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普通の家族ものかと思いきや、3代の記憶の回想という形式で、それぞれの人生を通して時代は違えど通じるものをテーマに描いている。
そのテーマに共感はないし、と言うかわからないという感じ。ふーん、なるほどね、みたいな。
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最初はなんだか2、3ページも読んだら眠くて眠くて・・・。
ちょっと違う本でも読もうかなって感じだったけど、
半分ぐらい読んだ頃から結構面白くなってきました。
読み終わってみたら、星4つ。
いい本でした。
3世代の家族のそれぞれの時代を平行して書いてあるのだけど、
構成が上手い。
今の世代の若い主人公から見た、若かりし時代の祖父母や両親。
それぞれの時代や環境、考え方などがよく描かれていて興味深い。
本来、決して魅力的な登場人物達ではないけども、
一生懸命生きてきた人達だ。
最後の派手ではない希望が感じのよい作品だったかな。
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「逃げることしか教えてこなかった。」って言葉が印象的。逃げることは負けることではない。先祖が生きてこられたから私たちがいる。当たり前のことの意味を考えさせられる。たくさんの戦争を挟んでいるし、普通の家庭でも相当の苦労があっただろうし、今のぬるま湯みたいな人生はそういった壮絶な歴史の上でのことなんだよね。しっかり生きようと思いました、はい。
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最後まで読み終わった後、自分の家族はどうやって生まれたのか、という疑問を抱かずにはいられなかった。
自分の祖父や祖母、もっと前の先祖。
いろんな人の人生が繋がって今自分はここにいるんだと。
一つの家族の歴史と、日本の歴史が織り交ぜられながら、話が進む。
淡々とした文章なのだけど、ドラマチックで、話は決して明るくないのだけれど、最後には少し希望が見えて、
気持ち良く読み切ることができた。
角田光代さんの描く世界は、いつもあり得ないようで、起こり得るような日常で。
今回はいつになく歴史っぽくて、新鮮だった。
次は何を読もうか。
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新宿西口にある小さな中華料理店「翡翠飯店」を営む藤代家。初代店主である祖父が亡くなって、孫である良嗣は藤代家のルーツに興味を持ち、祖母と叔父を連れて旧満州国へ旅に出る。
三世代に渡る藤代家の歴史がひとつずつ紐解かれ、普通の、一般の、他人の家のことなのに涙が止まらない。逃げて避けて生き延びて、誇ることなど何もないと言いながらも、今ここに家を継いでいる人たちがいるということは、とても意味のあることなのだ。
時代に流されるな。時代に飲み込まれるな。時代のせいにするな。教訓とかそんな立派なものではないが、とても大事なことを教わった気がする。
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戦争から逃げ、居場所がなくなった2人が築いた家族の物語。孫の代まで描かれており、時代は過去と現在を行き来する。
この本を読んで改めて、日本が戦争をしていたのはそれほど昔のことではないのだと実感する。短い間にこの国は、随分豊かに、そして平和になったのだとありがたく思う。
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最初からどうなるんだろう、と引き込まれる作品で、息もつかせずあっという間に読み終わった。読んだ後は色々作品の時代背景とか家族とかと自分の今生きてる時代背景を照らし合わして感慨深さを感じられた。読んだ後も余韻に浸れる作品。
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家族の歴史の話って感じかな。祖父・祖母の出会から最期まで、3世代の歴史が綴られている。昭和の終わりくらいから自分でも記憶に残るところなので、なんだか懐かしい。
みんな普通に生きて暮らしてるけど、生まれたことには意味があって、歴史があって、こうやってツリー状に家族が増えていくんだな。こんな当たり前のことに気づかせてくれた話。
そういえば、母親も満州生まれって言ってたな。うちのルーツもたどると面白いのかなあ。
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新宿に中華料理屋をかまえる家族の三世代にわたる物語。
時代をぐいぐい流れて行って現在に合流する構造がすばらしい。
どんな家族にも語られるべき物語はあるんだな、と思わせてくれる。
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2014.1.21
夢中で読んだ。
悲しみがいっぱいなのに、優しい。
自分の子育てを振り返り。。。
逃げていいって、大事なこと。
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満州や新宿という私があまり好みでない土地が舞台ということで、のめり込むことが出来るか何となく不安だったが、この分厚い本に最後までのじっくりのめり込んで読了。
「うちの家族、変だよ」と自分の親に苛立ちをおぼえながらも、そんな自分の生き様もどこか似ている。
意味不明なことをしていた泰三とヤエ。でも、彼らなりの理由や思いがあった。
学生運動、オウム事件と関わったそれぞれのくだりも、興味深い。理解不能な生き様をしている人、はたから見たら堕落した人生の人、各人に歴史があっての今、それがその人の人生なんだなと。
「もしなんて存在しない」心にささった言葉だ。
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最初、おじいさんが亡くなって、良嗣はあちこち走り回るんだけど、他の家族はポカーンというかボサーッとしててたので、これは良嗣が家族のルーツを求めてヤエと太二郎と旅にでて、そこで起こるいろいろーーなんだろうなと思ってました。
だけど読んでいくと、旅行メインというよりは、そのボーッとしてた家族それぞれの過去が描かれていて、それがまた実際にあった事件とかと微妙に絡んでいたりして、読んでる方はとてもおもしろかったです。
でもたぶんこれって、旅してる良嗣は、知らないことなんだよね?
「悪いね、ヨッシー」という気持ちで読んでいました。
家族のルーツかあ。
私の親のなれそめとか、なんとなくしか知らないなあ。大阪と北海道在住だった人間が、どうやって知り合って結婚?とか、詳しく聞いたらおもしろいんだろうな。
あと祖父母が、戦争中どんな生活してたのとか、もっと元気なときに聞いておけばよかったな、と思いました。
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「ぼくは勘違いして、自分の気持ちをなかったことにするのが自我を捨てるってことだと思っていて、それで自分の気持ちをなかったことにするっていうのはさ、考えること、決めることをだれかにゆだねゆるってことで、それはヨッシー、ヨッシーが訊くように、楽なんだ、楽なんだよ考えずに従うことは。でもそれ、もしかしたらすっごくこわいことだ、って気づいたんだ。本当に、ものすっごくこわいことなんだ、それで逃げてきたんだ。」
困難から逃げる人生。それは時に間違いで、時には間違いを正すことを厭わない人生。
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角田作品らしくそれぞれの心情を丁寧に描いており、全体的に好感が持てる作品だった。ただ焦点がなかなか定まらず、ストーリーにシャープさが欠けた分、冗長な感じが若干してしまった。
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【一家三代『翡翠飯店』クロニクル。伊藤整文学賞受賞作】謎の多い祖父の戸籍――祖母の予期せぬ“帰郷”から隠された過去への旅が始まる。すべての家庭の床下には戦争の記憶が埋まっている。