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みんなのレビュー109件

みんなの評価4.1

評価内訳

109 件中 1 件~ 15 件を表示

ともかく面白かった

2006/07/15 01:42

3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:BCKT - この投稿者のレビュー一覧を見る

1 ハワイ——私の第一歩
2 ラスヴェガス I can’t believe it.
3 ミシガンのキャンパス
4 太陽のない季節
5 フロリダ——新生
6 ロッキー山脈の麓へ
7 ストラトフォード・パーク・アパートメント
8 コロラドの学者たち
9 精気溢るる学制群像
10 アメリカ,そして私
 1943年(満州国)生まれ。新田次郎(作家)と藤原てい(『流れる星は生きている』)の次男。東京都立西高等学校卒業(62年,19歳)。東大理学部数学科卒後,同大大学院修士課程修了。東京都立大学理学部助手(68年,25歳)。ミシガン大学研究員(72年,29歳)。理学博士(73年,東大,30歳)。専門は数論。数学分野なのに,数論ってなに? コロラド大学助教授(73年)。お茶の水女子大学理学部数学科助教授(76年,33歳)。同教授(88年,45歳)。同付属図書館館長兼任(00年)。本書は,第26回日本エッセイストクラブ賞受賞(78年)。 著者が茶大在就職直後に刊行した作品(34歳)。作家夫婦の子に生まれると,随筆刊行の機会もめぐってくるという好例。
 石油危機直後の合衆国の大学における留学・就職・従業体験記。当時の為替だけ考えても,やっぱ東大生は恵まれてるなぁという印象を禁じえない。しかし,まぁ東大なので仕方がない。しかし,なぜ東大で博士号を取得したのだろうか? どうせなら,当時在籍していたミシガン大学でとっていてよさそうなものなのに・・・・。たとえ女子学生だといっても,どうせ最近の茶大生なんて,普通の女子高生がそのまんま大学生になったようなもんだろうから(といってもうちの大学なんかよりいいのかな?),羨ましくはないが,奥さん(美子『子育てより面白いものが他にあるだろうか?』)は美人らしい。これは羨ましい。
 エッセイストクラブ賞を受賞する価値があるかどうかはわかりませんが,ともかく面白かったです。昔っから読んでみたかった本なので,納得しました。(814字)

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若き藤原先生の人間味満載!!

2024/12/01 18:32

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:大阪の北国ファン - この投稿者のレビュー一覧を見る

著者の藤原先生が29歳の1972年、アメリカミシガン大学に留学された時の見聞録・体験談であり、当時の先生の考えや主張を綴ったエッセイ集である。若い頃の清新な感情をもって描かれており、肩ひじ張らずに気楽に読めるのが楽しい。
「数学者」のエッセイ集ながら難しい数学の話は出てこない。本書の前半で先生が引用されている某数学者のコトバに大いに頷かされたのでその一文を引用する。「問題が解けないのは許される。しかし問題を間違って解いてその誤りがわからないというのは罪が重い」。然り。これは数学の問題のみの話ではない。
アメリカの大学生は驚くほど基礎的学力がないが、議論をすると滅法強い。日本的に言うと「屁理屈ばかりこねる」ということになるのだろうが、それは私が若い頃滞在していたヨーロッパでも同じで、よく「なんでこんなに弁が立つのだろう」と思ったものだ。その背景は簡単で、小学校から高校までに欧米では「思考」を習得させるのに対して日本では「知識」習得に重点が置かれるからである。思い起こせば私も大学一年の試験の答案用紙が氏名欄と罫線が入っただけの白紙が配られ驚いたことがあった。問題は教授が黒板に書いた「●●について考えを述べよ」だけ。40行あった答案用紙に書けたのは2行だけ。この形式の試験で試されるのは論理を思考し、記述する能力である。卒業後の長い人生において大切なのは微積分の知識ではなくて、国際人として渡り合う思考と記述である。藤原先生は続く著作「数学者の言葉では」でもこの点を繰り返し指摘し、日本の教育行政に是正を提言しているが、当局者は小手先の変更だけで充分とでも思っているのか、「何とかの時間」を週に何時間か設定してお茶を濁すのみで抜本的な改革に乗り出そうともしない。残念なことである。あっと驚くような教育改革を期待したい。
本書はその後、先生がミシガン大学からコロラド大学に教育職として移り活躍していかれる様を描く。先生が肩ひじを張りすぎて苦労した日本人としての劣等感、ホームシック、近所の子供たちとの交流など微笑ましい記述が多く、のちの「少々カタいことをいう先生」とは違った人間味溢れる若人の姿を感じることができた。
大詰めに先生はアメリカ滞在全体を締めくくるにあたって次のコトバを書いておられる。あまりにも含蓄ある重いコトバで、読者として打たれたので最後に引用する。「(先生自身が)人気者でありながらも、誰からも好かれながらも淋しかった原因、それは愛の心を持たなかったためだと思った。それがいかなる愛であろうと、愛なしで人間は人間であり得ない。人間はその心の最も奥深い部分を通わすことのできる「何か」が必要だ。それが愛ではないだろうか。私はそう思った。」 
藤原先生に脱帽である。

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観察力に感心

2002/07/27 19:31

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:MFTR - この投稿者のレビュー一覧を見る

数学者(大学教授)の目を通したアメリカ人の観察記録ともいえる本である。著者の専門は数学で、本書の舞台は旅行途上のホテルや職場であるキャンパスなのだが、そこでの日常の出来事をつづっただけで、ある種の文化論のようになってしまうのは、著者の鋭い感性によるものなのであろう。文章も非常に読みやすく。出来る人は違うのねと感心。

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「ネタバレ」 アメリカでの研究・教育生活が、情緒的に書かれている

2015/03/21 13:36

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:osozakisugakusha - この投稿者のレビュー一覧を見る

本書は、著者が若いころに、ミシガンの大学に招聘されて飛行機でアメリカに向かうシーンに始まり、精神的な葛藤を含む様々な経験が情緒的に語られている。アメリカへの対抗意識や、アメリカ人が日本人である自分に敵意を持っているあるいは馬鹿にしているのではという被妄想的な心情によって精神を病んでいく苦しみが、フロリダへ行ったことで解消されてから、コロラドへ移り、教員として授業や教授会で様々な場面に遭遇する様子が、著者の日常生活とともに情緒的に描写されている。
アメリカで暮らす日本人としての著者なりのアイデンティティを確立し、より良くアメリカを(好意的に)理解するようになってから日本へ帰国する際の心情を綴った情景描写は、圧巻である。

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留学する人への一冊

2004/09/26 18:15

7人中、6人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:Masa - この投稿者のレビュー一覧を見る

この著者、アメリカの大学に呼ばれるほどの数学の才能をもち、
英語でネイティブの学生に講義をし、
読者をあきさせないこんなエッセイをかけるほどの表現力をもってます。
こんな嫉妬するほどの才気あふれる人でも、若いころは傍からみると
何でもないようなことに、苦悩したり、一喜一憂する様をみて
応援したくなりました。また、数学者ってこんなことで落ち込むのかとか、
アメリカの学者の習性なんかも垣間見れ、最後まで一気に読み終えました。
これから留学を考えている人は、この本から勇気がもらえるかもしれません。

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刺激的

2020/05/26 18:49

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:North Shin - この投稿者のレビュー一覧を見る

『若き数学者のアメリカ』は、とても刺激的な本です。
インターネットなどもない時代に、アメリカにわたり、アメリカの大学で
研究や教育をした体験談です。

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2004/09/25 11:00

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2005/11/25 21:37

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2006/04/20 23:39

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2006/05/05 13:45

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2006/07/19 22:42

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2006/08/15 21:36

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2006/10/06 21:41

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2007/01/15 20:42

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2007/01/20 23:29

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