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ノンフィクションの作品だけあって、話のリアリティーさに引き込まれ、冒険家達がなぜ、そんな危険を冒してまで冒険をするのか?と本質的な冒険家の心理も描かれており、深いですね!
冒険の舞台はチベット世界最大の秘境であるツアンポー峡谷というところなのですが、一世紀の時をかけて、その全貌解明に挑んださまざまな冒険家達の生き様、この秘境がなぜ冒険家達を引きつけるのか?の謎の歴史、2度にわたり危険を冒して峡谷に挑んだ主人公の冒険記という内容が非常に迫力があり面白かったです!
生きることの意味を命がけの過酷な冒険をすることで見出そうとする心理は私には理解し難いものですが、そういうことで自分の存在価値を見出そうという心理になると冒険したくなるのかもしれませんね。
そして、1度クリアーすると、また次の高みに挑みたくなるという、アドベンチャーハイのような感じがあるのでしょうかね。
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「結局のところ、この本は自分の体験や思いを書きたいという情念に突き動かされた結果に過ぎなかった。(中略)私は自分自身の個人的な物語に、読者の襟首をつかみ強引に引きずり込もうとしたのだ」
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チベット奥地の伝説の谷、ツアンポー峡谷。
その中の前人未到の空白の5マイルに挑んだ著者の単独行記。
若さ、憧れ、命、極限状態。
人はみんな人生を冒険してる。
探検家はそれを、実地で感じる人なのかな。
ツアンポー峡谷、行ってみたい、とは思わないけど見てみたい、とすごく思いました。
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内容(「BOOK」データベースより)
チベットの奥地、ツアンポー川流域に「空白の五マイル」と呼ばれる秘境があった。そこに眠るのは、これまで数々の冒険家たちのチャレンジを跳ね返し続けてきた伝説の谷、ツアンポー峡谷。人跡未踏といわれる峡谷の初踏査へと旅立った著者が、命の危険も顧みずに挑んだ単独行の果てに目にした光景とは―。第8回開高健ノンフィクション賞、第42回大宅壮一ノンフィクション賞、第1回梅棹忠夫・山と探検文学賞。
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チベット奥地のツアンポー峡谷に探検するノンフィクション。
最近、エベレストを読んで感動し、その麓にあるツアンポー峡谷の物語なので、話にはいりやすかった。
ツアンポー川は、本当にとんでもなくスケールが大きな河なのだと思う。一人で探検はできないけど、一度はチベットの雄大な景色を見てみたい。
生と死の境目を体験した作者の言葉は心に響き、エネルギーをもらえる。
また、読みたい。
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開高健ノンフィクション賞(2010年)、大宅壮一ノンフィクション賞(2011年)をダブル受賞した冒険ノンフィクション作品。
著者がエッセイ集『探検家、36歳の憂鬱』でも書いているように、現代は「エベレスト初登頂とか、南極点初到達とか・・・なぜ冒険をするのかということについて、冒険をしない人でもおおむね納得できるような対象が完全に失われてしまった」時代である。しかも、著者が挑んだ人跡未踏の世界最大のツァンポー峡谷でさえ、書斎の机上でGoogle Mapを通してそのリアルな写真を見ることができるのである。
そうした時代に、著者は外部との通信手段も持たずにツァンポー峡谷の単独行に挑む。
そして、その行程は常人の理解を超え、無謀とさえ言えるものであるが、何かに憑かれたような著者はそれを乗り切ってしまう。
著者の筆致も優れたものであるが、冒険家としての情熱が主要ノンフィクション賞をダブル受賞させたと言えるような作品である。
(2014年10月了)
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2016/1/21 メトロ書店御影クラッセ店にて購入。
2017/5/1〜5/16
開高健ノンフィクション賞などを受賞した、角幡さんのいわゆる出世作。21世紀を迎えようとする時期に未だ未踏の地であったツァンポー渓谷に挑んだ記録である。何と言う血湧き肉躍る冒険か!Google EARTHで探してみたが、特定出来なかったが、まさに男のロマンだなぁ。古臭いけど。
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船戸与一、高野秀行に続く早稲田大学探検部出身者。前者に漏れず、角幡さんの作品も面白かった。アグルーカの行方に続き、どちらも良かったので他の作品もどんどん読んでいきたい。
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著者の体験と過去の探検家と活動が入り混じって語られる。
探検の成果はともかく、極限状態に置かれた著者の心境と、そこから見出したものがすばらしい。
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カヌーの話しと探検史はおもしろかった。著者の探検もすごく大変なことなんだろう。文章も上手くてどんどん進む。けど、峡谷がどんなに巨大で人を寄せ付けない世界なのか想像つかなくて困った。もっと写真や地図で実感したかったな。
著者はあとがきで、自分自身のひとりよがりな物語を書きたかった、というようなことを述べている。そういう意識で読み返すと、そんな本があってもいいなと思えて好感が持てた。
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『空白の五マイル チベット、世界最大のツアンポー峡谷に挑む』(集英社文庫:角幡唯介著)を読んだ。この本は、早稲田大学探検部出身の著者(角幡唯介氏)が、チベット未解放区にある秘境に二度に渡って挑んだノンフィクションで、開高健ノンフィクション賞や大宅壮一ノンフィクション賞を受賞した作品だ。
チベット、ツアンポー川流域に広がる世界最大のツアンポー峡谷。
そこには伝説的な未探検地、「空白の五マイル」と呼ばれる場所があり、角幡は生死をかけた果敢な冒険に挑む――。
序盤は、著者が冒険に挑むに至った経緯と百余年にも及ぶこれまでのツアンポー探検史を振り返る記述が続くのだが、ツアンポーという地名すら聞いたこともないぼくにはピンと来なかった。ところが、氏の一度目の冒険の描写が始まると同時に一気にその筆も熱気を帯びてきて、ぼくは夢中になってページをめくり始めた。
一度目の冒険で、空白の五マイルのほぼ全てを踏査した角幡氏は新聞記者となるが、七年後再び会社を辞めてツアンポーに旅立つ。”もっと奥深いところまで行き、ツアンポー渓谷をより深く理解したい”という強い衝動に駆られたのだ。
二度目は、より過酷な旅となり、生死を分ける状況に何度も追い詰められる。
そして、最終的には空白の五マイルに辿り着くことは出来ずにこの本は終わる。だが、生きて帰っただけでも彼の冒険には大きな意味があったに違いない。
そして、角幡氏は冒険について最後にこう記している。
『極論をいえば、死ぬような思いをしなかった冒険は面白くないし、死ぬかもしれないと思わない冒険に意味はない』そして『冒険は生きることの意味をささやきかける。だが、ささやくだけだ。答えまでは教えてくれない』と。
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峠恵子「冒険歌手」のニューギニア探検に参加したユースケこと角畑唯介の著作。
未踏の地を目指すいわば古いスタイルの探検を、一人で実行するという筆者の自分を追い込む姿に大学時代の友人の姿が重なった。
『リスクがあるからこそ、冒険という行為の中には、生きている意味を感じさせる瞬間が存在している。』
エピローグに記されたこの一文は、いまや陳腐に聞こえてしまうが、再認識させられる一冊である。
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チベットの奥地、世界最大と言われるツアンポー峡谷で未踏の区間を単独探検した日本人の 探検記。やはりノンフィクションは面白いし、著者は元新聞記者であり文章も秀逸。なぜ生きるのか、どうやって生きていることを実感するのかという問いは、普段考えることはないが、本当は大切なことを考えさせてくれる。
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この地球上にまだ人跡未踏の地があるのかー。非常に臨場感溢れる冒険譚で、特に遭難しかかったところなんか読んでてヒヤヒヤしました。でも渡航前に先輩から聞いた若きカヌーイストの死のくだりが、伝聞であるにも関わらず目の前で本当に人が死ぬのを見たかのようでとても怖かった。
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今の時代に、冒険なんて、、、と失笑されるのを十分本人も知って、
他人にとってまるで、意味のないことをする。自分はわりかし好きです。
効果があること、意味があること、原因と結果が予めわかっていること、
今は、そういうことが、「行動する動機」になります。
しかし、それでは、真の感動なんて、ないかもしれません。
著者は、文章もうまいし、読ませます。今は、冒険できる場所を探すのが大変だと思いますが、
著者には、今後、是非、続編を書いてほしいです。