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アーサー・C・クラークの長編処女作。
草の根レベルから宇宙開発(当面の目標は有人月面探査)への関心を高めんと、
物語形式で著された科学啓蒙書。
軸足はあくまで科学の啓蒙に置かれているため、
反対派の妨害工作等の描写はあるものの、ストーリーは全体的に起伏に乏しい。
小説のつもりで読むには辛いが、ソ連との宇宙開発レースの影響で歪められてしまった
アポロ計画の、本来あるべきであった姿を偲ぶには最適のテキストなのかも知れない。
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月へ行くまでの物語。
単純明快です。
ある程度SFを読んだ人には
単純で退屈してしまうかもしれないけれども、
よく刊行年を見てください。
そしてその後にあった出来事を思い起こしてみてください。
あるいみびっくりでしょ?
もう一つびっくりするシーンがありますけどね…
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副題:PRELUDE TO SPACE
著者:アーサー・C・クラーク/山高昭訳
出版:早川書房
価格:480
初版:1992-3-31
クラークの近未来小説。月への人類初の旅について語る処女長編。1947年に書かれた作品。
歴史学者であるダークの目からみた、はじめての月旅行までの道のりが題材。ストーリー性から言えば、同じアーサーのヘイリーなら、もっとうまく小説にしただろうと思われる部分(最後に反対派が破壊工作に来る部分など)が非常に多くあるが、初期のクラークの作品という事で
許してしまおう。最後のエピローグでは、ダーク(これはどうしてもダーク・サイド・オブ・ザ・ムーンを連想してしまうが)の回想という形で、その後の事が書かれているが、この部分がもっともクラークらしい部分である。近未来のテーマは、少なくとも私はあまり好きではない。海底牧場もまたしかりである。
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A・C・クラークの訃報を知ったのは、ついこの前のような気がする。
そういえば、彼の作品を読んだことがあったっけ?
あったような、なかったような、記憶が非常に曖昧であった。
ならば、この機会にどれか読んでみようと思い立った。
クラーク最初の長編ということで、とりあえずこの作品を手にとってみた。
人類が初めて月へ行くお話である。
アポロ11号が人類最初の有人月着陸を果たしたのが1969年7月。
今さら何を??なお話だし、
この本に登場する宇宙船プロメテウス号の月飛行計画とアポロ計画とではずいぶんと食い違いがある。
読み始めはとても不安だった。
ところが、なかなかどうして2008年現在でもけっこう読ませてくれるのである。
この作品が書かれたのは1951年。
プロメテウス号の月飛行計画はなんと、現在のスペースシャトルと同様な方式(巻末の解説によると「地球周回邂逅方式」)を採用しているのだ。
1回ごとにサターン5型ロケットを使い捨てにしたアポロ計画よりも、
スペースシャトルに近いプロメテウス号のやり方のほうが合理的。
クラークの未来予測の方がアメリカのアポロ計画よりも時代を先取りしていたのである。
彼の英国空軍時代は技術畑でレーダーの開発等に取り組んだこともある経歴の持ち主。
テクノロジーをよく知っている強みがこの作品に発揮されているのだろう。
もっと他の作品も読みたくなってきた。
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キャンベル「月は地獄だ」の前編みたいな感じ
表紙 6点長谷川 正治
展開 5点1951年著作
文章 6点
内容 550点
合計 567点