一気に読めました。
2013/06/23 22:50
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投稿者:BACO - この投稿者のレビュー一覧を見る
テーマが面白かった。
文章も最初から最後まで間合いを詰めている感じがして、隙がなく重みを実感する。
話の展開も飛躍しすぎることなくきっちり丁寧に、且つしつこくない程度で臨場感を持たせ上手に仕上がっている。
一気に読める。
被害者遺族の苦しみだけではなく
2022/11/02 12:15
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投稿者:Todoslo - この投稿者のレビュー一覧を見る
加害者の心の闇にまで深く踏み込んでいるストーリーに引き込まれてしました。善悪二元論で決めつけてしまうことなく、感情に流されることのないラストが秀逸です。
ラストの持っていき方のうまさ。
2015/09/17 16:54
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投稿者:紗螺 - この投稿者のレビュー一覧を見る
重いテーマである。凶悪事件の犯人が、実は親しくしていた友人だったら?この問題だけでも重いが、この問題に直面する主人公はジャーナリストを目指している人間なのだ。ジャーナリストとしては、この場合どうするのが正しい在り方なのか?
これがよくあるタイプの事件なら、あるいは人として同情できる点がある事件なら、人は「過去は過去」と言い切ることができるだろうし、過去のことを暴きだす報道を行きすぎなものとして謗ることもあるだろう。けれど、それが残虐行為を伴う複数の殺人だったなら。どうしても、嫌悪感や恐怖感、あるいはその人間を排除したいという気持ちが湧き起こると思う。
主人公はどんな選択をするのか?それは、自分で読んで確かめなければ作品の持つメッセージとして受け止めることはできないだろう。受け止めて、どう感じるかというのも人によってちがうと思う。ただ、ひとついえるのは、小説のラストとしてはこれ以外考えられない。そう思える締めくくり方がされている。
読みごたえはありました
2013/11/06 17:00
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投稿者:くりんぐりん - この投稿者のレビュー一覧を見る
もし、あなたの隣に居る人が過去に重大事件を起こした殺人犯だったら。
デビュー作から「少年犯罪」「匿名で報道される少年たち」「被害者側のわりなき思い」などを取り上げてきた作者の渾身の一作ではないかと思います。
モチーフになっているのは酒鬼薔薇事件。もし、あの事件の犯人をモデルにしたと思われる男が、もし、あなたの職場の同僚だったら?
同じ職場の感じのいい女の子が昔、AVに出ていたら?
反応は人さまざまだと思います。
すでに罪を償っているのだから許すべきだ。
奪った命は帰ってこない、だから加害者は一生、十字架を背負っていくべきだ。
人により意見は分かれると思います。実際、私自身、どうしてよいのかわかりません。
この小説に答えはないと思います。読んだ誰もが、同調する部分もあれば、違和感を覚える部分もあると思います。
いろんな問題をはらみつつも、この本は読むに値する一冊だとは思います。
最後が、作者の方も決着をつけられなかったんじゃないかな?って感じの終わり方で、その意味では少々、不満も残ります。
個人的な好みを言えば、どうしても酒鬼薔薇事件の加害者を連想してしまい、作中では彼をモデルにした人物は未だに苦しんでいる、とされているのですが、実際はどうかわからないので、素直に読み進めることができませんでした。実在の事件を連想させるよりは、完全に架空の犯罪の犯人を描いた方がまだすっきりした気がします。
しかしながら、あのセンセーショナルな酒鬼薔薇事件をモチーフにすることで読者の興味を惹く部分も否定できないので、好みの問題でしょうね。
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これは「過去が消えない代わりに未来は限りない可能性に溢れている」ことを教えてくれると同時に、「一見、誰かに必要とされたい人たちのようで、実は誰かに必要とされる人たち」の物語ですね。
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一気に読みきることができるリズムとともに、
いろいろなことを考えさせる重厚さを備えた作品。
取り返しのつかない罪は、ある。
たとえば、失われた命は、どんなに後悔しても戻っては
こない。
どれほど悩み、苦しんでも。
益田も、美代子も、弥生も、鈴木と知り合うことで
たくさん苦しんで辛い思いをした。
でも、彼らは、最後に勇気ある行動をとる。
それが、救い。
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薬丸岳は鉄板。必ず面白い。
毎回、デリケートなテーマを取り上げて、見事に一級のミステリーに仕立てあげる。
今回は、「友達が過去に重い罪を犯していたとしたら…」
登場人物それぞれの過去、背負っているものの重さがのしかかってきて、考えさせられる。
「もし自分がその立場だったら…」と考えさせるのが上手い!
社会派ミステリー小説の醍醐味を味わえる作品。
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薬丸岳さんは「天使のナイフ」からファンになり、ほとんどの作品を読んでいる。ただ、なかなか「天使のナイフ」ほど衝撃を得ることは少なかった中で、この「友罪」は超えたような気がする。
ジャーナリストになりたくてなれなかった落ちぶれた主人公。流れ着いた工場で同僚になった青年と親交を深めていくが、ひょんなことから彼が、昔少年がおこした連続幼児殺傷事件の犯人ではないかと感づく。
普通なら友達でいることなどできないし、ジャーナリストとして売り出す最大のチャンスでもあるわけだが、もがく中で主人公自身も隠してきた過去と向き合うことになる。ラストは感動というか重くて苦しい。
正解はないような気がするが、考えさせられるし、読んでよかったと思える作品。
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非常に扱いの難しいテーマですが、薬丸さんの手にかかればこんなに感動的に仕上がるのだなと。
現実社会の厳しさから目はそらさず、それでも希望が残る美しさに只々感じ入るばかりです。
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酒鬼薔薇事件のことを書いてるのかな??
神戸在住の私としては、なんとも複雑な気持ちで読んだ。
ラストは事件後に犯人だと知らず出会い、友人?として過ごした人物が、犯人だと気付くまでのエピソードを本として出版し、語りかける。
内容紹介
―過去に重大犯罪を犯した人間が、会社の同僚だとわかったら?―
ミステリ界の若手旗手である薬丸岳が、児童連続殺傷事件に着想を得て、凶悪少年犯罪の「その後」を描いた傑作長編!
ジャーナリストを志して夢破れ、製作所に住み込みで働くことになった益田純一。同僚の鈴木秀人は無口で陰気、どことなく影があって職場で好かれていない。しかし、益田は鈴木と同期入社のよしみもあって、少しずつ打ち解け合っていく。事務員の藤沢美代子は、職場で起きたある事件についてかばってもらったことをきっかけに、鈴木に好意を抱いている。益田はある日、元恋人のアナウンサー・清美から「13年前におきた黒蛇神事件について、話を聞かせてほしい」と連絡を受ける。13年前の残虐な少年犯罪について調べを進めるうち、その事件の犯人である「青柳」が、実は同僚の鈴木なのではないか?と疑念を抱きはじめる・・・・・・
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もしも友達が犯罪者と知ったら?犯罪者の人権とは?という薬丸さんの問題提起はとても重くて大胆@@
多分賛否両論分かれるテーマだろう。
語弊があるかもしれないがずっしりとした重さの中にどこかしっくりきた読後感があり私には500Pもあっという間だった。
何処かで線引きしないといけないのは判るが被害者や遺族はもちろん納得いかないし法に守られた加害者の今後もこれで良いのかと
改めて少年法をどう捉えるべきかと疑問を持つ。
余談だけど地方の小さな町工場になぜこんなに酷い境遇の人ばかり集まるかなあって思ったの私だけ?
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重いテーマですがページをめくる手が止まらなくてあっという間に読み終えてしまいました。
すごく考えさせられます。
ぜひたくさんの人に読んで、考えてもらいたい作品です。
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今年読んだ小説で5本の指に入るぐらい良かったです。この小説を読んで、すぐに思い出したのは実際にあった神戸の事件をモチーフにしているのかなと感じました。それを記事にするかしないか躊躇う主人公、大スクープだと歓喜する他のジャーナリスト関係者、そしてかつて事件を起こした少年と周りの人の描写がよく表されて心を打たれる内容でした。最後は主人公が青年に宛てたメッセージで締めましたが、行方を眩ました青年(加害した少年)の行方が気になってしょうがないです。続編の可能性は低いでしょうが、それぐらい大作でした。
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もし同僚が、世間を震撼させた“あの事件”の少年犯だと知ってしまったら?
ミステリ界の新鋭が、連続児童殺傷事件の「その後」を描く傑作長編!
真実を知っても、友達でいられる――?
薬丸さんの作品は久しぶりだったが、やはり重い作品ばかりだ。
また、問われるテーマに明確な答えが出ないものだし、それは仕方がないことだ。
本作の主人公・益田純一は自身の過去から最後にあのような回答となったわけだろうし、
他の人もそれぞれの思いを抱えている。
ミステリ :☆☆☆
ストーリー :☆☆☆☆☆
人物 :☆☆☆☆☆
読みやすさ:☆☆☆☆☆
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仲良くなった友達が、世間を騒がせた猟奇殺人犯だったらどうしますか?
と世間に投げかける作品。
読んでいても自分なり答えを見つけられない。
重いテーマの作品