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名前は世に知られているがその実態は知られていない安倍晴明。その伝承等を集め、晴明に近づくための一冊。
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さまざまな小説やドラマにとりあげられている安倍晴明にかんする史実と伝説を、著者自身の観点からわかりやすく紹介している本です。
陰陽道の入門書ではなく、あくまで安倍晴明伝説の入門書と考えるべきでしょう。ただ、彼にかんするエピソードの重複がめだつのが気になりました。本書の成立事情はよくわからないのですが、あるいはさまざまな雑誌などの解説記事として書かれた文章をまとめたものなのかもしれません。
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呪術で式神、護法という鬼神を使役し、京の都を守護した、安倍晴明の物語
・古浄瑠璃「しのだつまつりぎつね」にもなった安倍晴明の母は狐という伝説
・どうやら、安倍晴明は、讃岐の人
・子どものときから鬼が見えた安倍晴明、そのことで師匠、賀茂忠行は、彼に惜しげもなく陰陽道を伝えた。
・そのため、それまで天文道と暦道を独占してきた、賀茂家に加えて、安倍家の2つの家が陰陽道を使えることとなった
安倍晴明の時代は藤原道長の時代、天下人であった彼は、安倍晴明を重く用いた。
藤原道長の危機を救った犬。犬は、神通力をもつ生き物と思われていた。
播磨は、陰陽道に関係ある場所らしい。安倍晴明も播磨の国守として赴任したことがあった。
陰陽師は前世をも見通すといわれていた
式神とは見えない鬼神、陰陽師は式神を自由に操る
安倍晴明は、人の使役する式神を隠せる これは安倍晴明が並大抵の陰陽師ではないことを示している
安倍晴明の宿敵、蘆屋道満、禁中より、夏みかんが16個入った長持ちの中身を当てる法力争いにて、道満と戦った時、晴明は、16匹のねずみといって、開けてみると果たして、16匹のねずみがとびだしてきた。
これにより道満は、晴明の弟子になる。帝の命で唐にいき、伯道上人より金烏玉兎集を授かった。道満は晴明の妻利花と不倫の関係になっていて、金烏玉兎集を写し取ってしまう。晴明はこのとき、道満に殺されてしまう。
術により晴明の死をしると伯道は、術法で晴明をよみがえらせる。晴明は道満と妻利花を殺害し、写し取った金烏玉兎集を焼却した。
陰陽師は、「神の気」を調伏し、仏教僧は、「物の怪」を調伏する。祈祷、祓い、調伏の対象がそれぞれ違うのである。陰陽師とは、僧侶と違ってあくまでも、俗人である。
優れた陰陽師は、呪った陰陽師が仕掛けた式神を打ち返して、相手をその式神で殺すことができる。
陰陽師は、お祓いだけしているわけではなかった。晴明らは、有職故実の生き字引的な存在でもあった。
安倍晴明を記載している書は、「今昔物語」や、「平家物語」、「古事談」など多岐にわたる
御霊を祀る神社としては、上御霊神社・下御霊神社がある
平安に現れた大怨霊、菅原道真、平将門、大江山の酒呑童子
安倍晴明は1005年(寛弘二年)に85歳でなくなっています。
安倍家の家紋は有名な五芒星、室町時代に「土御門」姓を賜っている。
目次
はじめに 鬼と怨霊の都 平安京
第1章 安倍晴明の誕生
第2章 天才陰陽師 安倍晴明の呪術
第3章 宿命の対決
第4章 安倍晴明と陰陽道
第5章 呪われた都の悪霊祓い師
第6章 異界
付録
ISBN:9784043490011
出版社:KADOKAWA
判型:文庫
ページ数:240ページ
定価:629円(本体)
発売日:1999年08月25日初版