未収録作品とな?
2012/09/05 22:25
7人中、7人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:しんこのすけ - この投稿者のレビュー一覧を見る
文庫・単行本未収録作品、ということで期待大で購入しました。
正直な感想を申しますと、平安を舞台にした作品「月の輝く夜に」&「ざ・ちぇんじ!」に現代物「少女小説家を殺せ!」&「クララ白書番外編・お姉さまたちの日々」の同時収録とは・・・・。価格も¥860とお高いですが、厚みもすごいです。二冊ぶんよりも太いです。でもページ数は二冊ぶんより多いです。なんで別に発刊しなかったのか不思議でなりません。
ちなみに今市子先生の麗しいイラスト付きの「月の輝く夜に」は本編P74までです。
物悲しさのあるお話
2018/10/03 22:32
3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:とも - この投稿者のレビュー一覧を見る
表題作は切ないというか、物悲しさがあるお話で、でも、よく出来ていて、それだけにこれが遺作になったのが悲しい。
ざ、ちぇんじも入っていて、かなり分厚いのが難点。
でも、ざ、ちぇんじも名作なので、ありがたい。
あと、アグネス白書の続編、少女小説家は死なないの続編も入っていて、それも嬉しかった。
20年以上ぶりの再読・『月の輝く夜に』
2020/02/09 11:06
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:mihumi - この投稿者のレビュー一覧を見る
※『月の輝く夜に』のみの感想です
この小説を読んだのは中学か高校生の頃。雑誌『cobalt』の読み切りでした。以来20年以上たち雑誌を処分し読むことができなくなってからも、ふとこの小説のことが頭に浮かぶことがありました。本当にぼんやりとですが。
氷室冴子さんと言えばやはり『なんて素敵にジャパネスク』で、私も『ジャパネスク』で氷室さんの作品にハマった一人です。『ジャパネスク』が、ヒロイン瑠璃姫の(姫としてはかなり)パワフルな性格と、瑠璃姫に引っ張られていくようなテンポ良いストーリーが多いのに対して、この『月の輝く夜に』はまさにタイトルに違わず、じっくり月を眺めるような静かな物語だなあ、と読んだ当時印象に残ったのを覚えています。『ジャパネスク』とはかなり違う雰囲気の物語でしたが、驚いたというより納得しました。『ジャパネスク』にハマった後、氷室さんの過去作品を読み漁ったのですが、初期の氷室さんの作品はどちらかというと『月の…』の雰囲気に近いんですよね。『さようならアルルカン』とか。氷室さんが、というか初期のコバルト作品、その頃の少女小説というものに求められていたのがこうした作品だったのかなあ、と思います。ヒロインの、あるいは登場人物たちの心の動きやその動きに呼応する人々の動き、そこから生まれるささやかな心の揺れや切なさを描くのが少女小説だったのではないかと。『月の…』がcobaltに掲載された頃はコバルト文庫を始め、様々なジャンルの少女小説作品が出てきていた頃なので“原点回帰”のような印象がありました。
20年以上ぶりに読みましたが、この色褪せなさはスゴイ、と思います。そもそも舞台が平安時代だから、古臭くなりようがないとも思われそうですが、主人公貴志子やその他の登場人物たちの台詞や立ち居振る舞いが“時代物の登場人物”っぽくないというか…。上手い表現が見当たらないのですが…。通い婚ならではの本妻との諍いとか娘の入内とか、確かに平安時代ならではの展開とはいえ、その状況下で悲しんだり動揺したり、そして誰がとささやかに触れ合ったりという人々の動きが、まるで今生きている人たちのようで。だからこそ長い初恋が残酷な形で終わっても夫の思わぬ本性を知っても“案外平気で生きていけるかもしれない”という貴志子に、どこか共感できるのかもしれないなあ、と、20数年後にそんな感想を抱いたのでした。
後日談はうれしいけれど
2021/09/29 16:40
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投稿者:qima - この投稿者のレビュー一覧を見る
『ざちぇんじ!』が大好きなので読みましたが、氷室冴子さんは、やっぱり大人を主人公にしたしっとりしたお話はイマイチのきがします。
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投稿者:るう - この投稿者のレビュー一覧を見る
お気に入り作品の「ざ・ちぇんじ」目当てで購入したが こうも違うテイストの作品を無理に一冊にまとめないで欲しかったとしか言えない。不協和音が気になってひとつひとつの作品に全く集中できないのが辛い。
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久々に”ざ・ちぇんじ”を読みました。
やっぱり面白いなぁと思いながらも、さすが少女小説と・・・。
古典のとりかえばや物語は、子どもが何人も生まれてくるので・・・
あぁ、あっさりしてるとか思ってしまった。
けど、さすがは氷室先生。
他の作品もまとめて出版して欲しいな・・・
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ぶ、分厚かった…。
そりゃそうだよね、「ざ・ちぇんじ」が前後篇ともども収録されてるんだから。
「ざ・ちぇんじ」はいつ読んでも面白いわ。綺羅君(♀)の破天荒(?)ぶりにも、綺羅姫(♂)の頼りなさっぷりにも。
ま、それとえてして女の方が耳年増ですわ(笑)
表題作は…まぁ、それなりだったかな。
「で?」という感じがしないでもなかった。
クララ白書関連のサイドストーリーは…クララ・アグネス白書を読んだのがはるか昔(図書館で)だからまったく主の話を忘れていたのでチンプンカンプン。
最後に収録されてる「少女小説家を殺せ!」(だったっけ?)は、私的にはまったく面白くなかった。
何が言いたいのやら…という。
表題作と「ざ・ちぇんじ」だけなら星4つ(4.5ぐらいをつけたい)なんだけど、最後の作品のせいで、私の評価はガタ落ち。
もし「少女小説家を~」だけの本だったら星1つ以下だったかも。
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・クララ白書
地味に高校一年から読みたかったものでした。クララ、アグネスを読み返したくなるのに、読んだのが高校図書室の本だったという罠。
・少女小説家
(死なないの方は未読)作者、基本のなっていない少女小説に何か言ってやりたかったのかしら。
・ざ・ちぇんじ
これが文庫買った目的なのです。とりかえばやは読んだことあったけれど、うまくコメディ調にアレンジされてるというのが初っ端の感想。母親の性格が…(笑)
・月の輝く
ドタバタ以外も書くんだな、と。
最初てっきり二人でなにかやらかしてめでたしめでたし、ってストーリー想像していたから重い話に余計打ちのめされました。
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彼女はあらゆる意味でもったいない作家だ。
物語を書かせたら実にうまい。
余計な描写をせずに登場人物をかき分ける能力、きちんとした文章、起承転結のうまさ。
ただもったいないのが、未完の割合が実に多い作家でもある。
大作『銀の海金の大地』を筆頭に、『碧の迷宮』『冬のディーン夏のナタリー』連載だけでも三本ある。
さらに言うなら予定されていたスピンオフの多さときたら。
『シンデレラ』シリーズは完結編である『おやすみシンデレラ』が宮崎事件を想起させるため自主的にとりやめた。そして作られた『碧の迷宮』は断絶。
『なぎさボーイ』のシリーズは仲良し4人組みの最後『野江ダンディ』は予告だけずっとうたれていたが頓挫。
それでも何本かはスピンオフが残されていて長らくそれは図書館で雑誌を探すしか手がなかったが、このたび復刊された。
それがこの本に収録されている『少女小説家を殺せ』と『お姉さまの憂鬱』である。
私は図書館で読んだくちだが、卒業したのでもう読むことができず、というか、文庫化を待ち続けるためにちょっとしか読んでいないという阿呆なことをやっていたので、この知らせは泣いた。
そして、待ちに待った到着。自転車を走らせて発売日前に買いに行った甘い記憶を思い起こしながら、読む。
やはり、面白い。
氷室冴子は大人向けに転身できなかった小説家だが、それは違うと思う。
彼女は大人向け、子供向けを書いていたのではなく、ただ物語をつづっていたのだ。
ただ、当時の彼女の読者が子供だったのだ。
むしろ、彼女があのまま書き続けていたなら、彼女はどちらにでも受け入れられる作家になっていただろう。
同じようなテイストでベストセラー作家がいるが、正直氷室冴子の方が青春の痛々しさをすっきり描く技量は優れている。また本人が口で言うほどキャラクターに溺れていないので物語が破たんしない。
月の輝く夜には、おそらく少女小説全盛期には受け入れられなかっただろう。
茫洋としたつかみどころのない主人公に、ずるい大人の恋人。
ジャパネスクを期待していたひとにはツマンナイと思われるかもしれない。
が、現代にも置き換え可能な恋模様を平安の時代設定を使い自然に書いてしまうというのはやはりうまいと思う。
彼女の最後の物語がこのような悲しいのに前向きな物語であったことは非常にらしかった。
けれど、やはりもったいない。
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表題作の「月の輝く夜に」がいい。わずか数十頁の短編にどれだけ話を詰め込むのか。
そして有実に萌える。悶え死ぬ。
今市子のイラストも合ってる。涼しい顔して内心はドロドロ。ぴったり。
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氷室冴子さんの単行本未収録本を含む4作をまとめた一冊。
どちらかというと、元気いっぱいの頭が切れる女の子が活躍する話が多かったけど、表題作『月の輝く夜に』は淡々とした静かな話だった。自分の思惑や政略の通りにするために妬み、貶めるループが凄かった。小説の方がその様子が色濃く出ていたと思う。平安時代の恋愛のやり取りと言うよりも政略をメインにしていたところが残念。
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故・氷室冴子さんの文庫未収録の短編&絶版の本の再録。
中身は少女小説にコメディに平安モノとまぁごった煮(笑)
タイトルの「月の輝く夜に」はマンガを先に読んだせいか、「ああ、原作に忠実に漫画化されていたんだね」と言う感想。あと小説のほうが少しだけ伏線が分かりやすく容赦ない。漫画の方がミステリの謎解きとしては面白いかなと思ったり。でも先に読んだ順で面白いのかもなぁ。
クララ白書は噴いた。すごい高校生たちである。
こんな感じで、過去の未収録作品とか、草案とか出るなら読みたいなぁ(でも出されたくないものは生前にきっちり片付けておられそうだよね)
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シリアス系恋愛物からコメディに、時代背景から何から違うごちゃまぜ本。
どのお話も違う面白さがある良いものなだけに、もう少し、こうどうにか編集というか、まとまりのある出版ができなかったんだろうか?と 集英社コバルトがうらめしい気もします。
そう感じた文庫の中に少女小説家を殺せ!の続編が入っているっていうのもなんだか、うん。苦笑。
でも読めてよかった。
やっぱりいいなあ、氷室先生……。ほんと、いい。
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2008年6月に逝去された氷室冴子さんの(多分)最期の作品「月の輝く夜に」が収録された作品集です。
3㎝弱ある分厚い一冊ですが、単行本未収録作品は全650頁のうち200頁のみです。
その殆どは「ざ・ちぇんじ!」の再録が占めているので。
でも氷室作品は「なんて素敵にジャパネスク」シリーズのみしか手元に残していないので(山内直実版は持ってますw)、久しぶりに読んだ活字の「ざ・ちぇんじ!」は良かった!
山内さんの再現率の高さも今更ながら感心してしまいます。
そしてこの濃い目のピンクの背表紙は私の中学時代のど真ん中に在していました。
手にした時にはあの頃の青い思い出たちが鷲掴みに目の前へと突きつけられたようで嬉しいやら気恥ずかしいやら。
中学生にしか出来ない読書があると思います。
それを私に授けてくれたのは、氷室冴子さんであり新井素子さんであり久美沙織さんや田中雅美さんといったコバルト作家陣でした。
漫画じゃないけれど漫画の頁をめくるようにすらすらと、そして色鮮やかに脳内で漫画化(映像化とは少し違った気がする)されたコバルト文庫の秀作たち。
特に氷室冴子さんの「なんて素敵にジャパネスク」があったから今源氏物語を趣味のひとつに挙げられる私がいると言えます。
その氷室センセが鬼籍に入られて4年が過ぎた今、こうして単行本未収録作品が随分なごちゃ混ぜ編集ではありますがまとまって単行本として世に出たことは氷室ファンにとって僥倖以外の何物でもありません。
長くなりますが各作品について。
・月の輝く夜に ★★☆☆☆
2005年2月号Cobaltに掲載された作品。
掲載時のコメントに、
「月の輝く夜に」は書いた時から、好きな作品でした。ページ数が足りなくて苦労した記憶が・・・。掲載原稿を元に打ち直して、幾らか増えています。
と、背表紙裏にあります。
「銀金」シリーズはどうにも合わなくて読んでいなかったのですが、体調・精神面・創作意欲といった色んな面からも「月の輝く夜に」の頃から既にかなりトーンダウンしていた感が否めません。
この作品自体が、平安時代の受け身でしか結婚も恋愛も出来ない女人を主人公にしているので暗くロートーンになるのは仕方がないと言えますが、それにしても作品に力が無いというか・・・。
未完作品の「碧の迷宮」もここまで中途半端に物悲しいだけのお話では無かったように思います。
しかし、氷室冴子は少女小説家でしたが生涯少女小説家だったわけではありません。
対象読者の年齢を上げて内容も少しずつオトナになっていった結果がこの「月の輝く夜に」に見受けられます。
読者だっていつまでもコドモじゃないんだ。
オトナの恋愛、どうしようもないってことが現実にはあるってことを「なんて素敵にジャパネスク(人妻編)」では既に描いていますしね。
読後感がいまひとつ良くないのとなんとも言えない物足りなさを感じてしまったのと、やはり久しぶりに新作を読む期待値が大きすぎたせいで星が減りました(苦笑)
でもこんなんじゃ読めないままでもよかった、とは思い���せん!
山内さんのコミックス版も読みたいなぁ。
初版は売り切れ、今は再販がかかるかどうかもわからない状態です(-_-;)
・ざ・ちぇんじ! ★★★★★
「とりかえばや物語」を元に創作された平安ラブコメディの代表作ですね。
帝の純情で単純なところが今読んでもかわゆいですw
ほんとよく出来たお話ですよねぇ。
おとなになってから読むと何か違うかしらと思ったのですが、心は一気に中学生の頃へと巻き戻されてしまってなんてこたーない楽しいばっかりでしたw
・少女小説家を殺せ!Ⅰ・Ⅱ ★★☆☆☆
「少女小説家は死なない!」の番外編。
相変わらずの火村彩子センセに若干引き気味になりますw
今なら「ラノベ作家」となるのでしょうが呼び方が変わっただけで内実は案外このままなのかも?w
脳みそからっぽにしてがーっと読める作品ですw
・クララ白書 番外編 お姉さまたちの日々 ★★★★☆
このシリーズ大大大好きでした!
女学校!寄宿舎!中高一貫のお嬢様学校!お姉さま!
あこがれてんこ盛りですw
自分自身高校が女子高で一年上のバレー部のエースに憧れていたのですが、超地元だったため寮に入ることは出来ずあることないこと想像して憧れを強くしていたものです、あぁ懐かしいw
この番外編は本編とは違ってお姉さま方達が主役です。
地の文章は煌めきの虹子女史。
そこへ軌跡の高城さんと今回の台風の目清らかなる椿姫白路さん!
しーのと一緒になって憧れまくっていたお姉さま方たちが主役の番外編なんてもうたまらんですw
みさきのあさんのコミックスは再読しまくりで本棚に並んでいますが、この番外編も漫画化されないかなぁ。
そういえば中学の国語の授業課題で「短編小説を書く」と言うのがあって、私は「アグネス白書ぱーと2」の後日談を書いたのでしたw
冒頭400字程は一気に書けたのに、構成も何も考えずの見切り発車だったのであっという間に頓挫して完成させることなく中途半端な状態で提出しました。
お陰で小説家になろうなんて夢を見ずに済みましたが!(苦笑)
本編を読んだだけではまさかここまでとは思ってませんでした、白路さんの天然ぶっ飛びぶりwww
虹子女史の、
白路のアホッ!だから、あんたの友人、やめたいのよ。
は、ソウルボイスですwww
めいいっぱい楽しませてもらいました。
読めて良かったー!
Cobalt本誌を購読してない方にとってはこの200ページは至福の時を与えてくれると断言しちゃいます。
初版後たった2週間で再販がかかったことからも、まだまだ氷室ファンは健在だぜ!とガッツポーズをしてみせたい気分です。
氷室センセ、ずっとずっと大好きですよー!
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ホントに「コバルト文庫」だよ。厚さは2倍も3倍もあるけど!
月の輝く夜に、と、ざ・ちぇんじ!、少女小説家を殺せ!、クララ白書番外編が1冊にまとめて650頁!なんでまとめる必要があるの??