清明節で有名な介子推
2023/08/16 15:32
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:トマト - この投稿者のレビュー一覧を見る
春秋戦国時代の晋の国を大きくした重耳が流浪した日々に付き従った介子推。
その生涯を描いている。無名に近いので、表立って重耳に近づけないが、縁の下の力持ちのように、陰になり裏から魔の手と闘う。
けれども、そんな重耳からはあまり知られず、あとで介子推の活躍を知る重耳。
介子推は、潔いというのか引き際が際立つ。
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:七無齋 - この投稿者のレビュー一覧を見る
重耳を助けた忠臣。最後まで潔い生き方を見せた。重耳の番外編と言える作品だが主人よりもすぐれた人物云えそうだ。魅力ある人として描かれている。
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:kyon - この投稿者のレビュー一覧を見る
宮城野昌光氏の本は結構多くの作品を読ませてもらっているが、「介子推」にだけは切ない思いと人の生き方の難しさを抱く。
どんなに尽くしても、命を掛けて守り抜いた主君に届かない思いを抱えて死んでしまうのはやりきれなかろう・・・しかし、その切なさも凌駕する意志の強さとブレない男としての本懐を貫き通したことに心打たれる。寧ろ、読んでる方が悔しくてならない。
時代や国が違っても人としていかに生べくかを考えてしまうし、残念でならない思いが残る。
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ピエロ - この投稿者のレビュー一覧を見る
中国の春秋戦国時代、晋の太子として生まれながら権力争いに巻きこまれ、二十年近くを流浪の生活を送った重耳(ちょうじ)。この困難の流浪時代から重耳に仕え続けた名臣・介推を描いた歴史小説。
解説によるとこの介推、重耳に仕える前のことがくわしくわかっていないらしい。そのために作者が自由に想像で書けたのだろう、子供時代から青年時代までのエピソードが特におもしろい。重耳に仕えてからは縁の下の力持ち、といった役目に徹するのだが、あまりに清廉潔白すぎるのではないのかな? ま、この清廉潔白さが後の世の人々の尊敬を集め、今になってからもこうして小説の題材に取り上げられるのでしょうけど。私個人としては、もっと人間臭い人物のほうが好きなのだが。
投稿元:
レビューを見る
春秋時代の覇者の一人「重耳」を影で支えた棒の達人「介子推」をかいた本なり。
介子推の清廉な様は男として惚れ惚れするものがあるなり。
この本で宮城谷昌光先生の作品に魅了されてしまったなりよ。
投稿元:
レビューを見る
自分の信念を貫くこと。
自分の仕事を全うすること。
それが、自分の存在理由を確定させること。
必要がなくなったら自ら去るのみ。
かっこいい。欲とはなんぞやを考える。仕官が剣を使う時代に、棒を操る庶民出身な部分もなお良し。
投稿元:
レビューを見る
重耳を陰で支えた『介子推』の話。謙虚で清廉。おまけに潔い。格好いい生き方だと思います。宮城谷さんの小説で唯一すらすらと読めた本(笑)
投稿元:
レビューを見る
「重耳」に関わるもう一人の人物・介子推の物語。命をかけて重耳に仕えその身を守りながら、功績を認めてもらえなかったその瞬間の彼の絶望はどれほどだったのか。切なくなりますね。重耳を行動で諌めたといえる人だと思います。
投稿元:
レビューを見る
典型的英雄譚。
すっきりとまとめられていて、介推の人物像も清廉に描かれていて読みやすい。
主人公に対する作者の愛情が感じられる。
投稿元:
レビューを見る
人生のバイブル(大げさ?)。
主人公の介推があまりにも潔白すぎる印象はあるけれども、「こんな風にすがすがしく、潔く行きたい!」と思わずにはいられません。
この作品がきっかけで宮城谷昌光氏の作品を読むようになりました。
投稿元:
レビューを見る
宮城谷氏の多くの作品では、主人公格は君主や宰相といった、国政を左右する立場の人間であることが多いため、このように最後まで下っ端だった人間を描いているこの作品は、その意味で新鮮である。春秋戦国のダイナミックさからは離れた、非常に純粋で美しい作品である。
投稿元:
レビューを見る
前660年頃。晋の人で姓は王,名は光。重耳を慕いその亡命に従い,重耳一行が飢えに苦しんでいた時でもひそかに重耳の食糧を確保したり,閻楚という刺客から守ったりした縁の下の力持ち的な役割を果たした人です。縁の下なので重耳も介推の活躍は知りませんでした。重耳は19年の亡命生活を終えて晋へ帰国し君主となりました。そこで論功行賞を行った時,重臣の咎犯(狐偃)は重耳に報酬を求め,重耳もこれに応じました。これを見て介推は重耳に失望します。というのも,君主になったのは天の意思と考えており,重臣達が手柄を誇り,報酬を求めるのは間違っており,それを認めた重耳にも失望したということです。やがて介推は母と共に山へ姿を消してしまいます。後で重耳は介推の活躍を知り,彼に褒美を取らそうとして探しますが,山から出てこないため,重耳は山に火を付け,おびき出そうとしました。が,介推は木を抱いたまま焼け死にました。重耳は大いに悔やみ,その山の名を介山と改め,彼の領地としました。その忠節と自分の信念を曲げない志の高さで今でも中国の人々に尊敬されています。
ちなみに,寒食という冬至の日から数えて105日めの日で4月4日か5日にあたる日の前後3日間は火を使うことを禁じ,煮たきした食事をしない風習がありました。これは,重耳が介推の焼死をあわれんみ,その日に火を禁じ冷食を用いさせた故事に基づいています。
『人を疑うと2つのつらさをいただくことになる。その人が犯人でなかった場合,自分が惨めになる。また,その人が犯人であった場合,さらに惨めになる。それなら,人を疑わず,騙され続けていたほうが良い。騙されるのは愚かであろうが,騙す不幸より勝る』
『人は心のもち方で別人になる。一度人を信じたら,最後の最後まで信じつづけていきたい。信じることは人を明るくし強くするが,人を疑うことは人を暗く弱くする。それなら信じつづけたほうが良い。信じて騙されても,疑って騙されても騙されることに変わりない』この言葉が好きだ!
投稿元:
レビューを見る
何度も読み返しては、こみ上げるものを抑えられません。剣でなく戟でもなく、一本の棒をふるう。神速の風は、ただひたすら君主を守るための清らかな力。
投稿元:
レビューを見る
かっこいい!人を信じ大切にするってどういうこと、そのひとつの答えに見える。中国でも最も有名な英雄のひとりだし、残ってるエピソードでも元から信義の人なんだけど、こうやって細やかに、心境もいっしょに描いてくれると、隣に立ちあがってくるかのようで、幸福な余韻が残る。幸福というよりは切なさだけど、でもこんな人間がいるというのは幸福なことだ。
投稿元:
レビューを見る
宮城谷昌光の長編は初めて読んだんだけど、もっと重厚かと思っていたら、空想的な内容が多くてちょっと拍子抜け。2009/8/21 B100 @Sun Books