にとらわれてはだめ。
・情報や正しい警告を受け入れなくとも、問題自体は消えることはないgroupthinkやサンクコストの心理的罠にどれだけ早く、方向転換できるかが組織の命運を決める。
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先の大戦で当初快進撃しながらも後半米国に圧倒された旧日本軍の体質が、現代日本の企業に受け継がれているという話。最前線の声を中枢が取り上げられず、一度うまくいった1つの方法に固執し敵がゲームのルールを変えても対応できず右往左往する日本軍。鍛錬で達人の域に達した日本軍に対して、研究により新しいルールを生みだし優位にたつ米軍。失敗の本質は国力の差ではないのだと。
なるほどなるほど。
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日本軍の失敗を例示して説明しているが、今の組織でもありうる話ばかりだった。読んでいる最中でも、同じようにぶつかったし。日本人だからということで片付けるのではなく、問題点にはぶつかっていかなければ、明るい未来は期待できないと感じた。
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名書「失敗の本質―日本軍の組織論的研究」分かり易く、23の項目に分類し、現在の日本企業に起こっていること旧日本軍の内容と比較し、アップルやマイクロソフトなどの成功企業の場合とも比較しながら、現在のことをからめて書いてあり、大変分かり易いです。
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名著「失敗の本質」を解説してビジネスに適用したらどう解釈するのかを記載した本。日本人の特定がよく表現されていて、納得できる。
では、どうしたらというのはこれをもとに読んだ個人で考えるべき、示唆に富んだ良書。
この本の中で、印象に残る部分
・戦略とは「目標達成につながる勝利」=「追いかけるべき指標」を選ぶこと
・日本人は先に戦略があるわけではなく体験学習で学んで効果のあった戦略を練磨する。(なぜ、その戦略が効果的だったのかの検証がないので、同じ戦略を続けて負ける)
・ゲームのルールを変えたものが勝つ
・イノベーションを作る3つのステップ(「既存の指標の発見」→「敵の指標の無効化」→「新指標で戦う」)
・リーダーが現場を見ずに、周囲の意見に耳を貸さず自身の判断で進めることで、負ける。
・日本人は勝利の本質(戦略)よりも型を優先しがち、本来は戦略があって型があるべき。(虎の巻を作りたがる→作っても本質ではない)
・人事は現場に対するメッセージ、賞罰をはっきりさせてこそ機能する。(アメリカでは優秀な人に仕事を集中させる。しかし、うまくローテーションさせ硬直を防いだ)
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基本、ビジネス本ってのは誰かの理論の焼直しの焼直し、結果が出てる例を並べて、あーだこーだ解説してるだけの、何の役に立たないものが多いので読まないけど、元となってる「失敗の本質」はいい本なので、どんなものかと読んでみた。
「失敗の本質」は太平洋戦争における帝国日本軍の敗戦を分析し、日本の組織における問題点を論じたもので、数年前に訪問したグループ会社の役員の人に勧められて読んでみた。訪問期間の間に読んで、その人と会社の組織について語りあったもの。本社の戦略があいまいで子会社は振り回されているのは、本書で語られている日本軍の様子となんら変わりないと、大本営を本社に、グループ会社を戦いの最前線に喩とえ、互いに改善点を探ったりした。そんなことで、日本における組織の在り方、ビジネス戦略を考えるうえでも非常にためになるのが「失敗の本質」。
この原本を、判りやすく解説、原本への入門になるということで書かれているが、結局は、あまたのビジネス本にありがちな、成功例を持ち出して、ここが日本と違うところ、こうしたから米国の企業は世界に覇を唱えているという、結果あっての解説ばかりを、「失敗の本質」の中で述べている例示に紐つけて語っているだけ。日本が、体験的学習による察知で「成功する戦略(新指標)を発見する」ことに長けているのは分かったし、アメリカや諸外国がルールそのものを変えて攻めてくることも周知のこと。“「日本人はリスク管理において、あのときからなにも変わっていない」。大変悲しいことですが、厳しく結論せざるを得ない”って、なとも情けないとりまとめで終わっており、日本人、日本組織が、その本質を変えることが難しく、諸外国の対応も当時と同じならば、その中でどう生き残っていくのかを示すのがコンサルの仕事だろう、と思うのだが、コンサルタントの本質もなんら変わることがないというのがよくわかる一冊。 原本のほうを読んでない人には、確かに入門にはなるかもしれないが、虎の威を借るようなタイトルで、時間を無駄にした。
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原書「失敗の本質」をよりわかりやすく、ポイントを抑えた本。戦争時代の日本軍、現代の日本の企業と共通する問題点を比較しなながら、説明されている。戦争と企業とは全く違うようだが、ナルホドと思える点が多々ある。
日本人は、一つのものを洗練する能力が高いが、それ故に、それを捨てて新しいものを生み出すイノベーションの能力がない。
今、家電メーカーがわけのわからないアロマ付きのテレビや、スマホのアプリと連動した家電を出すのは、こういった点があるのだろう。
AppleやMicrosoftのような企業が日本に無いのは、こういう理由があるからだろう。
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◇「戦略」とは追いかける指標
◇「戦略」とは、いかに「目標達成に
繫がる勝利を選ぶか考える事。
◇「イノベーション」とは新しい指標で戦う事。→同じ指標を追いかけるだけでは、いつか敗北
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この本の冒頭にあるとおり、原著は途中で投げ出してしまったのだが、さくさく読めた。原著にも再チャレンジしてみよう。
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自分の仕事のスタイルもかつての日本軍と同じようにひたすら練磨することだけに執着して、自己満足に陥っていないか考えさせられる。
以下、本文から要約、
1. 戦略とは、いかに「目標達成につながる勝利」を選ぶかを考えること。日本人は戦略と戦術を混同しやすいが、戦術で勝利しても、最終的な勝利には結び付かない
2. 勝利につながる「指標」をいかに選ぶかが戦略である。性能面や価格で一時的に勝利しても、より有利な指標が現れれば最終的な勝利にはつながらない
3. 意識せずに発見した「経験則による成功法則」で一時的に勝利しても、成功要因を把握できないと、長期的には必ず敗北する。指標を理解していない勝利は継続できない
4. 体験的学習や偶然による指標発見は、いずれ新しい指標(戦略)に敗れる。勝利体験を再現するだけではなく、さらに有効な指標を見つけることが大切。競合と同じ指標を追いかけても、いずれ敗北する
5. 日本は一つのアイデアを洗練させていく練磨の文化。しかし。閉塞感を打破するためには、ゲームのルールを変えるような、劇的な変化を起こす必要がある
6. 既存の枠組みを超えて「達人の努力を無効にする」革新型の組織は、「人」「技術」「技術の運用」の3つの創造的破壊により、ゲームのルールを根底から変えてしまう
7. ダブル・ループ学習で疑問符をフィードバックする仕組みを持つ。「部下が努力しないからダメだ!」と叱る前に問題の全体像をリーダーや組織が正確に把握しているか、再確認する必要がある
8. イノベーションとは、支配的な指標を差し替えられる「新しい指標」で戦うことである。同じ指標を追いかけるだけではいつか敗北する。家電の「単純な高性能・高価格」は既に世界市場の有効指標ではなくなった
9. 日本人は体験的な学習から過去いくつものイノベーションを成し遂げたが、計画的に設計されたイノベーションを想像するためには、既存の指標を見抜き、それを無効化する新しい指標をダブル・ループ学習で見出す必要がある
10. イノベーションは既存の戦略を破壊するために生み出されており、効果を失った指標を追い続けることは、他社のイノベーションの餌食となることを意味する。高性能とイノベーションは偶然重なることがあるが、本来は別の存在である
11. 日本軍と米軍の強みの違いが、大東亜戦争の推移と勝敗を決定した。「型の伝承」のみを行う日本の組織が「勝利の本質」を伝承できていないことで、強みを劣化・矮小化させて次世代に伝えている
12. 戦略を「以前の成功体験をコピー・拡大生産すること」であると誤認すれば、環境変化に対応できない精神状態に陥る。「型のみを伝承」することで、本来必要な勝利への変化を全否定する歪んだ集団になってしまう。常に「勝利の本質」を問い続けられる集団を目指すべき
13. 一人の個人が行うイノベーションさえも、組織の意識構造によって生み出されるか、潰されるかが左右される。「型の伝承」から離れ、「勝利の本質」を伝承する組織になること���始めて、所属するすべての人間が変化への勝利に邁進できる集団となる
14. あなたが「知らない」という理由だけで、現場にある能力を蔑視してはいけない。優れた点を現場に見つけたら自主性・独立性を尊重し、最大・最高の成果を挙げさせる
15. 米軍は作戦立案をする中央の作戦部員が、現場感覚と最前線の緊張感を常に失うことなく侵攻に邁進できた。現場の体験、情報を確実に中央にフィードバックし、目標達成の精度と速度をさらに高めていく仕組みをつくることが重要である
16. 厳しい課題に直面したら、「お飾り人事」を徹底排除し、課題と配置人材の最適化を図ること。能力のない人物を社内の要職に放置すれば、競合企業を有利にさせる以外の効能はない
17. 組織の階層を伝ってトップに届く情報は、フィルタリングされ担当者の恣意的な脚色、都合のいい部分などが協調されていることが多い。問題意識の強さから、優れたアンテナを持つトップは、激戦地(利益の最前線)を常に自らの目と耳で確認すべき
18. 愚かなリーダーは「自分が認識できる限界」を組織の限界にしてしまう。逆に卓越したリーダーは、組織全体が持っている可能性を無現に引き出し活用する
19. 「間違った勝利の条件」を組織に強要するリーダーは集団に混乱を招き、惨めな敗北を誘発させているだけである。求める勝利を得るためには、「正しい勝利の条件」としての因果関係に、繊細かつ最大限の注意を払うべきである
20. 「居心地の良さ」とは正反対の、成果を獲得するための緊張感、使命感、危機感を維持できる「不均衡を生みだす」組織が生き残る。指揮を執る人間には「見たくない問題を解決する覚悟の強さ」が何より要求される
21. 「空気」とは体験的学習による連想イメージを使い、合理的な議論を行わせずに、問題の全体像を一つの正論から染め上げてしまう効果を持つ。議論の「影響比率」を明確にし、意図的な「空気の醸成」が導く誤認を打ち破る知恵を身につけるべし
22. 情報や正しい警告を受け入れなくとも、問題自体は消えることはない。グループ・シンクやサンク・コストの心理的罠にどれだけ早く気付き、方向転換できるかが組織の命運を決める
23. リスクは「目を背けるもの」でも「隠す」ものでもなく、周知させることで具体的に管理されるべきもの。ビジネスでは、リスクを「かわす」のではなく、徹底して管理しなければ、存続していくこと自体が難しくなる